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ホロコーストを疑っている人のために

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かつてナチスドイツが行ったホロコーストを「なかった」という人たちがいます。それらの主張の代表的なものを、ある海外サイトを参考に論破する試みです。
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#ナチス・ドイツ

ヘウムノ絶滅収容所(4):略奪品の選別ーパヴャニツェ収容所

註:トップの写真は、こちらからです。キャプションは「「Gehsperre(外出禁止)」行動の際、ヘウムノへの強制移送前に子供や病人、老人が収容されていたゲットーの中央監獄で、フェンス越しに子供と別れを惜しむ家族。1942年9月、ポーランドのウッチ」とあります。 今回は、ヘウムノにおける「再定住」したユダヤ人から奪った荷物に関する話です。ソ連地域の現場での銃撃等による虐殺でも、もちろん絶滅収容所でも、この奪い取った荷物(髪の毛を切ったり金歯抜いたりも含まれる)を仕分けていく作

ヘウムノ絶滅収容所(3d):死体処理に関する当時の文書

註:トップの写真は、こちらからのもので、キャプションは「ヘウムノ収容所への強制移送中に所持品を運ぶユダヤ人たち。ここに写っている人々のほとんどは、以前に中央ヨーロッパからウッチに強制送還された人々である。1942年1月から4月にかけてのポーランド・ウッチ」とある。 今回は前回再訳した記事の文献資料編ですので、冒頭で話すことは特にありません。41件の文書資料です。前回記事と合わせて読まないと何のことか分からないと思いますので、ご注意願います。 ▼翻訳開始▼ ドイツ文書に見

ヘウムノ絶滅収容所(3):死体処理

註:トップの写真は、こちらからです。キャプションは「ヘウムノ死の収容所への強制移送のために集められた子供たち(1942年9月)」とあります。 前回までの流れは、1942年前半ごろまでには、ヘウムノ絶滅収容所で、ウッチゲットーのユダヤ人で労働不適格者となる10万人がガス車を使って殺されたことまでが述べられました。今回は、森の中の埋葬地に埋められたそれらの死体を焼却処分し、骨を粉砕してその辺に捨てたり、肥料として使ったという話です。 ヘウムノ収容所に特徴的な事実は、定置式ガス

ポーランドの戦争犯罪証言記録サイトに見る殺人ガスの証言証拠(5)

ひとまず、ポーランドの証言集の翻訳は今回で終了です。しかし何度も言ってるように、非常にこの証言集は貴重であり、今まで知らなかった情報も数多く提供してくれ、さまざまな発見がありますので、できたら今回訳したガス関連以外も含め、全部訳したいのですけどね。多分、他も含めたら数千件はあると思われるので、流石にそれは無理だとは思いますが、ホロコースト否定派は、「証言なんか信用できない」と言いますけど、証言でしか得られない情報はたくさんあるのです。 ところで、否定派は、「正史派は「多数の

アウシュヴィッツの様々な議論(31):ホロコースト否定論の動画をみてみよう-5 & 死亡記録の改竄

Denialbudの動画、ラストです。今回は、短いので別の記事をついでに最後におまけで翻訳しておきます。それは何かというと、ソ連(ロシア)の公文書館にあったとされる、アウシュヴィッツに関する大量の資料が冷戦後公開され、その中にあったアウシュビッツの囚人に関する死亡簿が、実は死因などが虚偽報告されている証拠です。 否定派は死亡簿を使って、殺されたという事実はない、のような主張をしてくることがありますが、死亡簿は全く信用できません。裏付けがあれば別ですが、今回の翻訳記事はその逆

アウシュヴィッツの様々な議論(29):ホロコースト否定論の動画をみてみよう-3

私自身は、動画のDenialbudのような議論を「脳内論理」とよく呼びます。火葬能力の議論やガス質に関する議論のほとんどは「脳内論理」に過ぎず、実証性がありません。科学理論の証明は、仮説と実証の二つが必須です。例えば、あの相対性理論のアインシュタインは、一般相対性理論に関し、水星の近日点移動について説明出来たのでホッとしたという話も聞いたことがあります。 では、否定論があるとして、否定論者にとってほんとに必要な仮説と実証ってなんなのでしょう? それは可能な限り通説側に立って

アウシュヴィッツの様々な議論(28):ホロコースト否定論の動画をみてみよう-2

Denialbudのような議論はネットでもよく見かけるものであり、「どうしてそんな簡単にそんな屁でも無い疑惑を信じる人がいるのだろう?」と私などは思ってしまうわけですが、自分の考えたホロコースト物語に合わないからと、資料もほとんど見ずに思い込んでしまうのは何故なんでしょうね? 私なら、疑問があれば資料を調べたくなります。 早速どんどん翻訳して確認していきましょう。 ▼翻訳開始▼ 「アウシュビッツ 驚きの隠された真実」の視聴者ガイド(10~16分) 視聴者ガイド「アウシ

アウシュヴィッツの様々な議論(27):ホロコースト否定論の動画をみてみよう-1。

ホロコースト否定論は、全世界的にネットなどで規制されることが多くて数年前に比べるとホロコースト否定論動画はYoutubeなどからめっきり減ったそうです。なのに何故か日本では規制が緩いようで、日本人作成の動画は規制されないようです。日本なんか無視、なんですかね? まー、特に影響も微々たるもののようなのでそんなに気にする必要もないとは思いますが、欧州ではスウェーデンがホロコースト否定の規制に乗り出すとのニュースも見かけました。 とは言っても、YoutubeやFacebook、T

アウシュヴィッツ以外の絶滅収容所を知る(4):マイダネク博物館によるガス室の解説

マイダネク収容所には、ソ連による解放時に大量の遺体や骨などもあったことも知ってる人は知ってると思います。「Majdanek bone」などで画像検索すると大量に画像がヒットします。まー、否定派に言わせれば「疫病死体の骨だろ!」でお終いにされるのでしょうけど、こうした写真をたくさん見せつけられてしまうと、ほんとに八万人弱しか犠牲者がいないの? と思えてなりません。八万人弱でもものすごい数ではあるのですが、他の絶滅収容所は十万人は軽く超えているので、絶滅収容所と呼ぶ割りには少ない

アウシュヴィッツ以外の絶滅収容所を知る(3):マイダネク収容所の第7ガス室は実は存在しなかったという話。

マイダネク収容所を学ぶシリーズ、ではなく、アウシュヴィッツ以外の絶滅収容所を学ぶシリーズなのですが、マイダネク収容所に苦戦しております。何せ、図面などをの情報が少なく、出回っている図面を見てもどこに何があるんだかわからないレベルですので、とにかく少しでも理解を進めたいと思います。 今回は、マイダネクに関連した記事で最も翻訳したかったいつものHCサイトの記事です。この記事で取り上げられているのは、前回のマットーニョの記事にあったこれです。 マットーニョの記事では、この部屋Ⅶ

アウシュヴィッツ以外の絶滅収容所を知る(2):マイダネク収容所のガス室の謎〜否定論をまずは読む。

アウシュヴィッツ収容所の理解が割と簡単なのは、ルドルフ・ヘスの自伝や裁判での証言などで仔細に分かりやすく説明されているからです。アウシュヴィッツはホロコーストの象徴でもあって、ヘス以外からの情報も非常に豊富であり、また否認論もアウシュヴィッツばかり攻撃するので、その分、細いことまで多くの情報に溢れています。 それに引き換え、同じ種類の収容所であるはずのマイダネク強制・絶滅収容所については、議論でもほとんど名前すら出てきません。もちろんそれなりに否定論を目にすることはあります

ラトビアのホロコースト(2):ルンブラの虐殺

タイトルを変えようかなと思いましたが、そのままにしておきます。というのは二つ理由があって、①ラトビアがあるなら他の国も全てシリーズ化する気があるのか?(ないです^^;)、②ラトビアのホロコーストを隈なく記述する気はあるのか?(ないです^^;)、と自己反省するからです。 ホロコーストの全てを知ることができたらそりゃ理想的ですが、学者でも専門家でもないただの素人がそんな畏れ多いこと、できるわけがありません。あくまでも、自分が記事にしたいと思ったことだけを恣意的に選択して、翻訳し

ラトビアのホロコースト(1):リエパヤの虐殺

唐突ですが、ホロコーストに興味があって私の記事を何度か読んでいる人ならば、以下の動画はご存知の方も多いのではないでしょうか? この映像は現在ではネット上のかなり多くの場所で見ることができるのですが、一体どこでいつ撮られたものかが示されることがほとんどないので、こんな記事を延々と作成し続けているものですから、個人的に気になって仕方がありませんでした。しかし、動画映像とは厄介なものでして、静止画なら類似画像検索という手段もあるのですが、動画ではそれがなかなか出来ません。 です

「歴史修正主義研究会」主催者であろうと推定される、ある研究者の論文の欺瞞を暴く(3)

今回は前回の続きからなので、いつもの前置き文なしで、進めます。一応、批判対象論文は同じですがこれです。 この、77ページの後半からになりますが、先ずは金網投下装置の話です。これについては、以前こんな記事をあげています。 加藤論文への批判とは少し離れます。私は実はこの記事の、翻訳元にあった最初の金網投下装置の図は、どうもおかしいと思っていました。 アルシュタインという人が、1996年に書いたそうですが、おかしいのは天井に突き出ているところ、要するに煙突幅が70cmもあるこ