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【カヌーポロ】本当の安全はどこにある?スペースとパスの話。

はじめに

先日とある人物から「次はどんな記事書くんですか?」と聞かれたので、「逆にどんなのがいいかしら?」という話をしたところ、クイズっぽくしたら面白いんじゃないかという話になったので、今回の記事を書くこととなりました。
テーマとしてはちょいちょい登場するスペースの話。ただし、今回はセットオフェンス時のスペースの作り方ではなくマンツーマンにおけるスペースの考え方についてを本題として考察してみたいと思います。

目が合うとパスを出す病

別の記事でも少し触れましたが、見出しの通り「目が合うとその人にパスを出してしまう」という選手がたまにいます。いや、結構います。
これはセットオフェンスでもマンツーマンでも見受けられる現象で、ボールを持つ際に選択肢を持っていないため、とりあえず味方を見つけたらパブロフの犬が如くパスをしてしまうのだと思います。
たとえ味方が見えていたとしてもその間に敵がいたとしたらそれは本当に安全な選択と言えるでしょうか。敵だって馬鹿じゃありません。パスを出す相手がわかればコースも読めるのでパスカットは容易だし、プレスをかけてパスを出させないような妨害だってしてくるわけです。

安全にパスを出せる場所はどこなのか?

単純に言えば、パスを出す選手・出される選手の間に妨害がいない場所です。「当たり前やんけ!」と言われそうなことだけど、意外とこれができていないために失敗するケースが結構あるのです。
その多くはパスを出す側ではなく、貰う側が意識できていないということが原因で起こっています。
例えばセットオフェンスの際のドライブのタイミング。走りこむのが早すぎて自ら敵のカットの範囲内に飛び込んでしまいパスが通らなくなるなんてケースはよくあります。

そろそろ本題

セットオフェンスでは瞬時に判断しなければいけないことが多々あります。
マンツーマン時のパス回しではどうでしょうか。
最大で5秒間はその場で保持できるので判断するのに時間的な余裕はあります。しかしプレッシャーをかけられた状態というのが厄介です。
私は以前、お仕事で大勢の前でプレゼンをしなければならないことがありましたが、その時はプレッシャーのあまり、冒頭から話す内容がすっ飛んでしまった経験があります。
これと同じで、カヌーポロでもマンツーマンでプレッシャーがかかると、いつも通りの実力が発揮できなかったりミスが生まれたりします。
そうなると味方との間に敵が一人いるだけで上手くパスが通せないことがあります。そこで安全なスペースはどこかということを「考える」「知っておく」必要があるわけです。

考えてみましょう

以下のようなマンツーマンをかけられているシチュエーションでどうすればいいか考えてみましょう。あなたは赤チームの「自分」という選手です。

問1.

これは、今までの文章を読んでいれば簡単ですね。
「オレは肩が強いから一発でA選手の前に落としてやるぜ!」なんていう血気盛んな人もいるかもしれませんが、一般的には届かないものと考えてください。距離が届いたとしても高い精度でパスが供給できるのかということと、そもそも得点リードしているということを思い出してください。

解説

問2.

これはちょっと頭を使って欲しい問題です。というより「自分」がどこにパスを出すかということ以上に、周りの選手がこの先どう動くかが重要なのでこのままの状態では難問です。
一応私なりの正解を考えていますが、選手たちの動きによっては正解は変わると思います。

解説

上の解説が私なりの最善の回答です。先に述べた通り、ほかの選手の動きによっては正解が変わる可能性があります。例えばBの選手が攻撃方向と逆側に真っすぐ下がってくれば、それはそれで非常に大きなスペースですので安全な選択となります。
ここで伝えたいのは解説にある通り、自分の進行方向と敵がいない側面だけが自分のスペースではないということ。敵が干渉できない空間はたとえ自身の後ろであっても安全なスペースが広がっていることがある、ということを認識して欲しいです。

最後に

ダメな例をてんこ盛りにしてみました。

マンツーマンとは言っても、みんな自分がマークされた相手の対処だけしてバラバラに動いて良いってもんじゃありません。
周りの状況、ほかの選手の動き、自分が今どんな役割をすべきなのか(パスの受け手なのか、前でスペースを確保する役なのかetc)いろいろな事を考える必要があります。
マンツーマンの場合はスペースがどこにあるか理解するのと同じくらい、どう動けばスペースが生まれるのかということを考えることが大事です。
そんなことを頭に入れながら練習・試合に臨んでみてはいかがでしょうか。

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