ゲルマー・ルドルフ宣誓供述書への反論(2)
ロイヒター・レポートの発表以来、多くの正史派・アンチ修正主義派側の人たちは、レポートの内容について批判してきました。中でももっとも反論の対象となったのは、害虫駆除室と殺人ガス室跡におけるシアン化物残留濃度の大幅な差について、です。
ロイヒターレポートでは、害虫駆除室のシアン化物残留濃度の検出値は約1,000mg/kg(採取試料1kg換算あたり約1,000mg)だったのに対し、殺人ガス室では0〜10mg/kg程度とあまりにも大きな濃度差があったのです。これにより、確実にシアン化水素ガスが使われたことがわかっている害虫駆除室に対して、ガス室跡とされる場所にはシアン成分がほぼ存在しないと言えることから、ガス室跡とされる場所は実際にはシアン化水素ガスは使われていないとしか考えられない!→殺人ガス室はなかった!と修正主義者たちは大喜びしたのです。
これに対し、正史派・アンチ修正主義派側からは先ず、ロイヒターレポートに示されたガス室跡のシアン残留濃度はゼロではないことに目をつけました。0だった試料サンプルもありますが、その多くは一桁台だったとは言え、0ではなかったので、シアン化水素ガスが使われた証拠であると主張しました。大幅な検出値の差が生じた要因は、害虫駆除室は調査時点においても当時と変わらずに存在していたが、ガス室跡は改修を受けたり(主収容所のガス室)、破壊されて長年にわたって風雨にさらされていたためにシアン成分が洗い流されるなどして濃度が低くなったのであろう、などと主張したのです。また、害虫駆除室での駆除対象はチフスを媒介するシラミであり、シラミは人間よりもはるかにシアン化水素に対して強いため、人間を殺すために必要な濃度の何倍もの濃度を必要とし、時間もかかるのでそのために害虫駆除室のシアン残留濃度がガス室跡よりはるかに高くなるのは当然だ、などとも主張しました。
しかしながら、ここで先んじてこれらの正史派側の主張が多少誤っていることを簡単に述べておきたいと思います。事態はもっと複雑、あるいは単純なのです。というのは、大幅な濃度差が生じた要因のほとんどは、害虫駆除室からロイヒターやルドルフが採取したサンプルはプルシアンブルーがほとんどだったからです。プルシアンブルーは文字通り見た目も青いものであり、シアン成分が素材に含まれる鉄分と化学的に結合して生成される物質(鉄青)です。しかし、プルシアンブルーを生成しなかったシアン成分も存在したのです。この二つは、長期的な安定性が全く異なります。単純に鉄青は長期間にわたって安定的に存在しますが、そうでないシアン成分は揮発性も高くまた水に容易に流出してしまうのです。そして、害虫駆除室には明確なプルシアンブルーが壁面などに残っていたのに対し、ガス室跡には一切存在していませんでした。
1945年を基点とすると、ロイヒターやルドルフ、あるいはクラクフ法医学研究所による調査が行われたのは、概ね1990年とすれば、アウシュヴィッツのガス室でガス処理が行われてから45年も経っているのです。従って、大幅なシアン残留成分検出値の差の最大の要因は、この二種類のシアン成分に関する経年変化による違いなのです。これを最大限わかりやすく示したグラフ(あくまで説明するためにだけ作成した簡易な模式図であり、特に理論的な計算をしたわけではありません)を作成してあるので、以下に示します。
このように、何年も経てばプルシアンブルーとそうでないシアン成分の濃度差は大幅に開いてしまうのです。この違いに加えて、ルドルフなどは明らかに害虫駆除室からの試料採取について、プルシアンブルーが試料に多く含まれて当然のような試料採取を行っている(試料採取時の証拠写真を見れば明らか)ので、大幅な差があって当然のような結果になってしまっているのです。砂糖をしっかり溶かしていない砂糖水から、コップの底に溜まった砂糖の部分の砂糖水を採取して「この砂糖水にはあまりに砂糖が多すぎる!」と言っているようなものです。
しかし、ロイヒターレポートに反論した多くの人たちは、ほとんどこの厳然たる化学的事実に言及せずに、それ以外の要因について多く述べてしまったため、やや本物の化学者である本物の修正主義者のゲルマー・ルドルフに仔細に反論されてしまい、さらにはこのグリーン博士らはその反論に被せるようにさらに反論したので、事態が複雑になってしまい、素人には理解しにくくなってしまったわけです。つまりどうでもいいような正史派側の反論が事態を複雑にした、その一つが今回翻訳する2回目の反論記事の冒頭にある、ロイヒターの資料を分析した、マサチューセッツ州のアルファ分析研究所の主任研究員であるロス博士の話です。個人的には「どうしてそんな無駄なほとんど意味のない話をしたんだ?」としか思えないわけですが…
では、ゲルマー・ルドルフ宣誓供述書への反論の翻訳その2です。
ゲルマー・ルドルフ宣誓供述書への反論(1)
ゲルマー・ルドルフ宣誓供述書への反論(2)
ゲルマー・ルドルフ宣誓供述書への反論(3)
ゲルマー・ルドルフ宣誓供述書への反論(4)
ゲルマー・ルドルフ宣誓供述書への反論(5)
▼翻訳開始▼
リチャード・J・グリーン博士の報告書
I. シアン化水素による建材の浸透
弁護側は、ロイヒターがガス室から採取した試料から有意なレベルのシアンを検出できなかった理由の一つは、HCNが建築資材の表面だけに浸透し、ロイヒターの大きな試料によってシアンが大幅に希釈されたためであるとの主張を展開した。ルドルフは、「シアン化合物の残留物は、HCNにさらされた建材に深く浸透するはずだ」と主張し、
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この主張を批判した。私は、a) 弁護側の主張の背後にある原理が有効であること、b) ルドルフの害虫駆除室でのプルシアンブルー染色とガス室での残留物の比較は無効であること、c) プルシアンブルー染色の多くが実際には表層的であるという証拠があること、 d) ルドルフの批判が完全に正しかったとしても、彼の主張はガス室がHCNにさらされなかったことを示すことができないこと、について示す。この最後の点に関しては、法医学研究所(IFFR)によって、ガス室からシアン化合物が実際に検出されたことに留意すべきである。ルドルフは、グレイ判事の判決を引用して、次のように述べている。
また、ヴァンペルト教授の言葉も引用している。
ルドルフは「この発言は支持できない...」と述べている。ロス教授の証拠を見ない限り、私はそれを支持できないと言う気にはなれない。しかし、私はまだロス教授の完全な議論に納得していない。彼の主張の一部は間違いなく正しいのだが、ルドルフはより問題のある面を批判することに重点を置いている。この問題を論じる前に、エロール・モリスのドキュメンタリー映画『ミスター・デス』のインタビューからロス教授の言葉を引用しよう:[25]。
[25] エロール・モリス、『ミスター・デス:フレッド・A・ロイヒターJr.の栄枯盛衰』、ユニバーサル・スタジオ、1999年。転記は私によるものであり、その転記に誤りがあったとしても私一人の責任である。
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ロス博士の発言全体の中で唯一問題となる文章は、「10ミクロン以上は透過しないでしょう」というものだ。彼は、自分の発言を「おそらく」という言葉で修飾した。その一文がなければ彼の主張は、文句なしに有効である。壁がシアンにさらされると、シアンにさらされた表面にはより多くのシアンが存在することになる。表面を丁寧にサンプリングするのではなく、大量のサンプルを粉砕すると、サンプルが希釈されてしまう。ロスの主張は、もう一つの示唆をもたらすはずである。汚染物質の濃度が均一でないことは確かであり、汚染物質の不均一なレベルを含む異なるサンプルサイズを選択することは、異なるサンプル間の濃度比較を疑わせる。害虫駆除室とガス室とで化学過程が異なることを無視しても、比較するためには同等のサンプルを測定することが必要である。なぜならば、親指ほどの大きさのサンプルであっても、濃度は不均一であるため、直接比較する際には注意が必要だからである。
シアン化合物の浸透性についてのロス博士の発言は、やや問題がある。間違っていると断言する前に、その根拠を確認したい。しかし、私はアウシュビッツでは次のように理解している。害虫駆除室の多くには、青色染色の視覚的証拠があるが、ガス室の残骸にはない。このシミの多くは、10ミクロン以上の深さまで浸透している。この染色がどのようなものであるかは、全くわかっていない。しかし、このような染色が見られる場所は、そうでない場所に比べてシアン化合物の濃度が非常に高くなるのは、まったく不思議なことではない。はっきり言えば、プルシアンブルー染色の視覚的存在だけで、害虫駆除室は殺人ガス室よりも高濃度のシアンを示すと予想されるのである。そのため、仮に公平に比較したとしても、明らかに青く染まっている部分には、より多くのシアンがあるはずである。
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ルドルフはこう主張する。
その比較は非合法である。決まり文句を使えば、彼はリンゴとオレンジを比較しているのである。HCNにさらされたからといって、青色染色の形成が必ず生ずるわけではない。ルドルフが青色染色について述べていることは、その施設がガス室として使われたことを否定するものではない。害虫駆除室で起こった化学的プロセスは、ガス室で起こった化学的プロセスとは、ある意味で根本的に異なっていたのである。害虫駆除室には明らかな青色染色が見られるが、ガス室には見られない。害虫駆除室を根拠に、ガス室で何が起こるべきであったかを論じることは、一見すると、それほど単純なことではない。害虫駆除室でのプルシアンブルーの生成には、ルドルフが提唱したメカニズムと同様のメカニズムが働いている可能性がある。しかし、ある部分は染まり、近くの部分は染まらないという、非常に奇妙な染まり方をするものもある。ハリー・W・マザールなどは、外壁のシミについて言及している[26]。ダニエル・ケレンは、このような染色の写真を http://www.holocausthistory.org/~dkeren/auschwitz/trip-2000/prussian-blue-1.jpg(註;このリンクアドレスは既に存在せず、Webアーカイブにもありませんが、下記の写真のようなものだと思われます) に掲載している。
このようなシミの理由は、完全には説明されていない。ルドルフは、ガス室でプルシアンブルーが生成される化学的メカニズムを提唱している[27]。ルドルフが害虫駆除室でのプルシアンブルー生成のメカニズムについて完全に正しかったとしても、同じメカニズムが害虫駆除の条件下で適用されると期待すべきではないことは、私が示したとおりである[28]。以下、その論旨を少し詳しく辿ることとする。重要な
[26] ハリー・W・マザール OBE 私信。マザール氏は、ホロコースト歴史プロジェクトの代表であり、アウシュビッツの現地での法医学調査を行っている。
[27] 例えば、ゲルマー・ルドルフ、「アウシュヴィッツとマイダネクの「ガス室」」(https://web.archive.org/web/20051224205146/http://www.codoh.com/found/fndgcger.html)を参照。
[28] リチャード・J・グリーン、「ロイヒター、ルドルフそして鉄青」、1998年、https://phdn.org/archives/holocaust-history.org/auschwitz/chemistry/blue/(日本語訳)
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点として、プルシアンブルーの生成についてルドルフが正しく、ロイヒターのサンプルが完全に正直に正確に収集されたとしても、プルシアンブルーに関するどの証拠も、ガス室での殺人的ガス処刑と両立しないということがあげられる。実際、クラクフの法医学研究所(IFFR)によって、クレマI-Vのガス室とアウシュヴィッツのブロック11からもシアン化合物が検出されていることに注意すべきである[29]。 これらの結果について、以下でさらに詳しく説明する。
ルドルフはこう書いている。
ルドルフは、害虫駆除室に当てはまることがガス室にも当てはまるはずだと、またしても不法に思い込んでいることに加えて、彼の結論には明白なものが何もないのである。むしろ、壁の外側の変色は、害虫駆除室の外でどのようなプロセスが行われた可能性があるかを考えさせる。例えば、HCNの水溶液を染み込ませたものを建物の外側に立てかけていた可能性はないだろうか? まだ十分なことはわかっていないが、建物の外側の汚れが建物内のプロセスに由来すると結論づけるのは早計である。ハリー・W・マザールOBEは、シミによるレンガの貫通を研究している。まもなく出版されるエッセイの中で、彼は自分が撮影した写真について次のように記している[30]。
さらに、B1bの外側に染色があることを指摘する。
[29] マルキエヴィッチ、グバラ、ラベツ、「裁判例から」、z. XXX、17-27、 (1994) 、https://phdn.org/archives/holocaust-history.org/auschwitz/chemistry/iffr/
[30] ハリー・W・マザール OBE、「ガス室の技術的要件とプルシアンブルーに関する若干の考察」、出版予定(註:2023年現在、ネット検索でもタイトルのものは見当たらず、公開されていないようです)
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外壁のレンガに全く深く浸透しない汚れがある場合、この汚れが気体状のHCNによる燻蒸に由来すると主張することは非常に困難である。外壁が何らかの形でシアンの水溶液にさらされた可能性もあるが、着色部は深くは浸透していない。ダニエル・ケレンは、https://phdn.org/archives/holocaust-history.org/~dkeren/auschwitz/trip-2000/prussian-blue-3.jpgで、染色が深く浸透していないことがわかる写真でさらなる確認を示している。
ルドルフはこのセクションの最後に、「この問題に関しては、ロイヒターが正しかった」と言っている。ロイヒターもルドルフも間違っていたのは、プルシアンブルー染色の有無がHCNへの曝露の有無と直接相関しているという仮定である。この仮定は、両者の主張の致命的な欠陥である。プルシアンブルーは確かにそのような暴露の結果かもしれないが、HCNに暴露されると(註:必然的に)プルシアンブルーが生じるということはないだろう。プルシアンブルーや類似の化合物を形成しないHCNは、プルシアンブルーを形成するHCNよりもはるかに少ない痕跡を残して、水や風化によって洗い流されたはずである。このような事実にもかかわらず、IFFRは、ガス室の残骸からプルシアンブルー以外のシアン化合物を実際に検出した。どの面にHCNが付着しているかわからない試料を粉砕すると、注意深く試料を採取するよりも測定濃度が希薄になることは、間違いなくロス教授の言うとおりである。
▲翻訳終了▲
この写真はレンガの上に塗り固められた漆喰を削ったものですが、明らかにプルシアンブルーは漆喰表面に集中しています。記事中に示した写真でも、壁には斑らに青になっていて、ルドルフのような単純な考えでは説明がつかないことになっています。
しかし、冒頭で説明したように、ロス博士が述べた「表面にしかない」話は実際のところ、どうでもいいのです。そんな話をするから、ルドルフはその反論として「いや、害虫駆除室の外にもプルシアンブルーはあり、明らかにシアン化水素は壁に浸透していることの証明だ!」などと余計な反論をすることになってしまい、それをさらにグリーン博士が反論するという・・・あんまり意味ないと思います。
例えば、壁面に微細な目に見えないくらいのヒビとも言えない程度の空間があれば、ガスなのですからそこに浸透するでしょう。そして壁の外にもガスが漏れてプルシアンブルーが生成される場合もあるかもしれません。こんな議論まで考慮していたら、素材表面にしかないはずだ!という主張は意味をなさなくなります。表面が滑らかなモルタルならいざ知らず、細かい空間のありそうなレンガなら浸透もあり得そうですしね。
但し、壁の表面に青がマダラになっていたりすることで、プルシアンブルーだったりそうでなかったりする、プルシアンブルーの生成には局所性がある事実には注目すべきです。これは、たとえガス室跡にプルシアンブルーが見られないとしても、それはシアンガスが存在しなかった証拠にならないことを証明していると言えるからです。否定派は、壁の素材・状態だけ注目して、「条件が違ったら生じないこともあるだろ!」としばしば主張しますが、そうした主張を行う否定派は、自分が何を言っているのかを理解していません。ガスが箇所によって多少濃度が異なることはあり得るとしても、以下のような場合、それだけでは説明できません。素材の成分条件がそこだけ違うとも言い難いと思われます。私にはどうしてこうなっているのかよくわかりません。
しかし、一つ言えることは、意外とプルシアンブルー生成条件はただ単に「シアンガスが存在すれば生じる」だけとは言い難く、特定の条件のもとでしか生成しないだろう、とは思えます。実際のところ、ある意味こうした「自然に生じた」プルシアンブルーの「厳密な」生成条件はわかっていないのです。時間やコストをかけて詳しく調べる意味もないでしょうしね・・・
なお、ロス博士の指摘は要するに、ロイヒターはガス室などの壁などの建築素材を雑に削って採取しているため、本来は壁面表面にしかシアン成分は存在しない(浸透しない)のだから、表面を薄く採取しなければ当然シアン成分は少ししか検出されない、故にロイヒターの調査結果でシアン成分が低いのも当然だ、というものです。が、単純にそれは微妙に誤りです。グリーン博士も何故それを指摘しないのかよくわからないのですが、なぜ微妙に誤りかというと、ロイヒターらがコントロールサンプルとした害虫駆除室でもおそらく同様にロイヒターは雑に試料採取しているだろうからです。検出値が薄められる比率こそ異なるとしても、害虫駆除室のサンプルも雑に試料採取されているという意味では条件は同じです。そもそも、害虫駆除室のサンプルがコントロールサンプルだとしても、ガス室跡のサンプルの値と何倍の違いがあれば、ガス室がそうであった・なかったと言えるのか?については、何か具体的な指標があるわけではありません。1000倍であろうと一万倍であろうと、具体的な評価指標がなければそんなことはわからないのです。
実は、これもグリーン博士は指摘していないのですが、ロイヒター・レポートには以下のような、測定値を使った馬鹿げたグラフが添付されています。
一番右端の棒グラフの値が害虫駆除室のシアン分析値で、値としては1,050mg/kgです。それより右側の矢印で示されている箇所の棒グラフがガス室跡サンプルで、10mg/kg以下なのです。確かにこれだけを見るとものすごい差があるように見えますが、実はこれはただの印象としてガス室跡サンプル値がほとんどないに等しいように見えているだけなのです。で、このグラフを対数化した値で作成し直すと以下のようになります(ロイヒターレポートの値を使ってはいますが適当にデータを割愛しています)。
一番右端の値がプルシアンブルーが主体の測定値で、それより左側が非プルシアンブルーであることを除外しても、測定値の対数を取るだけでこれだけ差が小さくなるのであれば、ガス室跡のサンプル値が低くとも有意にシアン成分があったことの証明になっている、と言えてくるかもしれないのです。例えば、測定値の対数を取ることが当たり前になっている事例としては、音圧レベルがあります。音圧は本来はパスカル(1N/㎡=1Pa)で測定値を得るのですが、そのままでは桁的に取り扱いが難しいので、対数を取ってdBで表すのです。例えば、音圧レベルの差が6dBだとすると、人間にはそれほど音の大きさの違いがあるとは思えませんが、実はパスカルにして4倍も違うのです。
したがってもし仮に、ある場所でシアン化水素ガスが使われたかそうでないかを示す指標として、測定値の対数を取ることがより適切であるならば、もしかすると、ロイヒターの調査結果だけでも、ガス室跡は本当にガス室だったと有意に言えるかもしれないのです。もちろん、具体的にそんな指標はどこにもないので、そうであるともそうでないとも言えないのですが。
では次へ。
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