見出し画像

【カヌーポロ】マンツーマンディフェンスは必要なのか?

今回はマンツーマンディフェンスについて考えたいと思います。

マンツーマンディフェンスとは


球技におけるディフェンスの一つでゾーンディフェンスと対になる戦術のことで、常に特定の相手選手をマークしてディフェンスすることを言います。
バスケ・サッカーなど他のスポーツでの記事を読んでみたところメリット・デメリットは以下のようなものがあるようです。
メリット
・戦術が難しくない→役割が単純で連携が必要ないため
・一人に集中出来る
・スピード・体格などに合わせて相手をマッチアップできる
デメリット
・体力の消耗が激しい
・個々人の能力が及ばない場合、相手の攻撃を抑えることは難しい。
・誰かがマークを振り切られた場合、崩壊しやすい。一人が抜かれただけで守備陣全体に影響が及びかねない。

と、いうことが書かれておりデメリットがメリットを上回ってる気がします。
ただ、日本バスケット協会では個々の能力を高める目的で「アンダーカテゴリー(15歳以下)でのマンツーマンディフェンス推進(=ゾーンディフェンス禁止)」に取り組んでいるそうです。

カヌーポロにおけるマンツーマンディフェンス

前項で触れたメリット・デメリットはあくまで他のスポーツの話です。
カヌーポロではちょっと事情が異なります。
他のスポーツと一番大きく異なるのは攻める人数と守る人数が異なることです。サッカーの場合、フィールドプレイヤーは双方ゴールキーパーを除いた10対10で戦います。バスケットボールの場合はゴールキーパーがいませんので、5対5で戦います。
他にも様々な球技がありますが、ゴールキーパーがいる競技で多少攻撃に関わることはあっても、カヌーポロのように他の選手と同様に攻撃参加するスポーツはないと思います。
つまり、通常時(ゾーンディフェンスを行なっている時)は攻撃人数5人に対し守備人数は4人となります。マンツーマンディフェンスを行う場合、ゴールキーパーはゴールを空けて守備に参加する必要があり、それは失点リスクが上がります。マークが振り切られていなくても、ゴールから近ければシュートが入ってしまう可能性が高いのです。
では、何でそんなリスクを負ってまでマンツーマンディフェンスをするのでしょうか。

マンツーマンディフェンスの目的

カヌーポロでマンツーマンディフェンスをする最も大きな理由は「ボールの奪取」です。前述のとおり守備の人数が1人少ないカヌーポロは通常のゾーンディフェンスを行っているとボール奪取の機会があまりやってきません。
シュートやパスを上手くカットできた場合はボールを奪えますが、敵チームのアクションがあっての事ですので、基本は「待ち」の状態です。
待っているだけではなかなかチャンスがやってきません。
そこでマンツーマンです。カヌーポロは5秒以上留まってボールを保持すると違反となるため、パスかドリブルをしなければいけません。この時に直接プレスをかけることでドリブル・パスのミスを誘うわけです。また、パスを出す先にもマークがいるので、パスコースを消したりパスが来たら即プレスをかけることもできます。そしてパスが多少逸れればそれもチャンスとなりますので、ボール奪取できる可能性が高くなるのです。というわけでカヌーポロにおけるマンツーマンディフェンスは常時行うディフェンスではなく、リスクを伴いながらもボールを奪いに行く「攻めのディフェンス」なのです。
マンツーマンディフェンスをする理由は分かったと思いますが、あるルールの存在がこのディフェンスの必要性に一石を投じます。

ショットクロックの存在

ショットクロックとは、ボールポゼッションをしているチームは60秒以内にシュートを撃たなければいけないというルールです。2011年より施行されたルールで、もう10年以上運用されているので当たり前になりましたが、改正以前はずっとボールポゼッションし続けられるので、1点取って残り時間はずっとボール回しする、なんてことが横行していました。これを打破するためにマンツーマンディフェンスを仕掛けざるをえないという状況でしたが、今は60秒守り切ればボールを奪うことができるようになりました。ただし、シュートを防いでコーナースローになった場合はショットクロックはリセットされてしまうので、確実に奪えるというわけではありません。
なので、今もボールを奪う手段としてマンツーマンを仕掛けるのが定石となっています。

仕掛けるタイミングはいつがベスト?

いざマンツーマンを仕掛けたいと思っても、ゾーンディフェンスからいきなり移行するのはリスクが高いです。なぜならゴールキーパーが、ゴールを空けてディフェンスをしなければならずタイミングを間違えれば、無人ゴールにボールを放り込まれてしまうからです。
ではどんなタイミングが良いのかと言えば、一番良いのはプレイが止まっているタイミングです。
いくつかあると思いますが、例えば以下のようなタイミングです。

①得点後のリスタート
コートの中央からリスタートするので、その時に仕掛けます。
自陣に3人以上戻っていれば開始できますが、自陣に戻ってからでないとボールへの関与や、相手へのプレッシャーをかけることができないので
開始からマークに付くまでの間に隙ができます。
中央よりやや後ろにフリーの選手がいる状態で始まるので、リスタート早々にロングシュートを撃たれるリスクがあります。

②ゴールスロー
自陣から最も遠い位置からスタートするため、ゴールを脅かされるリスクは低めです。
ただし、オールコートマンツーマンになるので体力の消耗が大きいことと、漕力に差がある場合は振り切られるというデメリットがあります。
また広い分、空いているスペースも広いのでパスやボールキープも比較的容易なので、プレッシャーをかけて詰め切るのは大変です。

③コーナースロー
コーナースローからは直接ゴールが狙えないため、最初のアクションは必然的にドリブルかパスをしなければなりません。
コーナースローの選手にマークにつくことでプレッシャーをかけることができます。コーナーからなのでコースもある程度限定できます。
また、パスが通ったとしてもハーフコート内でおさまることがほとんどなので、狭いエリアでプレッシャーをかけることができます。
リスクとしては、コーナー開始時にゴール前の選手にパスが通ってしまう可能性が高いことです。

※流れの中で仕掛ける場合
ただやみくもにボールにプレッシャーをかけにいって、流れでマンツーマンに移行するのはとても難しいです。
タイミングとしてはなるべくサイドライン、エンドラインに近いところでボールを保持しているところを狙うと仕掛けやすいです。
なぜならば、パスコースが比較的絞りやすいのと、コートの端に近いのでプレッシャーをかけた際の逃げ場が少ないからです。

まとめ

今回はマンツーマンディフェンスについて書きました。
結論としては、マンツーマンはリスクは高いけど、使いどころを考えれば有効であると思います。実は艇の向け方や、プレッシャーのかけ方、スクリーンのかけ方など、細かいスキルはたくさんあるのですが、それは書ききれないので割愛します。(一番キモの部分かもしれないけど…)

実は書き出しから2ヶ月以上放置していてようやく書き上げたのですが、なかなかわかりづらい文章になってしまいましたが、参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?