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心はどこにある?

『ねえ、カナ。心ってどこにあると思う?』

学校帰りにふたりで寄る、馴染みの喫茶店。
ミホはいつも、私にいろんな発見を教えくれる。

世界の不思議、映画や恋愛、そして心のこと。

今日のミホはまるでイタズラっ子のような笑顔だ。きっとすでにミホなりの答えを見つけていて、それを私と話したいんだって伝わってくる。

『あー。それ、わかるよ。心って身体を包んでいるんでしょ?』

『わぁー。そうそう。私もそう思ってたの。カナはまるで超能力者みたいだねー。』

ミホは嬉しそうに笑いながらも、ちょっと当てがはずれたような顔をしたので、私はあわてて言葉を返した。

『そんなことない、ない。でもさ、身体を包んでいるって、ミホはどういう風に考えてるの?』

『そのまんまだよ。人によっては、心は身体の中にあると思ってるかもしれないけど、ほんとは心の中にあるのが身体なのよね』

私は、ミホと以心伝心できてるみたいでとても嬉しかった。

『だね。でさー。心が身体を包んでいるとして、それ、どのくらいの大きさだと思う? 身体の中心から直径1メートルくらいあるのかな?』

『ううん。どこまででも広がってるの』

『どこまでも? ・・・地球の裏側へも?』

『うん。宇宙の果てまで』

正直、私が思ってたよりミホのスケールが大きくてびっくりしたけど、私にはそれが心地よくてたまらなかった。

『・・・ってことは。みんなの心は繋がってるってこと?』

『うん。遠くになればなるほど、濃度は薄くなるけどね。例えば遠くで起こったことに気づくのも心だし、離れた人の想いを感じることだってできる。人間ってほんとはすんごい能力を秘めているのよね』

『私が超能力者なら、ミホはまるで進化した宇宙人みたいだね』

『はは。宇宙人になれるのはカナのおかげだよ』

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