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2024年1月の読書まとめ+『税金で買った本』4巻まで感想+『土を喰う日々: わが精進十二ヵ月』感想


今月は図書館関係の漫画2冊を少しずつ読み進めていました。

小説はあまり読めませんでしたが、読みたかったエッセイが読めたので比較的満足感がありました。

2月は引き続き忙しくなりそうですが、隙間読書をしながら読みたいものを読んでいきたいところです。


原作:ずいの 漫画:系山冏『税金で買った本』4巻まで読んだ感想
4巻まで読み進めて図書館に石平くんがいる風景もすっかり日常のものになりました。彼の真面目さが巻数を重ねる毎により強く出てきており、今後の成長にも期待してます。
巻末の中学時代の石平くんの風景も良く、「さて」で始める謎解きのルールを覚えているのかわいい。

他の職員も良い人ばかりで、人が苦手なのに「図書館は本と人とをつなぐ仕事なんですよ」と言える白井さんは素晴らしいし、苦手なことが多いのに立ち向かっていく今村さんも努力家だしかわいいです。
話としては、朝野さんが持ち込んでくる児童サービス関係の話がお気に入りです。


水上 勉『土を喰う日々: わが精進十二ヵ月』感想
本書を原作とした映画を観たので、原作も読んでみました。
軽井沢の家から綴る、畑と相談しながらの1年間の食生活を綴ったエッセイになります。

著者の料理の原体験は、9歳から禅宗寺院の庫裡で養った精進料理があり、更に小さい頃の故郷・若萩での父が味噌と塩とご飯を持って、山の幸を現地調達していた頃にも通じていました。

畑や山に自然とある食材を使った料理の数々が、本当に美味しそうに描写されており食べたくてしょうがない気持ちで毎月のエッセイを読み進んでいきました。たらの芽を焼いて味噌をつけて食べたり、筍とわかめの炊きあわせ、しめじめしなど、食べてみたいものが多すぎる。

十二か月かけて「精進」とは何かを理解する著者の歩みも素晴らしく、良いエッセイでした。

恥ずかしながら、旬を意識して食事をすることは多くありませんが、もう少し意識していきたいと思います。

 自然と味の相性がわかるまでには、相当の年月を要するのである。師匠にけなされ、叱りとばされ、あるいは反対に、舌つづみをうたれ、ほめられて、その日その日の旬の料理をおぼえ、ほめられた味に、またひと工夫をほどこして、文字どおりの精進をかさねるのである。やっぱり、材料も工夫がないと死ぬ。数すくない冬の青菜が、工夫ひとつで、かがやく味となるように。

水上 勉『土を喰う日々: わが精進十二ヵ月』新潮社, 1982, p.59
原作のエピソードを取り入れつつ、原作とは違う料理として映画も面白く鑑賞しました。

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