【食品知識・生クリーム】
急に思いついたシリーズですが、実は大人になってこれを学ぶことって必要じゃないかと思ったので書いてみます。
深掘りしないと知らないままってことも多いと思うし、料理ってのはそういう作業の繰り返しなので、復習の意味もあり。
まずは生クリームから。
なんだ本当に生クリームの話かよって思った人も、我慢して最後まで読んでみて。
なんで生クリームからなのかってのはたまたまそこに生クリームがあったからで、生クリームが何ってのはネットで検索すればすぐ分かるんだけど、ネットで生クリームを検索する機会は普通に生きてたらほぼないと思う。
牛乳から脂肪分を含むクリーム層を取り出し加工したもの。製造方法は遠心分離だったかな。
そうだよね、牛乳から作られているよね、そうだと思ったし思ったよね?正解だった。そりゃそうだ。
ちなみに脂肪分の割合によって分類されていて、脂肪分18%以上のものが『生クリーム』と呼ばれ、生クリーム40と書いてあれば脂肪分40%の生クリームということになる。
感覚的には乳脂肪分が高い方がより濃厚、リッチな味わいという感じ。
だけどここで大事になってくるのはホイップクリームの存在なんだ。
料理人だったり菓子製造に従事してたりする人なら漠然と理解していると思う、分かりやすく分けると生クリームは動物性でホイップクリームは主に植物性、動物性+植物性を合わせて作ったホイップクリームもある。
実はケーキのデコレーションやお菓子にはこのホイップクリームが使われていることが多々ある。生クリームよりホイップクリームの方が安価で泡立てたときに強度があるから使いやすいしね。
そしてホイップクリームには多くの場合、乳化剤や安定剤などの添加物が含まれている。
ここからが大事な本題なんだけど、どちらを使っていても加工した姿を見た時にそれを生クリームと誤認している人が非常に多い。
販売する側もホイップクリームの場合はあえて『クリーム』と表記しているからね。
「この生クリームあっさりしてるね」いやそれホイップクリームだから……って場面が本当に多いの。
「北海道の生クリームはやっぱり濃厚で美味しいね」ってそりゃ生クリームだから。47%ぐらいの脂肪分の食べたらそりゃ濃厚だろうよ。普段ホイップクリームを食べ慣れてる人ならなおのことそうなるだろう。
ついでなので書くけどみんな1度は目にしたことのある『コーヒーフレッシュ』なんだけど、あれ植物性の油に添加物ぶちこんで白濁させただけのモノだから。だからあれをありったけコーヒーにぶち込んでもカフェオレにはならないからね。
ついでにクリーミングパウダーもほとんどは植物油と添加物を混ぜ合わせた粉に過ぎず、乳製品から作られているのはごく一部にすぎない。
調べた中だと森永のクリープは乳製品と乳糖から作られてるらしいけど、森永ヒ素ミルク事件を思い出すとそれでも中指は下げられない。
だから何?それが何?みたいな人もいると思うけど、だから何ということはない。ただの知識、事実を書いてるだけだから。
ここからさらにマーケティング的なトリックについての話もすると、たとえば『濃厚なクリームを使用した北海道のシュークリーム』という謳い文句の商品があるとする。製造販売しているのは北海道のお店としよう。
商品の詳細は安価な業務用シュー生地にホイップクリームぶち込んだステテコみたいな名前の店で大量に売ってそうなシュークリームだ。
濃厚な……の部分は感覚的なものなので自由な表現だから嘘ではない。生クリームでもホイップクリームでもどちらでもクリームであるからそこも間違ってない。北海道のお店が製造販売していれば『北海道の』の部分もOKクリアだ。
さらに対面販売でラッピングしてない商品であれば原材料や添加物の表示義務もない。
消費者は謳い文句だけで北海道で作った生地と北海道産の生クリームを使ったシュークリームなんだろうと勝手に解釈して高値で購入するというわけだ。
これを情弱ビジネスという。
添加物は危ない、なるべく無添加のものを食べよう!なんて叫んでくれている人たちはたくさんいるから、あえてそれを叫ぶことはしないけど、みんな長期的な健康のこととなると実際はけっこう無関心だし他人事。
だからこういうのを書いてみたんだ。
あれ、ワタシ騙サレテイタカモという状況になると意識しちゃうじゃない。だってちょっと贅沢しようと思って買った高価なシュークリームが、ただの安価な組み立て食品だったって分かったらゲンナリしない?
売る奴が悪い、買う奴が悪いって話じゃなくて、情弱ビジネスの消費者側にいるのはどう考えても損だろって話だ。
良いの美味しいからって人はそれで良いと思う。買うのやめなよみたいなことではない。
ちなみに自分は昔、胃を労ってコーヒーフレッシュを3つ入れてコーヒーを飲んでいたから、あなたたちの敵でも先導者でもなく、ただの情弱の代表だから安心して。
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