楽曲の集客力をなめるな

アイドルオタクが現場に通う理由は人それぞれだし、通わなくなる理由(所謂他界)も人それぞれである。

普通のアーティストやバンドの場合は基本的に「あの曲が聞きたい」が主なライブへ行く理由だと思う。しかし、アイドルの場合、「推しメンがそこに居るから」という理由が現場に通う理由となることも多い。他にもオタクが仲良いとか有るだろうが今回はステージ作ってる側の集客力について楽曲と人の二軸で語りたいと思う。

事例1.推しメンが居ないステージを見てられるか。

過去に僕も経験したこととして、推しが体調不良で長期休養していなかったり、卒業して居なくなった後のステージを見れなくなったグループがあった。群青の世界って言うんですけど。

推しメンの存在というのはプラスにもマイナスにも働くもので、推しが居ないステージは同じ楽曲をやっていても最早別物に目に映る。「このパートの歌声」「このパートの踊り」推しメンを好きであればあるほど色濃く脳裏に焼き付いた記憶が推しメンの存在しない今のステージを受け付けなくする。

単に推しメンを好きな分が引き算される訳ではなく、掛け算のプラスがマイナスになるレベルで見るの無理!になった。

元々曲は好きだったし、他のメンバーが嫌いだった訳では無い。ただ推しメンの存在への依存度が高かったというのがその時の要因であると思う。

逆に、推しメン卒業してもしばらくライブにかなり行ったグループもある。我儘ラキアって言うんですけど。
単に推しメンの居るグループを見てた期間が短い(半年未満)というのもあるが、楽曲好きだったし他のメンバーも好きだったから「推しメンおらんけど楽しいから行くか」というテンションで通えた。いわゆる箱推し的な感じ。そこから4年経っても明確な推しメンは居ません。

事例2.好きな曲をやらなくなったステージを見続けられるか

さて、そんな我儘ラキアさんなんですが、ある時期から行く頻度が減りました。理由は2つあって、1つはアイドル対バンの出演が減ったこと。2019年くらいは関東のグループ並に関東でアイドル対バンに沢山出てたこともあり、行けたことが多かったんですが2020年以降(というかコロナ禍以降)は明らかにアイドル対バン出演減ってるんですよね。

ちなみに僕はあんまり興味無いので行かないんですがバンド系との対バンは定期的にやってるイメージはあるしそういうフェスにも出てるイメージある。
行きたくないという訳では無いが、単に興味あるアイドル対バンの方がバンド系見るより優先度高いから行ってないだけなんですけど。

そしてもうひとつの理由が、コロナ禍前のライブで定番だった曲をほとんどやらなくなったからなんですよね。 

コロナ禍でオタクが昔の様に騒げないからしゃーないし新曲達でいいかみたいな気持ちあったが、昔の様に騒げる状態になっても滅多にやらない曲になった昔の定番曲。大好きなPrecious TimeとDays…。

コロナ禍期間にリリースした曲達嫌いじゃないんですけど、ライブで昔の曲がほとんど聞けない、知ってるはずのあの曲もアレンジ変わって別物になってる。いやもうそれは俺の聞きたいあの曲じゃないんよ!似てて別モンなだけに逆に腹立つまであるThere is…

そう思うと、聞きたいあの曲聞けんし…って行くテンションが下がるし優先度も下がってくる。

こちらは推しメン居なくなってから楽曲目当てで通ってた側面が強いのにその楽曲まで居なくなったらそりゃ行く目的無くなるからね。

事例3.いつまでたってもやり続けるわたかわ

話は変わってレコ大最優秀新人賞とったFRUITS ZIPPERさんの話になるんですが、ここ本当に9割以上のライブで「私の一番かわいいところ」をやるんですよ。

大きな対バンイベント行くと、わたかわやるぞって曲振りしただけで歓声とどよめきが起きててやっぱりみんなこの曲見にきてんのか、ってなるんですよ。

対バンだと普段見ないけど来ましたって人多いんかなって思うですが、驚くことに単独公演行ってもフォーメーションになっただけでも歓声上がるんです。何度か来ててもそれを見に来た!みたいなリアクション。

正直、バズりはじてから一年以上経つしそろそろ飽きられてる感もあるかと思うんですがそこを入口として入ってくる新しい人達がまだまだ存在してその人達が求めてるものを提供し続けてるという意味では外せないだろうなと思う。

わたかわバズ以降も定期的に新曲出して、ハピチョコとかは流行語まで生み出してるがそれでも音源の物理リリース表題曲はわたかわだったし2年近く引っ張って尚まだ集客力のあるこの曲をやり続けるのである。

まとめ的な一般化のコーナー

オタクの高い理由は推しがいなくなること、好きな曲がやらなくなることであることが多いと思う。
楽曲に関しては何故か人気曲でもやらなくなるグループというのは一定数存在している。

もちろん新しくリリースしたものを売りたいと新しいものを優先しての売り方なのかもしれないが、どうして古い人気曲が共存できないのかの理由が分からない。
少なくともわたかわの例の様にやり続けることは出来るはずなのに。

新しいものを出さないと新規が増えないという考え方も間違いでは無いと思うが、古いものにでも良いものであればそこから新規となる人が増えないはずがないのである。そもそも人気曲になってるので。

そしてどこの現場でも「最近あの曲やってくれない」という古いオタク達のボヤキが聞こえてくる。結局自分達が入ったタイミングでやってた曲達というのが思い出補正とか含めてみんな1番好きになりがちである。

そこを共存させて定番曲に加えて新しいヒットを生み出してライブで満足させることができる人達が売れるんだろうなと思いました。

楽曲を売りとしてるグループは頼むから昔から愛されてる曲を蔑ろにしないでやり続けて欲しい。



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