WANDS 6th Album 『BURN THE SECRET』ライナーノーツ
『THE FIRST TAKE』で披露した「世界が終るまでは…」が話題を呼んでいるWANDS 第5期。6月〜7月に東名阪で行った第5期として3度目となるライブツアー『WANDS Live Tour 2024 ~BOLD~』も大盛況のうちに幕を閉じ、今後の動向にさらなる期待が高まっている。
今回はそんなWANDS 第5期の楽曲をより深く理解し、魅力に迫るべく、6th Album『BURN THE SECRET』のアルバム解説、及び一曲ごとのライナーノーツを紹介する。
2020年10月28日リリースWANDS 第5期初のフルアルバム。WANDS 第3期のオリジナルアルバム『AWAKE』(1998年リリース)より21年振り、まさに長い眠りから目覚めたこの復帰作は、WANDSを知る者にも、またWANDSを直接的に体感していない若年層にも新鮮な響きを持って迎え入れられるに違いない力作だ。時はちょうど全世界がコロナ禍の真っ只中。そんな中でリリースされた本作は、閉塞感漂う世界に一縷(いちる)の希望を灯す作品として放たれた。
WANDS 第5期が正式に我々の前に姿を現したのは2019年11月13日、三代目ヴォーカル・上原大史を迎え入れて活動再開が発表され、11月17日には大阪堂島リバーフォーラムでのフリーライブ「DFT presents 音都 ONTO vol.6 @堂島リバーフォーラム」にて初ライブを披露、新たなるWANDS体制の存在をアピールした。
本作のタイトル『BURN THE SECRET』は、直訳すると「秘密を燃やす」なんとも意味深なタイトルだが、スタッフからこのタイトルを提案された時上原は、「語感的にめちゃくちゃカッコイイし、“秘密を燃やす”という意味もミステリアスで、“新しいWANDSとしてさらけ出していくよ”という姿勢も感じられていいなと思いました」と話している。
2020年からのコロナ禍により水面下で作業が続けられてきた本作の収録曲は全10曲。この潔い曲数の中に、WANDS 第5期の最新オリジナルナンバー6曲と既存のWANDSナンバーの第5期バージョン4曲を収録している。
特に本作で最も注目されるのは、やはり新ヴォーカリストであり三代目ヴォーカリストである上原大史の存在だ。90年代ミリオンヒットを記録した初代WANDSヴォーカリスト・上杉昇と比較されるに違いないプレッシャーは並大抵のものではなかったに違いない。上原は少年時代にWANDSを聴いて育った世代。そんな彼が再びWANDSのヴォーカリストを襲名し、歴史を紡いできた二人のメンバー、柴崎浩、木村真也と新たなWANDS作品を創造するというこの奇跡的な邂逅(かいこう)には胸躍らされる。そんな大役をものともせず、第1期〜第4期までのナンバーを朗々と歌い上げるルーキー上原のそのヴォーカリストとしてのポテンシャル、原曲を損なうことなく高めるその姿勢にはミュージシャンシップの「正義」が感じられて嬉しい。
まさに期待を裏切らない21世紀型のWANDSサウンドを鳴らした今作、その果てしない魅力についてもう少し見てみよう。
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?