見出し画像

ローワン・アトキンソン主演『メグレ Maigret』(全2シリーズ全4話/2016~2017/英)

現行では一番新しいメグレ警視のドラマシリーズである、ローワン・アトキンソンがメグレを演じた作品は、各シリーズ全2話構成で全4話あります。


シリーズ一覧

第1シリーズ(2016)
01「メグレ罠を張る」 原作『メグレ罠を張る』(1955)
02「メグレと殺人者たち」 原作『メグレと殺人者たち』(1947)

第2シリーズ(2017)
01「夜の十字架」 原作『メグレと深夜の十字路』(1931)
02「ピクラッツのメグレ」 原作『モンマルトルのメグレ』(1950)

全話DVDになっており、Amazon Primeでも全話観ることができるため、現在日本で手軽に観ることができる唯一のメグレシリーズです。


シリーズについて

現代イギリス刑事ドラマとして観たら面白く、アトキンソン含め俳優陣の演技も素晴らしいです。
アトキンソンは、見た目はメグレ警視っぽくないですが、観ているうちに「このシリーズのメグレはこうなんだ」としっかり思わせてくれます。

関係者から話を聞く以外のイベントがある原作が選ばれており、ドラマの描き方も英国警察ドラマの雰囲気が強めなため、メグレ警視の雰囲気に慣れていない人にも観やすいものになっています。

海外ロケを行ったパリの街並みだけでなく、建物の中なども含めたすべての風景が美しいのも特徴です。

メグレ班やロニョンなど、レギュラー刑事がしっかり活躍するのも嬉しいところです。
また、メグレとメグレ夫人とのやり取りが原作よりも増えており、夫人の存在感が強いのも、シリーズものとして好きな改変でした。


反面、原作既読だとシナリオ面で原作から変えた所が良い改変になっていないことが多いため、どうしても気になってしまいます。
折角海外ロケなどでパリの雰囲気を出しても、シナリオでメグレ物の雰囲気を薄めてしまっているように感じました。

第1シリーズは改変箇所があまり気にならない面白さがありましたが、第2シリーズの改変は違和感が目立ってしまい、原作を読む前に観たほうが良かったかもと思ってしまいました。

原作を気にせず、あくまで(1950年代が舞台ですが)現代の刑事ドラマとして観るのが良いと思います。

予算の問題などで続編が作られませんでしたが、1年目の路線でもう少し新作を観てみたかったドラマでした。

シリーズベストは「メグレと殺人者たち」です。


レギュラーキャスト

ジュール・メグレ/ローワン・アトキンソン Rowan Atkinson

    メグレ夫人/ルーシー・コウ Lucy Cohu
  ジャンヴィエ/ショーン・ディングウォール Shaun Dingwall
   ラポワント/レオ・スター Leo Staar
     ムルス/マーク・ヒープ Mark Heap

    ロニョン/コリン・メイス Colin Mace(1-1、2-2)
  コメリオ判事/エイダン・マクアードル Aidan McArdle(~2-1)

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07WNYB5QB/ref=atv_dp_share_cu_r


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?