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映像作品感想

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シリーズでまとめていない映像作品の感想です。
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#ミステリー

『グルメ探偵ネロ・ウルフ』A Nero Wolfe Mystery(2000~2002)について

2024年現在、本国アメリカで作られたネロ・ウルフの映像化としては最も新しいドラマになります(ロシアやイタリアでは、この後も製作されています)。 海外ミステリーを集中して読んだり観たりし始めた頃にWOWOWで放送されているのを偶然観て、ネロ・ウルフ好きにさせてくれた思い出深い作品です。 紹介と感想 ジャズ調で作品に合わせて曲や映像を変えるお洒落なオープニング、50年代のアメリカを舞台に繰り広げられるノリ重視の軽ミステリー、ネロ・ウルフ劇団と言えるシリーズ内でレギュラーメン

ネロ・ウルフ長編26『母親探し』The Mother Hunt(1963)紹介と感想

レックス・スタウト 鬼頭玲子訳『母親探し』論創社, 2024 2014年から論創社から出ているレックス・スタウトのネロ・ウルフシリーズ。 今年の作品は、ドラマ化された作品は日本でも放送されましたが、原作としては日本初訳になります。 あらすじ 六月初旬の火曜日、ルーシー・ヴァルドンから受けた依頼は、家の前に置き去りにされていた赤ん坊の母親を見つけること、九か月前に亡くなったリチャード・ヴァルドンが父親である可能性を明らかにすることだった。 わずか三日で赤ん坊を一時預かって

マルロー警部のフランスさすらい事件簿 シーズン1 第3話「修道院の謎 Les mysteres de la foi」 (2016)紹介と感想

あらすじ アルザス地方の小さな町にある修道院に、何日か宿泊したいとマヌエラと名乗る女性が訪ねてきた。 マヌエラは、おじのカルロスがあなたの過去を教えてくれたと修道院長を脅し始める。 後日、マルローの赴任初日。挨拶もそこそこに、ホテルから若い女性が飛び降りをして亡くなったと連絡が入る。その女性はマヌエラだった。 現場の様子から自殺ではないと検討を付けたマルローは捜査を開始。 早速、ホテルのシャワー室から出てきた男の尾行を始め、修道院へとたどり着く。男は、修道院の神父・ヴァン

マルロー警部のフランスさすらい事件簿 シーズン2 第3話「ドルドーニュのイギリス人 Sang & Lumiere」(2018)紹介と感想

あらすじ イギリス人が多く暮らす村・ドルドーニュ。トマとマギーの村長夫妻は完璧な夫婦と評判だった。 そんなマギーの車が郊外の木にぶつかって乗り捨てられており、本人の姿はどこにも見えず、車のバックドアガラスに血の手形が付いていた。 現場では過去にロンドン警視庁で働いていたハーバートが、友人であるトマに付き添い質問をしていた。 マルローに敵対心を持ったハーバートは、マルローの捜査を監視し始める。 捜査が進み、マギーのブレスレットが川から見つかるが、マギー本人は見つからない。

マット・フリューワー主演 シャーロック・ホームズ③「ボヘミアの醜聞」(2001)紹介と感想

2000~2002年にかけて4本製作されたマット・フリューワー版シャーロック・ホームズ。 ちょっと地味でB級感はありますが、真面目に作られているのとホームズの吹替が大塚芳忠さんなのもあって、たまに見たくなります。 製作されたのは以下の4本 01.バスカヴィル家の犬(2000) 02.四つの署名(2001) 03.ボヘミアの醜聞(2001) 04.ホームズVS吸血鬼(2002) 久しぶりに観たくなったので、十数年ぶりに「ボヘミアの醜聞」を見てみました。 あらすじ 189

マット・フリューワー主演 シャーロック・ホームズ④「シャーロック・ホームズVSヴァンパイア」(2002)

シリーズ3作目「ボヘミアの醜聞」に続き、最終作である第4作目「シャーロック・ホームズVSヴァンパイア」を観ました。 あらすじ 朝から死後の世界があるかどうかでホームズとワトソンは討論をしていた。 そんな時、ハドソン夫人がホワイトチャペルにある修道院からの郵便を届けに来た。 それは、最近修道院内で起きた不可解な死についての調査の依頼だった。 死体には首に二つの穴が開いており、その凶器は分からなかった。そして、血文字で「我こそは地獄の使者なり。許しがたき者の血を欲する者なり」