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常識に縛られた心を自由にしてくれる作品紹介

人はみんな、いつの間にか常識を携えている。それはこの世を渡っていく術であり、人間社会の仲間に入れてもらうためには必須のスキルなのかもしれない。しかし、いつしかそれに縛られて、それ以外の思考が自分の中から生まれなくなっていくと、「自分らしさ」はどんどん"なり"を潜めて、生きることがどんどん苦しく、つまらなくなっていく。

今回は、自分らしく生きるキャラクターたちが、生き生きと常識を乗り越えていく様を見せてくれて、なんだか心が自由になる作品を紹介しようと思う。


荒川アンダーザブリッジ
(常識から外れて、素直に、自分が感じたままに生きることを実践している人々が見られる。)

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「他人に借りは作るな」「苦労して手に入れなければ自由も幸せも手に入らない」と実業家の父から教え込まれた主人公リク。
ひょんなことから荒川の橋の下の人々(世間的に言えばホームレス)との暮らしが始まるが、彼らはリクから見るととんでもない非常識の集まり。
でもこの橋の下には、心が楽になるヒントが満載だったのである。
常識から意図的に外れて、恥じることなく「自分らしい」暮らしを追求している彼らから教えてもらえるものが、宝物のようで、見ているだけで込み上げてくるものがある。


僕らは奇跡でできている
(カメとウサギ、カメは努力型じゃなくて、自分が面白いと思ったことをしているだけなんです。)

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主人公は、発達障害らしき特性を持つ大学講師。専門分野は動物行動学で、そのことになると他のことを忘れてしまうほどのめり込んでいる。賞賛や応援をしてくれる人がいる一方、自由奔放に見える彼は敵も多い。しかし、彼は人一倍、「普通にできない自分」に苦しんだ人間で、自分なりにそれを丁寧に乗り越えてきた人物なのであった。
彼の周りのキャラクターたちは、様々な事情を理由に(実際は言い訳にして)幸せになることを拒んでいる状態にあるのだが、彼と触れ合ううちに自分の本当の気持ちに気づいていくようになる。


なんだかおかしな物語
(何かを成し遂げてからじゃないと幸せになれない?幸せになるのは今日からでもできる。)

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主人公は若く悩める高校生。自殺願望が日に日に大きくなっていくことを危惧して自分から精神科を訪れる。事の発端は「夏期講習に申し込むかどうか」というシンプルなものなのだが、彼の頭の中では、「夏期講習を申し込まないと→いい大学に入れなくて→いい会社にも入れなくて→いい暮らしができなくて→美人の恋人もできなくて→鬱になって生涯を終える」という壮大かつ悲惨な人生のシュミレーションが繰り広げられており、希死念慮はそこからきていた。
様々な個性を持つ他の患者たちと触れ合う中で、「苦労しないと幸せになれないのか?」「幸せとは何かを得てからじゃないと成れないものなのか?」という答えにたどり着く。


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素晴らしい作品は、いつだって裏切らない。
恋人、友人、家族、医者に裏切られることはあっても、自分を支えてくれる心の浄化作用は自分自身が一番強く持っている。
その力を引き出してくれるのが、自分を癒す作品たちだ。


心が弱った時や、元気を出したい時、いつものペースを取り戻したいときのためのお守りとして、お気に入りの作品を用意しておくことをオススメする。

この記事は、これからも良い作品に出会ったら加筆していこうと思う。

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