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映像作品感想

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シリーズでまとめていない映像作品の感想です。
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#テレビドラマ感想文

自分の海外ドラマ遍歴を語ってみる

小さい頃から『フルハウス』を数えきれないほどくり返し観てきましたが、自分から海外ドラマを積極的に観るようになったのは、アガサ・クリスティーにハマり2003年頃に『名探偵ポワロ』を視聴し始めたのが始めでした。 最初に観た『名探偵ポワロ』は「メソポタミアの殺人」「白昼の悪魔」の2本だったのを覚えています。流れで『ミス・マープル』『二人で探偵を』『アガサ・クリスティー・アワー』などクリスティー原作をどんどん視聴、小説も一気に読んでいきクリスティー沼にハマっていきました。 ミステ

『グルメ探偵ネロ・ウルフ』A Nero Wolfe Mystery(2000~2002)について

2024年現在、本国アメリカで作られたネロ・ウルフの映像化としては最も新しいドラマになります(ロシアやイタリアでは、この後も製作されています)。 海外ミステリーを集中して読んだり観たりし始めた頃にWOWOWで放送されているのを偶然観て、ネロ・ウルフ好きにさせてくれた思い出深い作品です。 紹介と感想 ジャズ調で作品に合わせて曲や映像を変えるお洒落なオープニング、50年代のアメリカを舞台に繰り広げられるノリ重視の軽ミステリー、ネロ・ウルフ劇団と言えるシリーズ内でレギュラーメン

ネロ・ウルフ長編26『母親探し』The Mother Hunt(1963)紹介と感想

レックス・スタウト 鬼頭玲子訳『母親探し』論創社, 2024 2014年から論創社から出ているレックス・スタウトのネロ・ウルフシリーズ。 今年の作品は、ドラマ化された作品は日本でも放送されましたが、原作としては日本初訳になります。 あらすじ 六月初旬の火曜日、ルーシー・ヴァルドンから受けた依頼は、家の前に置き去りにされていた赤ん坊の母親を見つけること、九か月前に亡くなったリチャード・ヴァルドンが父親である可能性を明らかにすることだった。 わずか三日で赤ん坊を一時預かって

ドラマ『チップス先生さようなら』(2002/英)感想

あらすじ 19世紀末のイギリス。前の学校で上手くいかず、ブルックフィールド校へ赴任してきた若き教師チッピング。 赴任初日から生徒の洗礼を受けるチッピングだったが、夜の自習時間に悪戯をする生徒へ威厳のある態度を示すことに成功する。 次第にチップス先生と呼ばれるようになり、ブルックフィールドで教師を続けるチッピングのもとには、生徒と関わる喜びや、生徒が起こす問題への対処など様々なことが起こる。寮監に選ばれたくてドキドキしたり、生徒への体罰に憤りを感じたり、色んな思いを経験する

NETFLIX『今日もあなたに太陽を~精神科ナースのダイアリー』(2023)紹介と感想

「精神科看護師が主人公なんて珍しいな」位の興味で見始めましたが、見事にハマったドラマについて、良かったという気持ちを残しておきたいと思います。 まとまりがない部分もあると思いますが、観た後の勢いを優先させました。 ドラマ概要大学病院の内科で勤務して3年目の看護師、チョン・ダウン。患者のことを大切に思うあまり、入れ込みすぎて器用に仕事を行うことができず周囲と上手く馴染むことが出来ずにいた。 精神科病棟へ異動となるが、今までと違う環境に最初はとまどい、自分のよかれと思ってした行

マルロー警部のフランスさすらい事件簿 シーズン1 第1話「呪われた男 Philippe Muir」(2015)紹介と感想

現在もフランスで放送中の各話90分程度のミステリードラマで、その内の5話がミステリーチャンネルで紹介されました。 『メグレと若い女の死』のジェラール・ドパルデューや、『名探偵ポワロ』のデビッド・スーシェがゲスト出演するという事で、興味を惹かれて視聴することにしました。 調べると、準レギュラーで『ル・テスク家の殺人』のエミールや、『アガサ・クリスティーのフレンチミステリー』でランピオンを演じたマリウス・コルッチも出るようなので、そちらも楽しみです。 あらすじ 過去に大切な人

マルロー警部のフランスさすらい事件簿 シーズン1 第2話「アルザスのビール醸造所の秘密 Le Domaine des Soeurs Meyer」 (2016)紹介と感想

あらすじ アルザス地方でビール工場の会長をしているフランツ・メイエル。彼にとって大切な工場は売却計画が勧められていた。 娘の一人・クララは、実業家ディミトリ・ノベクールに工場を売却する手筈を整える。フランツは初対面だというディミトリを見て、昔会った事がある気がしていた。 ディミトリが工場を案内されている時、発芽室の中で会計係ロベールの死体が発見され、赴任したばかりのマルロー警部が駆けつける。 次の日、家の外でフランツが撲殺されているのが発見された。 マルローは、家族を中心

マルロー警部のフランスさすらい事件簿 シーズン1 第3話「修道院の謎 Les mysteres de la foi」 (2016)紹介と感想

あらすじ アルザス地方の小さな町にある修道院に、何日か宿泊したいとマヌエラと名乗る女性が訪ねてきた。 マヌエラは、おじのカルロスがあなたの過去を教えてくれたと修道院長を脅し始める。 後日、マルローの赴任初日。挨拶もそこそこに、ホテルから若い女性が飛び降りをして亡くなったと連絡が入る。その女性はマヌエラだった。 現場の様子から自殺ではないと検討を付けたマルローは捜査を開始。 早速、ホテルのシャワー室から出てきた男の尾行を始め、修道院へとたどり着く。男は、修道院の神父・ヴァン

マルロー警部のフランスさすらい事件簿 シーズン1 第6話「動物園の森の秘密 La nuit de la lune rousse」(2017)紹介と感想

あらすじ アルザス地方で進められているシャラールのゴルフ場建設。建設に反対のジュリアン、マノン、レオナールは、夜中に設予定地に忍びこんだ。 マノンとレオナールは遊び半分の気持ちだったが、警備員のロベールが銃を発砲し、木から落ちたレオナールが死んだことから事態は一遍。 ジュリアンはロベールともみ合いになり殺してしまう。 現場から逃げたマノンは、勤務先の動物園長・ジャンヌに助けを求める。 捜査を開始したマルローは、現場と隣り合っている動物園に目を向けて調査を始める。 マノン

マルロー警部のフランスさすらい事件簿 シーズン2 第3話「ドルドーニュのイギリス人 Sang & Lumiere」(2018)紹介と感想

あらすじ イギリス人が多く暮らす村・ドルドーニュ。トマとマギーの村長夫妻は完璧な夫婦と評判だった。 そんなマギーの車が郊外の木にぶつかって乗り捨てられており、本人の姿はどこにも見えず、車のバックドアガラスに血の手形が付いていた。 現場では過去にロンドン警視庁で働いていたハーバートが、友人であるトマに付き添い質問をしていた。 マルローに敵対心を持ったハーバートは、マルローの捜査を監視し始める。 捜査が進み、マギーのブレスレットが川から見つかるが、マギー本人は見つからない。

フロスト警部 第37話『野生の犠牲者 Endangered Species』(2006)紹介と感想

海外ドラマについて書いたらフロスト警部を観たくなったので、吹替があって気軽に見ることができる5本の中から、ワニに追いかけられるフロスト警部が印象的な『野生の犠牲者』を選択しました。 あらすじ 警察の捜査も虚しく無罪となった軽犯罪者のフラナガン。 そんなフラナガンから助けを求める電話を受けたフロストは、相棒のプレスリーを連れてフラナガンの農場へ行くと、フラナガンは見つからず風呂場にいたワニに追いかけられる。 その後、フラナガンの捜索を続けていると、家の近くの池からバラバラ死

マット・フリューワー主演 シャーロック・ホームズ③「ボヘミアの醜聞」(2001)紹介と感想

2000~2002年にかけて4本製作されたマット・フリューワー版シャーロック・ホームズ。 ちょっと地味でB級感はありますが、真面目に作られているのとホームズの吹替が大塚芳忠さんなのもあって、たまに見たくなります。 製作されたのは以下の4本 01.バスカヴィル家の犬(2000) 02.四つの署名(2001) 03.ボヘミアの醜聞(2001) 04.ホームズVS吸血鬼(2002) 久しぶりに観たくなったので、十数年ぶりに「ボヘミアの醜聞」を見てみました。 あらすじ 189

マット・フリューワー主演 シャーロック・ホームズ④「シャーロック・ホームズVSヴァンパイア」(2002)

シリーズ3作目「ボヘミアの醜聞」に続き、最終作である第4作目「シャーロック・ホームズVSヴァンパイア」を観ました。 あらすじ 朝から死後の世界があるかどうかでホームズとワトソンは討論をしていた。 そんな時、ハドソン夫人がホワイトチャペルにある修道院からの郵便を届けに来た。 それは、最近修道院内で起きた不可解な死についての調査の依頼だった。 死体には首に二つの穴が開いており、その凶器は分からなかった。そして、血文字で「我こそは地獄の使者なり。許しがたき者の血を欲する者なり」

怪盗紳士アルセーヌ・ルパン 第1シリーズ第1話「水晶の栓」(1971)紹介と感想

原作:モーリス・ルブラン『水晶の栓 Le Bouchon de cristal』(1912) 脚色:ルネ・ウィーラー/ジャック・ナウム 時間:56分 あらすじ ルパンは因縁あるドーブレックの屋敷へ、ジルベールとセバスチャニと言う二人の部下と一緒に潜入していた。 目的の屏風を手に入れ屋敷から脱出しようとすると、部下の一人・セバスチャニが銀の燭台も欲しいと言い出し、二人の部下で屋敷に戻って行った。 ルパンが屋敷の敷地から離れようとすると、室内から発砲音が鳴り響いた。 駆けつけ