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入院という日常

入院生活も、気づくと日常になる。
もともと病院は身近だったので、すぐに日常になった。
だけど、退院後の生活も考えないといけない。
それはなんだか不思議な感じがした。

早く帰りたい気持ちはもちろんある。
でも、生活が動いてほしくない、今のまま止まってほしい気持ちもある。

病院内の時間が止まって思えた。
手術をしたり、リハビリをしたり、間違いなく進んでいるのに、それでも止まっていた。
入院前の日常とはあまりにも違う生活だからかも知れないし、独自ルールの中で毎日のルーチンが固定化されているからかも知れない。
もしかしたら、ただ暇な時間が多いからかも知れない。

医者も看護師もPTも患者も、自分にとっては一期一会の出会い。
それでも今は世界の中心。
イヤホンから流れるラジオの声が、かろうじて外の世界と繋げてくれる。

入院中に冬から春へ季節が変わる。
外の地面がアスファルトに変わっている。
世の中では新生活が始まっているらしい。

だけど、自分の中身は冬のまま。
着替えも靴も冬のまま。

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