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コダワリヒストリー#1「Kのコダワリ人生の始まり」

1987年某月某日、若い夫婦の間に第一子となる元気な男の子が誕生。若い夫婦の両親も大喜び。1年間各方面からの並々ならぬ愛情に囲まれ、大切に育てらたKは、なんの苦労もすることなく、すくすくと元気に育っていきました。

そして、その1年後、Kの周辺で大きな変化が訪れます。1歳の誕生日を迎えた数日後、Kの目の前には見たことのない赤ん坊が家族の注目を集めています。それまで一身に家族の視線を集めていたKは、少しの不安と、大きな混乱を抱え、様子を注視していました。やがて、若い夫婦はKのもとに赤ん坊を連れてきて、「ほら、お兄ちゃんだよ!」と私を指差すのです。そう、その赤ん坊は、Kの弟だったのです。

この時から、Kの人生に変化が訪れました。これまで、K一人だけが家族の視線、話題、愛情の中心となっていました。それが当然でした。しかし、この赤ん坊が来てから、その視線、話題の中心はKではなく、この赤ん坊のみとなります。

Kは、なんとか元のポジションに返り咲こうとあの手この手を使います。しかし、どうあがいても再び夫婦、家族の中心となることは出来なかったのです。Kがいくらこれまで好評だった可愛い仕草をしても、赤ん坊の世話に若い母親は完全に手を取られています。反対にKが世話をして欲しくても、赤ん坊への授乳に遮られます。これが、Kの当たり前が崩れた最初の出来事になります。

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