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【七転び八起きの五転び目①】

【七転び八起き】マガジン

 JAPAN PIZZA EXPOにもラスベガスにもまた挑戦したよ、もちろん準備万端、優勝する気でね。だが、そんなに甘いもんじゃなかった。

 JAPAN PIZZA EXPOは今度はラバーじゃなくシングルアクロバット部門にエントリーしてみた。結果は4位だったかな……3位だった気もするけど2位まで予選通過みたいなルールだった気がするから、予選落ちとしか記憶になく、正直ハッキリ覚えていない。

 2度目のラスベガスはマスクをしてMr.JULIEってキャラで乗り込んだ。客席では評判が良くて色んな人と仲良くなれたけど、コンペティションは予選落ち、はるばる時間をかけて日本からやって来て3分で出番は終わった。2年でたったの6分だ。
 コスパは最悪。

 エゾメンでの活動やA.P.D.旭川パフォーマンスドールの活動では兎に角なんでもやった。お客さんゼロのauショップの店内で、身内に来てもらってなんとか体裁を保ってパフォーマンスしたり、マラソンしてる女性を応援するだけの仕事だったり、結婚式場のモデルだったり、トラックの荷台でパフォーマンスしたり、幼稚園児たちに囲まれてピザ回したりね。
 それが全てお金になるかといえばそうではなく、苦しい状況に変化はなかった。

 それでも大会に参加したり、好き勝手できたのはgroveのスタッフたちのおかげだと今でも思う。
 50名のパーティーを3人でまわしたり無茶なことも普通にやってたからね、本当にありがたいよ。わりとちゃんとまわせてたのもスゴイけど。
 大会で結果を残せればそれが宣伝にもなってとか夢見ながらやってはいたけど、残念ながら結果は残せず、終わりの日はもちろん訪れる。

 そして飲食店を止めるってのは実はその後が大変で、仕入れとか買掛があったり、電気代とかの光熱費も翌月支払いなんだけど、翌月は売上も給料もないわけで、さてどうしようってそうなるよね。そのくらいちゃんと計算しておけよって思うかもだけど、赤字のお店にそんな余裕はないんだよ。
 とりあえず閉店の日まで支払いも焦げ付かず、スタッフたちの給料もちゃんと支払ったんだから、それだけでも立派なもんだと自分を誇ることぐらいしか出来なかった。

 この時、実は10年ぶりぐらいにせっかくだから就職してみようかなって思っていくつか面接受けに行ったりもしたんだよね。
 とあるクッキングスクールの面接とか面白かったよ、面接官にハッキリ言われたもの、料理の技術や知識は必要なく、ウチのカリキュラムを理解してこなせる人材が必要だと。そりゃそうだ。

 ただ、どう考えても就職したとて次の月もその次の月も追ってくる支払いを支払える気がしなかった。とりあえず銀行のカードローンで全てを支払ってはみたものの、ローンの返済もしなきゃならない。

 それで何をしたかというと、庭の土を全部スコップでひっくり返した。それ自体に意味はない。

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