連作短歌「都庁の上でまた会いましょう」
新宿の夜は凍てつく愛ばかり 今日もマルイで待っていますね
マルボロの匂いが嫌いな人だから喫煙所でたらシャネルへ行こう
23:30の花園神社では狐が笑う だからつないで
「願わくばずっと一緒にいたいです」なんて言葉はビールで流すね
ここまででいいよ、えきまでなんかより、鳥居のまえで永遠にさよなら
あそこのねラブホは朝食サービスが出るしライターがめちゃめちゃカッケェ
何回もなぞるように往復をしたらワンチャンしてくれるのでしょ?
新宿の目だけが見ている オーロラの私たちの影、夢、思い出、夜
濡れなくていけるもんね 泣かないよ?だってまたね、で終わったじゃない?
東京の星は地上に張り付いて怒っていいよと言っていたのに
繰り返し繰り返してもまだ言えないしこりが朝露になり揺れる日々
「ごめんね」も「そうだっけ?」も全部妄想で、取り残されてるだけなのでした
傷ついて傷つけられても愛したい許したい許されたいだいすき
永遠に二十歳の私がとおせんぼしている都庁の上でまた会いましょう
いただいたお金は、美味しいお酒と新しい本に使い、書くためのエネルギーにしたいと思います。