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答えはどこにある?

『ねえ、カナ。答えってどこにあるか知ってる?』

『ん? 答え? 先生の机の中とか?』

ここは学校帰りにふたりで寄る馴染みの喫茶店。今日は明日のテストのためにふたりで勉強してたんだ。

『あ。そうだね。他にもあると思う?』

『他に?先生の頭の中とか?教科書とか?』

『だね。答えの場所っていろいろあるよね』

ミホはいつもいろんな発見を教えてくれる。私は、なんでそんな話をするの?とは聞かない。だって、前置なんていらないこの会話が大好きだから。わかってるから。

『ん?まあ、そうだよね。答えがないってのも答えかもしれないし』

『ははは。そうだね。でさ、テストの話に限らないんだけど、いろんな問題の答えって、問題が発生したときに、答えもどこかに発生してると思うのよね』

『えー。なに、そのファンタジー。ミホらしい発想だけど、問題って何か困ったときとかのことだよね?』

『そうそう。答えが、見つからないとき、すでにどこかに答えがあるって思うと、急にいいアイデアが浮かんだりするの。カナはそんなことない?』

『うーん。どうしていいかわかなくなったときって、ますますどうすればいいかわかんなくなる方かなー』

『それ、わかるよ。でね、そんな時こそ答えがわかっていたらどうするかって思ってみるの』

『えー。わかんないのに、わかると思うの?そんなの無理じゃない?』

『できるよ。答えはすでにある。そーだねー、宇宙のデータベースに心でアクセスするイメージなのよ』

『わー、でた。ヘンテコ発言』

ヘンテコ発言。それは私たちが理解できない言葉に驚いたときに使う単語だけど、ミホはとっても嬉しそう。

『ははは。でも、カナも一度やってみてよ。うまくいかなくても損はないから。これテストでも有効だよ』

『へー。ミホがそう言うなら、やってみようかな』

『うん。カナと私で心の宇宙にアクセスできるようになると、出口の見えないような問題だって、答えが見つかるようになると思うのよね』

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