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「S・K・Y」10周年

5月11日付けで「S・K・Y」という曲が10周年を迎えました。
長く親しんでくださった皆様に心より御礼を申し上げます。

この曲を書いた経緯についてはFANBOXにも書きましたが、
そこに書いた通り、この曲は今もまだ未完成であり、そのおかげで今回の記念動画を通してまた新しい形を作ることができました。

https://www.youtube.com/watch?v=tcXphURgbCo

各パート各楽器においてスペシャリストとも言える個性揃いのボカロP達に、「これが俺の音だ!」って音を遠慮なくぶち込んでもらいました。
言わずもがな、ゴリッゴリのメンバーです。
それでは、折角なので今回の参加メンバーを紹介させてもらいたいと思います。


クリーンギター担当:keeno

ボカロでロックバラードといえば一番最初に名前が上がるきーのさん。
心を揺さぶる楽曲は勿論、美しいトレモロギターがまさにkeenoさんの代名詞。
glow」が投稿されたのが「S・K・Y」投稿から1ヶ月後。
初めて聴いた時に「S・K・Yにこのアルペジオが入ったらどうなるんだろう」って思ったことを今でも鮮明に覚えています。
実は昔、1曲だけ一緒にコラボしたことがあります。その時俺はアコギ担当だったけど。


ディストーションギター:164

ボカロでロックギターといえばこの人。
ひろしに憧れてレスポールを買ったギターキッズも多かろう。
ゴリゴリのハードロックなリフを作らせたら最強のボカロP。
ETAなどライブで「S・K・Y」を演奏してもらう機会があったので、2017年にリードを録音してもらったのが今回のコラボに繋がりました。
同じロックバラードの「」を彷彿とさせたパワーコードも今回のポイント。
2人とも酒飲めないのに居酒屋に入ってソフトドリンクを飲んだ仲です。。


ストリングス&エレピ:Dios/シグナルP

サウンドメイクならもうこの人がいてくれれば安心。
今この人が死んだら困るクリエイターは多い気がします。
2018年に「サンドリヨン」10周年記念動画が投稿され「そうだ、このバイオリンだ」って思ったのが今回のきっかけ。
「S・K・Y」序盤の重要なパート、エレクトリックピアノの美しい音色は鳥肌モノです。
昔シグPと家が近所でミニトマトの苗木を分けてもらったことが。


ベース:YM

中毒性のあるバンドサウンドの曲というだけでなく、自ら絵も描く動画も作るバンドでベースボーカル、最近に至ってはvTuberも始めてしまうぶっ飛びマルチボカロP。
コラボやろうって話してたのが5年前だからようやく1つ念願叶ったり。
今まで聴いた「S・K・Y」の演奏の中で、ロックな部分をここまで真芯に捉えてベース弾いてくれたのはYMさんが初めて。
本人は普段全くバラード弾かないって言ってたけど、すごいね、バラードでもYMさんのベースってわかる。


ドラム:左手

iPhoneのガレバン一つでとんでもないクオリティのボカロ曲を作り続けてるただの変態(褒め言葉)。
その裏側に彼がドラマーである事実を知った時に、物凄く説得力を感じた覚えがあります。
「S・K・Y」で彼のドラムの音を今回知った上で、彼の楽曲を改めて聴いてみて同じ物を感じてくれる人は多そう。
原曲になかったラスサビの熱い3連は全部彼のせい(これも褒め言葉)。
そして、左手君をコラボに誘った一番の理由は、誰よりもボカロへの愛情の強さ。驕りなくミクと共に曲を作るあれはもしかしたら俺とリンの関係に一番近い気がします。


ミックス:Cheap

歌い手のミックスでご高名なパンダさんですが、数年に1度は曲を投稿してる立派なボカロPです。曲を投稿すると何かしら台風だの地震だのが起こるので周りからは「投稿しないでくれ」と言われていますが。
昔から色々相談に乗ってくれたり飯に誘ってくれたりする、人生と業界云々の大先輩です。
今回も一つ返事でコラボを快諾してくれて、このゴリゴリのメンバー達の音を一つにしっかりまとめ上げてくれました。ちーぷさんが間違いなく今回のコラボの一番の功労者です。
彼が手掛けると暖かい音に仕上がるのが魅力。
あと、喋り声が俺と似てる。


イラスト:りょーの

「S・K・Y」では絶対に欠かせないのが勿論この人。
りょーのさんの自作PV初投稿から既に衝撃を受けてて、2作目でまさかの強烈な色を選曲してもらったのは本当に当時驚きました。
10年前依頼した当時は沢山のボカロPから引っ張りだこで、それでもこの曲のイメージはりょーのさんしかいないと思った俺は「いくらでも待つ」って言った覚えがあります。
今回ももしイラストの完成が間に合わなかったら投稿日を延期してもいいってくらいのつもりでいたけど、子育てやこの警戒宣言状態で色々忙しいだろう中、、本当に10周年にふさわしいイラストを用意してくれました。(俺のせいでスケジュールギリギリになってすみませんw)
こうしてまたりょーのさんのマスキングテープを動画で見れる日が来て、幸せでたまらないっすね。


同時投稿:ヲタみん&バル

昨年のバル10周年イベントでヲタバルの2人がS・K・Yを歌ってくれて、その生歌を聴いた時に今回の企画に誘うことを決めました。
まず2人にとって大切な瞬間の1曲に選んでもらって嬉しかったのと、2人のハーモニーがあまりに美しすぎたこと。

ヲタみんについては、まず当時事後報告が当たり前だった楽曲使用の連絡を個別にちゃんと事前連絡をしてきてくれた一番最初の歌い手。
コールドハンド」「グリーンストレート」は彼女の歌声をイメージして生まれた曲で、今回以外に俺が歌ってみたと同時投稿をしたことのある曲は唯一ヲタみんと出したグリーンストレートだけ。
俺が今でも惚れ続けている特別な歌声の人です。

バル子といえば勿論、2011年に投稿してもらったS・K・Y。
透き通ってキラキラした声と抜群のコーラスワークがこの曲の新しい形を見せてくれた。
その後もちーぷさんの勧めでライブ用のカラオケ音源を作ってあげたりとか、ライブ映像を動画ファイルで送って見せてもらったりとかしてましたね。
歌声も人柄も沢山の人に愛されやすく、その人を癒やす能力がきっとまだこれから色んな所で発揮できるんじゃないかなって思ってます。

2人とも難しいスケジュールと環境の中、自分達の曲と思ってすごく拘って歌ってくれたのが嬉しかったです。


今回のコラボについて


ただひたすら、おもろいことをやり続ける為にのみボカロPとして活動して来ましたが、長年ずっとやってみたかった形の一つが今回のようなボカロP多数コラボです。

当然ながら昔はコラボの機会も多かったですが、年々それぞれのボカロP達がそれぞれ忙しくなってなかなか出来なくなった昨今。

ボカロP個人個人が頑張って活動すればする程、色んなボカロ曲を楽しみたいボカロファンからの視点だとボカロPそれぞれの活動を追うのって結構めんどくて(俺自身他のボカロPの活動追うの結構めんどくなります)、そのうち限られたボカロPの曲しか追えなくなってしまう。

非常にもったいないです。

所詮ボカロPのマインドは一匹狼、それなら群れてると言われても構わんから、コンピでもコラボでもお祭り企画でも何でも多勢で盛り上がった方がリスナーも一緒に楽しめる気がします。
実際沢山のボカロPやイラストレーターなどのクリエイターとファンが一体となって盛り上がって生まれたのがボカロというカルチャーなので。

普段は1から10まで1人の手で曲作りをしているだけに、コラボによっていろんな才能がケミストリーを起こして予想だにしないものが出来上がるこのワクワク感。
ありがたいことに「S・K・Y」を名曲として見てくださってるボカロファンが沢山いて、それをこんな豪華なメンバーが演奏してくれたらやっぱりすごいものが出来るって思ったので、こうしてそれぞれの才能を改めて確信した結果、


「やっぱりボカロPってすげえな」って。

「ボカロっておもしれえな」って。

沢山の人に思ってもらえたら嬉しいです。



メンバーの選定理由

まずは、多忙の中企画に付き合ってくれた参加メンバー全員に全力で感謝を伝えたい。
誰一人文句ないどころか自ら提案してこの曲の完成と自分の力を出し切ってくれて、ありがとうございました!



一応俺の中では「こういうボカロPを誘おう」っていう基準がありまして、

1.その音を聴いただけで「あの人の音だ!」って思われるくらいサウンドの個性に定評のあるボカロP
2.バカがつくぐらい音楽に対して無邪気なボカロP
3.「ボカロ曲」というものに愛情を持っていてそこにしっかりと拘りがあるボカロP

この3つをもって決めさせてもらいました。
特に3の部分が結構重要で、ボカロを軽視してる奴はバッサリ候補から切り捨てました。

コラボで一番重要なのは、参加したメンバー全員が楽しめること、完成した瞬間にやっぱ俺たちすげぇドヤァって思えること、だと思うんですよね。
これは歌ってくれたヲタバルも、勿論イラストを描いてくれたりょーのさんも同じくです。

俺が昔から言ってる、「クリエイター=職人魂」論を強要するつもりはありませんが、追随を許さない自分だけの武器を思いっきり振って、誰よりも楽しみ、誰も真似できないことをする、それがクリエイターのあるべき姿だと思っています。



その発揮場所を「踏み台」だと思うなら、誰よりも力強く踏んで飛び上がれ!



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