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【F1 Rd.13 ハンガリーGP🇭🇺決勝ハイライト🏎💨】

様々なドラマが巻き起こったハンガリーGP。70周を戦ってレースを制したのは、F1キャリア初優勝オスカー・ピアストリ🇦🇺(マクラーレン)!
チームメイトのノリスと共にピット戦略などにかき回される場面もあり最後はやや消化不良なところもありましたが、初優勝は初優勝。このハンガロリンクでまた1人新たなGPウィナーが誕生しました。

2位にはランド・ノリス🇬🇧(マクラーレン)、そして3位にはルイス・ハミルトン🇬🇧(メルセデス)が入る表彰台となりました。

予選でフロントローを独占したマクラーレン、スタートでは2番グリッドのピアストリが見事な蹴り出しでホールショットを奪いトップに立ちます。ノリスも決して悪くはありませんでしたが3番グリッドからスタートしたフェルスタッペン🇳🇱(レッドブル)も並んでピアストリ、ノリス、フェルスタッペンの3ワイド。フェルスタッペンはコースオフしますがそこからスピードを上げて合流し2番手に立ちます。

ノリスはフェルスタッペンが走路外から2番手に合流したためポジションを戻すべきだと主張。フェルスタッペンは自分のポジションを主張しましたがスチュワードも審議対象にしたところでチームから「ポジションをノリスに譲れ」との指示がでて4周目にノリスを渋々先行させました。

ソフトタイヤスタート勢は10周満たないくらい、ミディアム勢は20周前後でピットに向かいますがここで動きがあったのはハミルトンとフェルスタッペン。ハミルトンは16周でピットに向かったのに対してフェルスタッペンは21周まで引っ張りました。元々2人の差は1秒前後だったのですがこの5周の間にハミルトンはハードとは言えニュータイヤでペースを上げフェルスタッペンがピットアウトした時にはハミルトンが7秒以上先を行ってました。アンダーカット成功です。

しかし根本的なマシンポテンシャルで武があるレッドブル、フェルスタッペンは周回を重ねるごとにハミルトンとの差を詰め35周目には勝負を仕掛けます。しかしハミルトンも簡単には前に行かせません、なんとかポジションを守ります。
フェルスタッペンは「こいつマジで曲がんねーな!」とキレます。

フェルスタッペンからの攻撃を守り切ったハミルトンは42周でピットへ。これでフェルスタッペンは3番手へ浮上しますが「アンダーカット許してんなよ、マジでレースを台無しにしてるよ。」とチームの作戦にイラついてます。ポジションは上がりましたがこれでは前に立てないというのはフェルスタッペンも分かってましたね。

一方その頃マクラーレンの2人は2秒前後のギャップで1-2を形成。ここから2人とも2ストップ目が必要なわけですが何故かここでマクラーレンは2位のノリスを先にピットに入れます。

通常チームメイトでこのようなシチュエーションでは先行するドライバーの方にピットの優先権を持たせます。マクラーレンは「ハミルトンに追いつかれるのをカバーするため」とノリスに説明する一方、ピアストリはその翌周にでもピットに入れないとフレッシュタイヤでペースが上がるノリスとポジションを入れ替えることになります。そして実際にはピアストリをピットに入れたのは2周後。静止時間は2.9秒とやや時間はかかりましたがピットアウトした時にはそれ以上のギャップでノリスが先行してトップに立ちました。

一方でハミルトン対フェルスタッペンは40周目にピットに入ったハミルトンに対してフェルスタッペンは49周まで引っ張りました。しかしその結果はハミルトンと同じ40周目にピットに入ったルクレール🇲🇨(フェラーリ)にも先行を許し5番手でレースに戻ります。今回はとことんストラテジーが外れてしまいます。

しかしフェルスタッペンはフレッシュタイヤを活かしてペースを上げ、57周目にルクレールを捉え4番手へ浮上します。

そこからさらにハミルトンを追いかけ60周目にはDRS圏内にまで追いつきます。速さ的にはフェルスタッペンに武があるように見え、順位が入れ替わるのも時間の問題かなと思ってましたが…事件が起きます。
63周目に入ったターン1、フェルスタッペンはハミルトンのインに飛び込みますがタイヤをロックさせてしまい止まり切れず直進、そこへインにアプローチしようとしてきたハミルトンの右前とフェルスタペンの左リアタイヤが接触、フェルスタッペンのRB20はジャックナイフかのごとくリアが大きく跳ね上がります。

ハミルトンを抜けなかったどころかこの間にルクレールも先行しフェルスタッペンは再び5番手へ後退します。驚いたのは、これだけ大きく跳ね上がっているにも関わらず周りと変わらないラップタイムを刻みその後もレースを続けたこと。RB20、オーバースペック過ぎるだろ(笑)。最終的にフェルスタッペンはこれ以上追撃は叶わず今回は5位でフィニッシュすることになりました。

一方その頃マクラーレンはマクラーレンで頭を抱えます。本当はピアストリを先行させたかったのか、2人がピットを終えた後それぞれに「近づいたらポジション入れ替えるからね」と話します。

しかし2人のギャップは近づくどころか5秒まで広がり、ストラテジストも頭を抱えます。ノリスも「(ピアストリに)追いつけよって伝えてよ!」と無線を飛ばします。

これだけギャップが広がったのであれば流石にポジションを入れ替えることはないかなと誰もが思っていたでしょう。しかし…マクラーレンは決断します、2人のポジションを入れ替えました。

ピアストリは本来はこのような形で勝利を掴むのは不本意だったと思います。それはフィニッシュ後の無線でもはしゃぐような素振りがなかったことからも伺えます。一方でマクラーレンはこれが作戦ミスだったのか、何としてもピアストリに今後のためにも勝ち星をつけてあげたかったのだと思います。終盤2人ともタイヤがかなりキツくなって、特にノリスにはタイヤをセーブするよう再三伝えてました。それはピアストリに追いつかせる意図もあったとは思いますがピアストリもタイヤが厳しいことを訴えてました。その結果なのかこのようなあからさまな形でポジションを入れ替えることになったと思われます。これが本記事の冒頭でも述べた「消化不良」な部分でした。
しかし改めて述べますが、優勝は優勝です。チームとしても久々の1−2フィニッシュ、これからのマクラーレンが非常に怖い存在になりそうですね。

マクラーレンの1-2、ハミルトン対フェルスタッペンに多くの注目が集まりましたが、後方ではもうひとつ注目のバトルが生まれてました。
それは角田裕毅🇯🇵(RB)対アストンマーティンの2台です。このレース、ほとんどのドライバーが2ストップ作戦を遂行する中で角田はただ1人見事なタイヤマネジメントで1ストップを敢行。そのためアロンソ🇪🇸(アストンマーティン)がラスト10周のところで迫ってくるも角田を捉える前にタイヤが限界を迎え、入れ替わってストロール🇨🇦(アストンマーティン)が角田を狙いDRS圏内にまで入られましたが最後は0.7秒差で角田に軍配が上がりました。41周走ったハードタイヤで見事な防戦を披露してくれました。価値ある9位2pt獲得です。

ハミルトンは今回3位に入りましたが、実はこれがキャリア通算200回目の表彰台。時代が彼に向いていたとはいえこの2-3年は非常に苦しい戦いだったと思います。今はレッドブルが少し勢いを失いかけてる様子もありますし、この記録は今後もう少し伸びていきそうですね。

さて、今回はピアストリ優勝、ノリス2位、ハミルトン3位という表彰台になったのですが、皆様昨年のことは覚えてますでしょうか?ノリスがフェルスタッペンの優勝トロフィーを破壊したことを(笑)。
誰もが今回の表彰台でどんな面白いことが起きるのか非常に楽しみにしてたと思います。
なんとノリスはまず自分のトロフィーを早々とプレゼンターに「持ってて」と渡し(笑)、そしてスパークリングを表彰台ではなく床に打ち付けてコルクを飛ばしますがそのスパークリングは思い切りノリスの顔を噴射しますw
さらにピアストリはノリスに壊されまいとトロフィーを丁寧に動かして対策www
今回は誰もトロフィーを壊されることなくスパークリングファイトを楽しみました(笑)。

このレースを終えてのランキングはこちら。

ピアストリは優勝したことでサインツと5pt差までグッと詰めてきましたね。ここ最近のマクラーレンの躍進を考えるとフェラーリ勢を超えていける可能性は十分にあり得ると思います。
ハミルトンも3位に入ったことで一気に6位へ浮上。そしてこの上位陣トップ4チームの中ではペレスが唯一今季勝ち星のないドライバーになってしまいました。来季のレッドブルとの契約を更新はしましたが、ここ数レースあまり結果を出せておらず契約破棄の噂もチラホラと聞こえてきます。
優勝まではいかずとも、なんとか周囲を納得させる走りを見せていきたいところです。

さて次戦はいよいよ夏休み前最後の1戦、ベルギーGP🇧🇪。低速から高速、そして地形を活かした登って降っての激しいスパ・フランコルシャンのレイアウトは低速テクニカルのハンガロリンクとは全く異なる性格を持ちます。そんなサーキットで一体どんなバトルが生まれるのか?毎年不安定な空模様も気になるところ。次戦も注目です。


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