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Netflix『T・Pぼん』シーズン1(2024/全12話)紹介と感想

藤子・F・不二雄生誕90周年のプロジェクトの一つとして、Netflixで2シーズンに渡ってアニメ化されることになり、遂に第1部リーム編が配信されました。


原作について

ひょんなことからタイムパトロール隊員となった並平凡と先輩隊員リーム(とブヨヨン)が、歴史上の様々な時代へ行って人命救助をする姿を描いた、『少年ワールド』1978年8月号~1979年9月号連載のシリーズ最初の14作から12作品がシーズン1ではアニメ化されています。

原作は、F先生の歴史オタクぶりが全開で、1話完結型のジュブナイル歴史SFとして今読んでも変わらず面白い作品です。
また、劇場版ドラえもんのように、日常から物語が始まり、非日常の世界へ冒険へ行っても、最後には日常へ帰還するという流れが徹底されるため、重いテーマの話でも読後感が悪くならないようになっているのも良い所です。


アニメ感想

ドラえもん以外のF作品が、連続アニメの形式で作られるのは超絶久しぶりであり、かなり楽しみにしていました。そして、しっかり期待に応えてくれました。
一気に観たのでオープニングテーマが頭から離れなくなっています。

アニメの舞台は現代になっており、原作では2016年に住んでいるリームは2056年に住んでいる設定になっていました。
シナリオ面では、大筋は原作に沿いながら、肉付けの部分で独自性を出していました。
また、ユミ子が陽子の友達として第1話から顔見せをしています。

演出や追加部分によって原作と印象が変わる話もありますが、それも含めて新しいT・Pボンとして面白かったです。
そして、リームやブヨヨンのかわいさもアニメとして動くことで更に増していました。
が、それ以上に原作よりもかわいく思ってしまったのが白木陽子さんでした。

シーズン1から特に好きなエピソードをあげると、
拷問部分は原作よりマイルドになっているが、代わりに追加部分で当時の世相を表現している「魔女狩り」
生贄になる側のドラマが追加されていた「暗黒の大迷宮」
戦場描写の迫力がしっかり出ていた「戦場の美少女」
F先生の趣味全回の話に最新の学説を適応した「バカンスは恐竜に乗って」
ボンが伝令として走る部分に肉付けを原作とは違うドラマ的盛り上がりを足した「マラトン大会戦」
原作の段階でリーム編であり凡見習い編の最終話として盛り上がる話に、追加描写でリームに厚みを増した「超空間の漂流者」です。


ユミ子と一緒にいる描写が増えている中で、どのように最初の話しを描くのか、アニメ独自にリームやブヨヨンの出番はあるのか、7月に配信されるシーズン2も楽しみに待ちたいと思います。


シリーズ概要

原作/藤子・F・不二雄『T・Pボン』
製作/ボンズ
監督/安藤真裕

 シリーズ構成/柿原優子
メインライター/佐藤大

キャスト
  並平凡/若山晃久
  リーム/種﨑敦美
 ブヨヨン/宮野真守
安川ユミ子/黒沢ともよ
 白石鉄男/日笠陽子
 白木陽子/白砂沙帆
   柳沢/伊藤節生

シーズン1
01.消されてたまるか
02.見ならいT・P
03.ピラミッドの秘密
04.古代人太平洋を行く
05.魔女狩り
06.白竜のほえる山
07.暗黒の大迷宮
08.戦場の美少女
09.バカンスは恐竜に乗って
10.OK牧場の近所の決闘
11.マラトン大会戦
12.超空間の漂流者

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