表面張力の涙
極限まで美化された思い出を回想して浸って、私の瞼の中で、涙が表面張力でギリギリを保つ。
会ってしまえば、これ以上ない程に気まずいだろうに、なぜだか貴方のことを思い出してしまう。
もう二度と、おはようという事もなければ、またねという事もない、貴方のことを。
思い出すべき人は貴方ではないのは理解っているのに、貴方が別の幸せを掴んでいるのは理解っているのに。
何故、貴方をしきりに思い出してしまうのか、本当に分からない。
貴方の心の中に、私の残り香が少しでもあればいいと願ってしまう。
忘れられない恋は誰にでもあると言うが、たぶん私には、貴方がそれだ。
貴方が私に連絡をくれる事はないだろうけど、いつまででも、待ってしまっている自分がいる。
あり得ないと理解っていながら、思い出してしまうから、この表面張力と、私は闘っている。
負けてしまったら、逢いたくなって、壊れてしまいそうだから。
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