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鼻水たらして泣いた。「スター・ウォーズ シネマ・コンサート」

「スター・ウォーズ シネマ・コンサート」に行ってきた。
『A NEW HOPE』。


正直言うと、エピソード9が終わって以降、それまで何十年も自分の中で燃え続けていたスター・ウォーズ熱が、サーッと冷めてしまったのだ。

海外のサイトをしらみ潰しに探しては、R2-D2型(アストロメク)ドロイドのフィギュアを買い集めるコレクターでもあったのに、映画を見終わって以降、収集欲が完全に消え去ってしまった。

スピンオフ作品を見たいとも思わなくなった。


だとしても『エピソード4』はクラシック・シネマとして、今現在の興味の有無、感情移入の有無に関係なく、金字塔として存在しているのだ。


東京国際フォーラムに集まった客の年齢層の高いこと、高いこと。
1978年の公開をリアルに体験したであろうツワモノどもが集結していた。

そんな客に混じってダース・モール(コスプレ)がいたり、
「Lucasfilm」のロゴTを着ているおっさんや、「BOBA FETT」と書かれたTシャツを着ているおっさんもいた。

エピソード4。スター・ウォーズ・サーガの記念すべき第一作目。
じつは映画館で見たことがない。

スター・ウォーズ好きを公言しておきながら、映画館へ足を運ぶようになったのはエピソード2からだった。

旧三部作は尊敬の念を抱きながら、繰り返し繰り返しDVDやBlu-rayで見てきた。エピソード4のポジションと関係性は、登場人物にまだ思い入れがない「ハッピーエンドな銀河規模のチャンバラ劇」という印象だ。

ワクワクする楽しい映画、ということ。


それがそれが…


なんだよ。
まさか、鼻水たれまくり、涙、涙のコンサートになるとは想像もしていなかった。


原田慶太楼:指揮
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

原田さんが登場して調子のいい最初のMCで、オーディエンスのスター・ウォーズ愛に火をつけた。


指揮棒を振りおろした瞬間、


20世紀FOXファンファーレ!!


場内、悲鳴混じりの大歓声と拍手の嵐!
これは期待していなかったので、いきなり全身鳥肌!

そうなのよ。
「ジャ〜〜〜〜ン!」で始まるのがスター・ウォーズなんじゃなくて、
20世紀FOXからがセットでスター・ウォーズなんだよ。
わかってくれ、ディ◯ニーさんよっ。


大歓声が収まろうとした次の瞬間、

「ジャ〜〜〜〜ン!」

世界で最も有名なBフラットの和音が、ホールAを震わせた。
スクリーンいっぱいに映し出された黄色のロゴが、宇宙空間に飛んでいく。
20世紀FOX以上の歓声と地鳴りと大拍手!
すでに自分の感情を、そして涙腺もコントロールできなくなっていた。

なんだ、このライブは!!

主要登場キャストが姿を表すと、場内拍手で迎えた。

C-3PO&R2-D2

レイア

ダース・ベイダー

ルーク

オビ=ワン

チューバッカ

ハン・ソロ

そして、ボバ・フェットも拍手をもらっていた。
あと、ターキン提督も(ごく少数)。

これまで何度も見てきたエピソード4が、こんなに新鮮にストーリーを追っていくことができるとは。

客は自分の好きなシーンで、自由に感情表現をしていいらしい。
ピンチから脱したり、戦って相手を倒したりすると、拍手が聞こえた。
態勢がマイナスに傾いても、拍手が聞こえることがあった。
客の中に一定数、ダークサイドに落ちた人がいるようだ。

ミレニアム・ファルコン号が完成間近のデス・スターの牽引ビームに引っ張られていくところで、INTERMISSION。20分の休憩。

席は2階だったけれど、オーケストラの音はしっかりと聴こえてくる。
低音も問題無し。
スクリーンのセリフとのバランスが、ディスクよりは音楽が大きめ。ライブならこれぐらいがいい。

後半はデス・スターをこっぱみじんにするまでのおなじみのストーリー。なのに、前のめりになって見入ってしまった。

そして、個人的にスター・ウォーズの中で一番好きな曲「王座の間」が流れるメダル授与のラストシーン。
整列した反乱軍の戦士たちと一緒に、観客全員がルークとソロに拍手喝采!
スクリーンとオーケストラと会場がひとつになってる!

なんだ、このライブは!!

「王座の間」の最後のフレーズをグーッと rit. すれば、感情と身体もグーッと引っ張られ「エンド・タイトル」の”ラbラ ラbラ ラbラ ラbラbラb”のフレーズでポーンと開放される。

歓声喝采驚嘆嗚咽が入り混じった、人間のMAXの感情表現が暴発した!
会場が一体となり、エンドタイトルにあわせて手拍子!

感極まる!鼻水たれまくり。涙腺崩壊!

ヤバい、感情が独り歩きしてるっ。




エンドロールが流れて9秒後、3人目。

「Music by JOHN WILLIAMS」

今日イチの大拍手と大歓声! しばらく鳴り止まなかった。


躍動感ある原田さんの指揮と、楽しそうに演奏する東フィル。

参加したすべての人から感じる「スター・ウォーズ」へのリスペクトと愛情がいっぱい詰まったコンサートだった。

座席は2階9列ほぼ中央。ステージもスクリーンも遠く感じるけれど、
それが気にならないくらい熱いコンサートだった。

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