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ホロコーストを疑っている人のために

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かつてナチスドイツが行ったホロコーストを「なかった」という人たちがいます。それらの主張の代表的なものを、ある海外サイトを参考に論破する試みです。
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#トレブリンカ

トレブリンカ絶滅収容所解体後の墓荒らし

以下の以前に翻訳した記事で、トレブリンカ収容所跡地の地中は何の変化もない自然の土壌だと吐かすリチャード・クレゲなる正体不明の人物による主張が論破されています。 この記事の中で、トレブリンカではゴールドラッシュが起こったと書かれています。今回はその記事の翻訳+トレブリンカ収容所の歴史について解説された記事の翻訳を紹介します。 トレブリンカ跡地でのゴールドラッシュ、すなわち、トレブリンカ跡地には「お宝が眠っている」との噂を聞きつけ、地元住民などによる掘り返しが行われたのです。

ニュルンベルク裁判とトレブリンカの「蒸気」、アウシュヴィッツの400万人説、あるいは裁判の憲章の話。

前回記事で、こんなこと書きましたけど、 翻訳しようと思って自分でメモっていたリンクリストの中にありました。すぐ忘れてしまうからメモっておこうとしたと思うのですが、メモったことすら忘れるようではどうすればいいのでしょうね^^; 否定派が実際どんな風に言ってるのかをこちらから引用します。 私もちょっと言い過ぎでしたね。「ニュルンベルク裁判でも「蒸気」殺人を認定していた」とまではここには書いてありませんからね。しかしながら、この「蒸気」を鬼の首でも取ったかのように絶対離さない

ホロコースト否認論 トレブリンカでは蒸気で殺された?(6):「蒸気」の簡単な説明。

以前にシリーズ化して、マガジンにもまとめてあるのですが、 これが、日本語情報のほとんどない部分の話なので、上のマガジンの記事は非常にわかりにくいものとなっていて、ちょっと不満でした。概要的にでも分かりやすい記事はないかと思っていたら、灯台下暗しというほどではないですけど、結構見ているリップシュタットのサイトに記事が出ているのを発見。今回はそれを訳します。 この話は、ほんとにネット否定派が大好きな話でもありまして、「一度手に入れた否定論は否定派は決して手放さない」法則ですの

ホロコースト否認論 トレブリンカでは蒸気で殺された?(5):電気も、空気もあった。目撃者はしっかり見ていたが、わからなかったのだ。

トプ画写真は、今回の翻訳記事でもっとも多く名前が出てくる、ベウジェツ絶滅収容所の3D画像です。ご覧いただいてわかる通り、ここには強制移送者の収容施設などありません。否定派はもちろんトランジット収容所(通過収容所)だと主張してますが、ここから移送者が「具体的な情報として」どこに行ったのかは否認派は決して言いません。 で、この「ベウジェツ」がどうしてそのような日本語になるのか、ちょっとだけ困ってます。だって英語表記は「Belzec」なので、DeepLなどで翻訳すると必ず「ベルゼ

ホロコースト否認論 トレブリンカでは蒸気で殺された?(4):神話の修正主義的捏造(PartC)

※2020.12.14に前回記事を読まれた方は、12.15に脚注を含め他にも多少内容の追加変更をしているので、ご注意下さい。 細かい部分がよく分からない議論になっているHCサイト記事の翻訳シリーズを続けていますが、基本的な話としては、ドイツ第三帝国が行ったとされる大規模ジェノサイドの具体的な実態は、戦後になってその全貌が暴かれたのですが、戦時中から情報はある程度外部へ伝わっており、今回の話は、その戦時中に伝わっていたであろう話の信憑性に関するもの、と思います。 余談ですけ

ホロコースト否認論 トレブリンカでは蒸気で殺された?(3):神話の修正主義的捏造(PartB)

ネットというのは非常に広大であり、探し物を探り当てるには、一般的にはGoogle検索などのツールを使うわけですが、それだけではなかなか探し当てられないことも本当にしばしばあります。例えば、トプ画写真のように今回の話題の発端となったニューヨークタイムズ紙面を探し当てようったって、そう簡単にはいきません。 ある人は、わざわざニューヨークタイムズに金払ってこの紙面を得た人がいるようですが、たかがこれだけの情報をお金払うとか私にとってはあり得ません。広い世界ですし、世界中で多くの人

ホロコースト否認論 トレブリンカでは蒸気で殺された?(2):神話の修正主義的捏造(PartA)

前回の続き。 思っていたよりも話がずっと細かくて、「分からない事が分からない」状態にあり、翻訳も四苦八苦しております。が、ホロコースト否認派がこの蒸気殺人の話がかなり好きらしいのは分かります。一度捕まえた話(気に行った否認論)は絶対離さないという否認論者の習性ですからね。ルドルフ・ヘスの拷問話やアウシュビッツのクレマトリウムⅠガス室捏造話など、否認論者はずっと武器を持っていたいのでしょう。反否認派側はその武器を解体して使えなくしていくのがお仕事だったりします。 基本的な否

ホロコースト否認論 トレブリンカでは蒸気で殺された?(1):基本資料の紹介と議論の始まり。

こちらのコメント欄で、ueko1911さんからネタ提供のあった記事を翻訳していくシリーズの始まりです。 面白そうなネタであることは薄ぼんやりとは知っていました。多分、最初に知ったのは、歴史修正主義研究会にあるどれかの文書資料だったと思いますが、「ホロコーストの捏造を戦時中のプロパガンダ起源説にしようって話か……」くらいにしか思ってませんでした(過去に議論していた南京事件でもあった話なので慣れっこです)。ただ、ホロコースト否認論者は如何なる証言証拠であろうとも、虐殺話に直接結