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Akihito Tokunaga Solo Live “Route 109” -Extra Edition- REPORT

去る11月21日に青山にあるブルーノート東京で徳永暁人ソロライブ『Route 109』が開催された。doaのヴォーカル & ベースのみならず、作編曲家としても活躍する徳永がちょうど10年前の2011年にスタートしたこのライブは、音楽通をも唸らせるハイクオリティな演奏と歌で自身の音楽ルーツをオーディエンスと共に旅する人気のソロライブシリーズだ。今回は10月に開催した初配信ライブのExtra Editionということで、お馴染みのサポートメンバーであるギターのKEIと、ドラムの車谷啓介(from Sensation)とのトリオバンド編成による、1stステージと2ndステージの2部構成で開催。作家活動30周年を迎えた昨年にリリースした初のセルフカバーアルバムからのナンバーを中心に、セットリストを総替えして各ステージ14曲ずつ披露された。

レポートしたのは1stステージ。このライブのテーマソングとも言える「Route 109」(Chuck Berry『Route 66』をRoute 109 ver.にアレンジしたもの)で幕を開けると、KEIの超絶ギターソロから始まる倉木麻衣への提供曲「Feel fine!」で場内は一気にカラッと夏気分へ。2曲目QUEENのカバー「WE WILL ROCK YOU」では徳永がベースを抱えたままステージ後方のピアノへ移動し、印象的なイントロのドラムフレーズ(オリジナル音源はクラップ)を鍵盤を荒々しく叩いてプレイ。続く「Don’t let me down」(BAND-MAID提供曲)で圧巻のチョッパーベースソロを聴かせるなど、序盤からヘヴィーなロックチューンでグイグイ攻めていく。doa(3ピースの男性バンドで全員がヴォーカルを担当する)ではじっくり聴かせる曲や爽やか系の曲でメインヴォーカルを務めることが多いが、ソロではこうしたガッツリ叫ぶロックを聴けるのもの楽しい。

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4曲終わったところでMC。実はアルバム『Route 109』も3人で一発録りのようにして作ったりと、サポートの2人とは気心知れた中。「最近のアホみたいな話、なんかある?」という徳永のフリに、「地元が神戸なんですけど、好きな餃子屋があって、その店の曲を勝手に作って新しいアルバムに入れちゃいました。しかもギター弾かずにラップしてます。」と笑いを取るKEI。徳永自身は、「アホみたいなことってついやっちゃうよね。俺もこの前自転車の前輪につけてたキーチェーンを取って、また後輪につけて走り出そうとしちゃった!」と失敗エピソードを披露。アットホームな雰囲気もこのライブの良さである。
 
ここから3曲ベースを置いてピアノを弾きながら歌うスタイルへ。約1分10秒に及ぶイントロのピアノソロで魅了した風情豊かなミディアムバラード「渡月橋 ~君想ふ~」(倉木麻衣提供曲)から、ももいろクローバーZに提供したポップなダンスミュージックを重厚感溢れるサイケデリック調にアレンジにした「気分はSuper Girl!」、さらにdoaの冬の名バラード「キャンドル」を続けてドロップ。そして再びベースを担いで「次は海のイメージで」と告げ、イントロにベースソロでディズニーの「リトル・マーメイド」をプラスした洒脱なアレンジで「Whenever I think of you」(三枝夕夏 IN db提供曲)を披露。シンプルなアレンジだからこそより際立つメロディラインの秀逸さ、ジャンルに捉われず多種多彩な楽曲を作・編曲してきた彼だからこその音楽性の振り幅の広さも見事である。

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「飲んでますか~? 飲みながら聴いたらどんどん演奏がよく聞こえる仕組みになってますから(笑)。ぜひゆったり楽しんでくださいね。」
 
曲間ではウイットに富んださりげない会話で客席との距離を縮めていく。そもそもこの「Route 109」というのは、“人それぞれに色んな道(人生や生活)があるけれど、ここ(「Route 109」)でみんなの道が交わった時に、ひとときでも嫌なことなどを忘れて楽しんでほしい、そんな交差点パーティーができれば……”という思いが込められている。
圧倒的な演奏もけして押し付けがましくなく、MCも自然体でスマート。コンセプト通り居心地の良さは格別である。
 
ライブは早くも折り返し地点。「吹きすさぶ風の中で」(WAG提供曲)、「Communication Break」(上木彩矢提供曲)とクールなロックナンバーから、車谷の手練なドラムソロを経て、doaのセルフカバー「大人ラプソディー」と、太く力強いヴォーカルで痺れさせたかと思えば、お次のチャン・グンソクに提供した「Voyage」では伸びやかな歌声で涼風を吹き込んでくれた。
 
「作家として色々曲を書いてきて、セルフカバーしてアルバムを出させていただいたんですけど、改めて歌ってくださるアーティストの方々への尊敬と、その音楽を聴いてくれるファンの方々への感謝を感じました。」
 
そう語り、本編最後は「いろんなことがあるけれど、いつでも不死鳥のようにもう一回飛び上がってやろうという思いを込めた曲」と紹介されたdoaのデビュー曲「火ノ鳥のように」でフィニッシュ。
さらにアンコールに応えてdoaのセルフカバー「ハレ」を含め、およそ1時間20分に亘る1stステージは歓喜のエンディングを迎えた。
盛大な拍手に包まれながら、最後にはソロアルバム第2弾制作の意欲ものぞかせた徳永。まだまだ沢山ある名曲のセルフカバーが聴ける日を大いに期待したい。
 
【SET LIST】
1.Route 109 (Chuck Berry『Route 66』替え歌)
2.Feel fine!
3.We Will Rock You
4.Don’t let me down
5.渡月橋 ~君想ふ~
6.気分はSuper Girl!
7.キャンドル
8.Whenever I think of you
9.吹きすさぶ風の中で
10.Communication Break
11.大人ラプソディー
12.Voyage
13.火ノ鳥のように
EC.ハレ

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INFORMATION

LIVE情報!!!
doa有観客ライブ開催決定!


doa LIVE "open_door" 2022 -Winter Camp-

◆ 1月8日(土) 神奈川県 新横浜NEW SIDE BEACH!!
◆ 1月9日(日) 東京都 赤羽 ReNY alpha
◆ 1月13日(木) 大阪府 umeda TRAD
◆ 1月16日(日) 愛知県 SPADE BOX

※全公演2ステージ・完全入替制
※セットリストは1stと2ndで異なります


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