声に身体性を感じていますか?
オーストラリアでの言葉の壁と体験の本質
初めてオーストラリアに来たとき、相手が何を言っているのか理解できず苦労しましたが、最近読んだ「聴くことの力」という本で、その体験は人間の声の持つ、言葉を超えた身体性を体で受け止めていた体験だったと深く理解しました。
声のテクスチャーとその影響
人が声を出すとき、通常は言葉とともに声のテクスチャーが発せられます。通常、私たちはその言葉の意味を解釈することに集中しますが、声には言葉では表現されない、意味や解釈を超えた次元(テクスチャ)があります。声の大きさ、トーン、スピードなど、それらは身体性を持っており、〈私〉の体に触れるような感触を与えます。
学校での授業と声のテクスチャー
たとえ相手が英語で何を言っているか分からなくても、声のテクスチャーは私の体全体で感じられ、相手の親切さやイライラなど、言葉では表現されていない感情を感じ取ることができていたんだなあと思いました。
学校での授業において、限られた時間の中で多くを教えなければならないため、言葉の伝達や解釈に時間を費やすことが多くなります。しかし、言葉以外の声のテクスチャーを無視してしまうと、生徒にとっては苦痛な時間になる可能性があるということを痛感しています。
言葉の意味を超えて
子どもたちが何かを言うときも、言葉の意味だけに注目していたため、彼らの独特の声のテクスチャーを感じることが少なかったことに気づきました。
外国語の授業では言葉の意味や文法に焦点を当てることが重要ですが、コミュニケーションの本質は、言葉だけでなく、言葉では表されない部分も大切なんだということを再発見した感じです。
コミュニケーションと声の距離感
「聴くことの力」にもあるように、声のテクスチャーを無視すると、相手の身体に不快感を与えたり、拒絶や反発を生むことがあります。声の使い方にも、お互いの間に適切な距離〈間(ま)〉を保つことが重要だと思います。
声のテクスチャーを大切にする教育の展望
私は、教師中心の教え方から、こどもたちの声のテクスチャーを大切にするパラダイムシフトを目指しています。
声のテクスチャーを大切にし、体で感じることは、学校だけでなく家庭でも重要だと感じています。
今年はこれらの点を念頭に置きながら、身体性を大切にすることを心がけたいと思います。
ありがとうございます😊
野中恒宏
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