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コダワリヒストリー#2「作り上げられていくKのポジション」

自分にとっての当たり前が崩れたKには、新たなポジションが作り上げられていきました。それは「お兄ちゃん」というポジションでした。

それは、何事にも「お兄ちゃんだから」という言葉がつきまとうポジションでした。これまで当たり前に出来ていたこと、例えばスプーンにのったものを口にこぼさず入れるということでも、それをいつものように当たり前にやってのけると、「おぉ、さすがお兄ちゃん」と両親は私を褒めてくれるようになりました。私にとってはどうして今まで出来ていたことがこんなに両親を喜ばすのか不思議でしたが、いとも簡単に褒めてもらえることが嬉しくもありました。このことによって、私は次も必ずよくやろうという思いが強くなっていきました。

しかし、この「お兄ちゃん」というポジションは、いいことばかりではありませんでした。それは、我慢を強いられるということでした。今まで自分一人で独占できていたもの、例えば抱っこなど、「お兄ちゃんなんだから」という理由で我慢しなければなりませんでした。これは、私にとって当たり前が崩れた中で大きなものでした。

そうしていくうちに、次もよくやろうと思う中で、我慢をしなければならないという自分のポジションが築き上げられていったのです。

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