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【解説】SynthVで闇音レンリに「雪の華」を本気で歌わせてみた動画

マンモス。
いつでも心に鏡音リン、ボカロPのライブPです。
突然ですがnote始めてみました。

今回は先刻公開した調声チャレンジの動画について解説をしていきたいと思います。

先に行っておきますが某歌手ご本人の歌声じゃないです。 
正真正銘、闇音レンリの声です。 
その証明として、ぜひニコニコYouTubeで解説動画をご視聴下さい。

以下では、その解説動画から更に詳しくどういう調声を行ったか解説したいと思います。

とにかく今回は、何やってるのかわからない人でも、「何やってるのかわからないけどおもしろい!」って思ってもらえたらいいなと思って作ってみました。

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SynthesizerV(シンセサイザーブイ)


このソフトは2020年3月現在無料で公開中なので、
「ボカロ始めたい!でもお金がない!」
とお困りの学生さん達はまずSynthVから始めてみるのも良いかもしれません。
操作もわりと簡単だし、ボカロやUTAUのファイルを読むこむことも可能です。

ぶっちゃけボーカリスト・歌い手さんにもおすすめ。

ガイドボーカルとして使うのもアリ、音階やピッチの強化にも勉強になるし、英語の発音も強い。
音をしっかり捉えるには、実際にピアノロールで正確な音を自分で作ってみるってのが手っ取り早いです。

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【1.Aメロ】

前提として、調声はもちろんボカロとか歌唱合成ソフトとかよくわからない方でも楽しめるように編集してあります。
AメロからEQで変化してるからって「SynthVにEQなんてないじゃん!」なんて言いっこなしよ。
まずはスタートアップの時点でSynthVのレンリがどんな声なのかを知ってもらうためです。
無調声でも、EQ、コンプ、リバーブという基本的なミックスの編集だけで使える声です。
UTAUのレンリの方がテクニカルな表現をしてくれるけど、SynthVはスムーズに奥行きのある声を出してくれるので、音階と歌詞さえ入力すれば誰でも歌わせられます。


【2.Bメロ】

さて、ここからは調声中級編。
既にボカロなど声を触ったことのある人向けのところです。

SynthVにもVOCALOIDと同じくPIT(ピッチ)のパラメータがありますが、今回は一切使っていません。
使用したパラメータは、テンション、ブレシネス、有声/無声音、この3つだけです。

・テンション
ここで声色の強弱をつけます。
下げると弱くおとなしいこもった声に、上げると強くギラッと声を張った感じになります。

・ブレシネス
ボカロだとBRE、吐息の混じる量です。
SynthVはこのブレシネスが有能。

・有声/無声音
声の音量って言えば単純なんですけど、これを下げてブレシネスの値だけ残すと、吐息だけが残るようになります。かすれ声を出すには必要なパラメータ。
ということは、このパラメータとブレシネスを両方0にすれば無音になるってことですね。


抑揚は母音分割をして、音階を動かしてつけます。
また、子音の長さやポルタメントのタイミングを個々にいじることで、歌い方も変わってきますね。
ピッチの線が視認できるのでポルタメントは結構わかりやすいかも。

そして最後にビブラート。
ちょっと棒線だなぁって思った音も、個別にうすーく遅いビブラートをかけると豊かな声になります。

これでだいぶリアルな歌唱になったはず。


さあ、問題は今回の主役、サビですね。

【1.サビ】

これはたまたまレンリの声質が近かったのもありますが、他のボカロで試しみても結構おもしろかった。
Sachikoにこの歌い方させたら「わ、ラスボスがんばってものまねしてるwww」みたいになりました。
これはこれで感動。
あと、鏡音レンが意外と面白かった。

何をするかというと、Nさんご本人の歌い癖として特徴的な母音の発音を取り入れてみる手法です。

母音の「a」を「e」、「o」を「u」にする、たったこれだけです。

「こーとーしーさーいーごのーゆーきーのーはーなをー」だとすれば、
くーとぅーしーせーいーぐぬーゆーきーぬーへーねうー」にします。

試しにこの歌詞で歌ってみたらわかります。

昔流行った「かあさん、そんなこといったってしょうがないじゃないか」を「こうそん、そんのこといっとってしょうごのいじょのいこ」って言う、渡る世間になるやつに近いですね。

と、しかしこれだけだとクセが強すぎるので、KotonoFaderを使用します。

KotonoFader
https://ch.nicovideo.jp/suzumf/blomaga/ar1673354

このソフトは、2つの音声を自由な比率で混ぜる音声モーフィングソフトとでも言うべきソフトでしょうか。
例えば、リンの声とレンの声を混ぜてルンの声を作るとか。

で、今回は2つの母音を混ぜて中間母音を生成する為に使います。

今回の場合は、「くーとぅーしーせーいーぐぬー」メインにして、必要な箇所だけ「こーとーしーさーいーごのー」をいい感じにクセが弱まる値で混ぜていきました。

こうすることでナチュラルにクセを残すことができるわけです。


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今回のチャレンジによって多少立証されたかもしれませんが、歌唱音声は単純に声質や抑揚・強弱だけでなく、母音の出し方によって様々な歌い方が出来るということが言えます。

モノマネ歌手はこういうオリジナルの表現を読み取って自分の声に当てはめていってるわけですね。
まさに技術の賜物!!


巷では、「AIきりたんすげえ!自動でこんなに上手に歌ってくれる!もう調声とか必要ないんじゃね!?」という人もいるかもれませんが、

じゃあ、

AIきりたんの声で、抑揚や母音の変化をつけてさらに歌唱法が吹き込まれたら・・・・・?

そんな調声の技術を人間が持っているとしたら・・・・?


その話はまた次の機会に。

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