人生を旅する

一度、心の底から忌み嫌ったことのある人間を、共に時間を過ごすにつれて好きになり、尊敬の域まで達する。

皆さんにも、こんな経験はあるだろうか。

私にはこれが常であり、つい最近も、これに直面したばかりだ。

その人は俗に言う人生の成功者に分類される人種。そんな人が、

人生は綿密な計画を練るのではなく、旅するように生きろ。

と言った。

この大嫌いだったその人のその言葉が、思いの外、私の心に響いた。

その人の言う通り、人生を旅するように生きることができれば、どれだけ軽く、楽しいだろうか。

嫌いな人も好きな人も、苦しい事も嬉しい事も、全て旅の副産物であり、一過性のものだと考えれば、一つ一つの物事への執着は、必然として減っていくのかもしれない。

全ての事において考えすぎで、留まりがちだった私は、この考えで人生観が変わった。
少しだけ、物事ををラフに捉えられるようになった気がする。

これからはただの一人の旅人として、この人生を旅してみようと思う。

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