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数学ギョウザ

数学の期末試験で、風車の面積を求めよという問題が出た。
羽は全部で二十枚あり、円のような形をしている。ただ、重なりはないので羽一枚の面積を合計すればいいはずだ。
まず、羽の一枚に補助線を引き、直角三角形と台形に分割する。三角形の面積はすぐに求められたが、台形が難しい。上辺の長さがどうしてもわからない。補助線をいろいろ引いてみるが、かえって混乱してきた。
背中を椅子にあずけて、問題を遠目に見る。
あ、と思い、風車の頂点が接する円を書いてみる。これだ、と飛び上がりそうになる。余白はすべて二十個のおうぎだ。つまり、おうぎ形の面積を求めて、その合計を円から引けばいいんだ!

「あの問題、難しかったな」
難問が解けた余韻に浸りたくて、隣の友人に話しかける。
「そうか? 俺は、図形を見た瞬間に答えわかったぞ」
「おお、すげえな。一目で、円の面積に気付いたのか」
友人は首をかしげる。
「いや、うちの店で出してる羽付き餃子と同じ形だったから」

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