難易度が高い良ゲーをプレイしてる様な撮可現場

MIGMA SHELTERのレイブはそんな現場だ。正確にはそんな現場「だった」。2021年5月31日をもってレイブの撮影可能な期間は終了した。これから先にもしかしたら撮影可能な機会はまた有るかもしれないが、一旦は終わりだ。

こんな書き出しをすると、撮影禁止になったのが悲しくて文句でも言うのかと思われるかもしれないが、そうじゃない。

今まで撮影させてもらえてたことには感謝だし、これからはカメラで撮るという楽しみ方を除外して楽しめる、文字通り「カメコがカメラを捨てて」楽しむことに集中できる。

以前にも書いたが、僕は楽しむことに欲張りであり、その現場を楽しめる可能性があることは色々やってきた。

MIGMA SHELTERの現場では、カメラを持って撮影する以外にはMIXやコールを叫んだり、モッシュの中に突っ込んだり、振りコピして一緒に踊ったりしてきた。その結果、撮ってて撮りながらガンギマって撮り続けるか、高まって撮ることを放棄してモッシュの中に突っ込むかというキマリ方が複数あったのがひとつのパターンになるだけだ。

MIGMA SHELTERとは

グループに紹介については公式なり、wikiなりにて調べてもらえればいい。サイケデリックトランスというジャンルの楽曲で踊り狂うアイドルである。ザックリと僕の印象の変化を書く。

結成当初の体制(便宜上1期と呼ぶ )の頃にも見たことはあり、MIXを叫んでるオタクの姿は楽しそうだ、とは思ったものの、刺さるメンバーがいなかったので対バンでたまたま見れたときに見たことがあるという程度だった。

その後活休を経て、ブラジルが加入後の2人体制(1.5期と呼ぶ)のときにブラジル可愛い!と対バンでは積極的に見るようになった。カメラを手に入れたのもこの頃だったので下手なりに撮影をし始めたりもした。

そして現体制に繋がる新メンユブネやタマネが加入する(2期と呼ぶ)。元々可愛かったブラジルが、オタクに新メンに推し変されるという事態を受けて更に可愛くなり始める(Boost)。

正直に言う1期のころはほとんどまともに見た記憶が無いので、1.5期(別命t.A.T.u時代
)にブとミ2人の印象が強く2期の大人数レイブをはじめて見た時はステージが狭く感じたし、勢いを感じた。これはヤバい!と。

その後更なる追加戦士の加入も有りさらに勢いを増して今に至るという感じだろうか。

撮影可能現場としてのMIGMA SHELTER

ハッキリ言って、難易度は高かった。1.5期の頃にカメラを手に入れた僕は対バンイベントでみた際に初めて撮ってみた。結果、「全然ちゃんと撮れとらへんやないか!!」という感じだ。初戦敗退。世に出せると思える写真は無かった。

当時のMIGMA SHELTERのライブではフラットな明るい照明なんてほとんど無かった気がする。最近は以前より局長の明るい曲が増えたことにより少し明るい照明も増えた気がするが。基本的にどぎつい赤単色、緑単色が多用されたまに他の色にもなるが、総じて暗めの照明が多かった。

ちなみに僕の当時の装備はCanonのエントリモデルの型落ち品とキットレンズというスペランカーの主人公レベルの最弱クラスだった。それでも他のグループの撮影は照明がそれなりのときにはなんとか顔が認識できるレベルに撮れたのだが、MIGMA SHELTERはそのレベルに達しないことがほとんどだった。

ゲームでもめちゃくちゃムズいやんけ!となったときに、コントローラーを投げる場合と、何クソ!とリトライを続ける場合が有ると思う。僕はこの高難易度ゲームに対して、再プレイを選んだ。真剣に撮って向き合ってるうちにMIGMA SHELTERの曲やパフォーマンスが好きになってきたからだ。

とはいえ、なかなかステージ1がクリア出来ないことが続いたある日、新メンが加入して2期になった。そして、新曲のリリイベが野外で行われることが発表された。これはボーナスステージやないか!と参加した。今までになく"ちゃんと"写真が撮れた。めちゃくちゃ楽しかった。

しかし、その日カメラが壊れた…。シャッターの無駄打ちが招いたことなのかシャッターユニットの故障だ。故障を修理するには新しく中古で同程度のカメラが買えるということと、その後しばらくカメラ無しでライブを見に行った。

もしかしたら、カメラ無しでライブ楽しんだ方がやっぱり合ってるんでは?と思ってあえてしばらくカメラを無しで生活してみたがあの日最後に撮ったMIGMA SHELTERが忘れられず新しいカメラを買うことにした。諸々悩んだ結果、カメラは前回のカメラに毛が生えた程度のエントリモデル、合わせてMIGMA SHELTERを撮れるレンズとしての単焦点f1.8の85mmを買うことにした。

当時のMIGMA SHELTERのレイブは、単独公演以外ならほとんどフロアの中で自由に撮れたし、中距離レンズが使い勝手良いと考えてたが結果的にかなりコスパが良い選択だった気がする。

ここで装備を整えたことで、MIGMA SHELTERの撮影がスペランカーからロックマンレベルに戦いやすくなった。やはりちゃんと写るということは最低限大事だと思った。それでも難易度は高いことに変わりなかったが。

装備を整えて闘える様になったことではじめて他の人の写真を気にする様になった。それまでは、どうせ自分には無理だと思ってあまり真剣に見てなかったのだが、自分にも撮れる可能性が出たことでお手本を探しはじめた。

そんな中で衝撃を受けたのが、ギュウ農フェスのスタジオコーストのステージにおいて魚眼レンズでレーザーバキバキに曲げた写真だった。それまで、ライブ写真(オタクが撮るもの)はメンバーをアップで可愛く撮るものという先入観が強かったのだが、ライブのかっこよさが伝わる写真はとても良い!こんな写真が撮りたいというひとつの目標が出来た。

この頃から「光を捕える写真」というのを意識しだしたかもしれない。勿論、メンバーがかっこよく写ることを前提としてだが、ライブのイメージを想起させうる1枚というのが撮れる様になろうと色んな撮り方を模索した。

現像するときにも元が暗いことが多い、極端な照明が多いという環境の中で沢山考えさせてもらった。どうすればこの写真がもっとかっこよく可愛く出来るか。そういう意味では他のグループの数倍は撮影にも現像にも苦労もしたし楽しんだし、何より勉強させてもらった。クリアした際の報酬であるカッコイイ写真を目指して頑張れる価値があったから。

難易度が高いがゆえに、撮るときも沢山の設定のどこをいじればうまく撮れるか試したし、現像も色々パターンを変えてどうすればカッコよさと可愛い感じを両立できるか模索した。一筋縄ではいかないことも多かったがそれが楽しかった。無理ゲーでははく良ゲーだった。

とはいえ、やはり過酷な照明環境が多かったので結構諦めることも多かった。幸だったのは、カメラを捨てて沸いて楽しめる程楽しいライブであったので、今日は無理だ(笑)ってなったらカメラを捨ててモッシュの中へ飛び込んでいられたことだろう。

カメラに真剣な人達に対する偏見もちょっと入ってるんですが、撮影することはライブを楽しむ主役ではないので、フロアの中で沸いてるオタクであることの方がライブを楽しんでると僕は思ってるし、叫んだり振りコピしたりして身体にライブを染み込ませることは撮るときにも、次はこんな動き!って身体が反応できたりするのでとても大事だと思うし、こういうときが有るから撮れる写真も有ると思ってる。

そういう意味で、フロアの中で楽しみながら撮れた時間というのはとても有難かったなと。

おそらくこれから先、撮影可能なときは撮影可能席として分けられることがほとんどだと思う。僕は欲張りなオタクなのでこういう席だと踊ったり跳ねたりしながら撮ることを否定する層が一定数居ることも加味すると、あまり行くことが無いだろう。今まで撮ってるひとが何を言うと思うかもだが、踊ったら周りから白い目向けられるかもな撮可席よりフロアの中の方が楽しいじゃないですか。


最後に、自薦的な写真を載せて締めくくります。


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