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コストコの日本での戦略をIKEA、カルフールと比べてみる

コストコ、大人気ですよね。土日なんかは駐車場が車で溢れかえっています。店内は、まるでテーマパークかのような人だかりです。

もう一つ同じような賑わいを見せているスウェーデン発のチェーンにIKEAがあります。こちらも土日は超満員。

実は成功しているように見えるIKEAもここ3年間は赤字を出しているんです。画像は今年の決算です。当期純損失で8億8500万円の赤字となっています。

さらに、これら2チェーンと同じように外資系の「黒船」と呼ばれながらも、進出からわずか5年でイオンに売却、そこからさらに5年でブランドが消滅したカルフールもあります。

今回はこれらの3チェーンの共通点、相違点をまとめていきたいと思います。

コストコの基本情報

コストコは、1999年に福岡県に初進出し、車での来店をメインとした業態で注目を集めました。当初はアメリカからの輸入品がメインで、地元の消費者にとっては、見たこともない商品やブランドが多かったため、話題を呼びました。

しかし、コストコは、日本市場での立ち上げに苦戦しました。会員数や店舗数も、長年にわたって伸び悩みました。そんな中、日本企業との連携を始め、自社ブランドの「コストコ専用大容量商品」を開発しました。この商品は、地元の消費者にとっては、大変魅力的なもので、コストコの売り上げに貢献しました。

また、2000年代後半には、テレビ番組や婦人誌などのメディアで、コストコでの買い物が取り上げられ、大人気になりました。地元の消費者にとって、コストコは、大量の商品をまとめて購入できる場所として、ますます人気を集めるようになりました。

現在、コストコは、日本国内に31店舗を展開し、会員数や売り上げを伸ばしています。彼らのビジネスモデルは、高品質でリーズナブルな商品を提供することにあります。地元の消費者にとっては、コストコは、大変魅力的な店舗であり、ますます注目を集める存在となっています。

コストコとIKEAの戦略における共通点

コストコとIKEAは、業種や商品カテゴリーは異なりますが、ビジネス戦略においていくつかの共通点を持っています。

まず、共通点として、両社は郊外立地に店舗を構えています。これは、大型店舗を展開することで、大量の在庫を保有し、消費者のニーズに対応することができるという戦略の一環として考えられます。

また、両社は自社開発商品に力を入れており、高品質かつリーズナブルな商品を提供することで消費者にアピールしています。自社開発商品の開発により、独自性を持った商品ラインナップを構築することができ、顧客のロイヤリティを高めることに繋がっています。

さらに、両社は、フードコートなどの長時間滞在を促す仕組みを持っています。コストコは、店内での試食サービスやカフェスペース、IKEAは、ショールームスタイルでの商品展示、カフェスペースなど、購買体験を充実させることで、消費者により長く滞在してもらうことを目的としています。

最後に、共通点として、両社は、日本の同業他社と比べた際、かなり大型店舗であることが挙げられます。大型店舗を展開することにより、大量仕入れやコストダウンを図ることができ、消費者に対して競争力のある価格で高品質の商品を提供することができます。

以上のように、コストコとIKEAは、ビジネス戦略において、郊外立地、自社開発商品、フードコートなどの長時間滞在を促す仕組み、そしてかなり大型店舗であることという共通点を持っています。

コストコとIKEAの戦略における相違点

コストコとIKEAは、共通点だけでなく、いくつかの相違点も存在します。

まず、相違点として挙げられるのは、低価格の理由の違いです。コストコは、有料会員制度を導入しており、商品への利益を最小限にすることで、商品のリーズナブルな価格設定を実現しています。一方、IKEAは、商品自体をDIY形式で提供することで、生産・運搬コストを下げ、価格を抑えています。

次に、日本国内での商流の違いです。コストコは、国内外問わず企業より直接商品を仕入れ、倉庫型の店舗で販売する流通形態を採用しています。一方、IKEAは、海外の工場から製品を輸入し、国内で組み立てずに販売ことで、販売コストを抑えています。

また、コストコは、冷凍・冷蔵の食品を扱うためのコールドチェーンシステムを導入しており、商品の鮮度を保ちながら販売しています。一方、IKEAは、家具やインテリア用品を中心に扱っているため、このようなシステムは必要ありません。

最後に、相違点として、IKEAはオンライン注文を前提とする都市型小型店舗を展開していることが挙げられます。この形態により、顧客はオンラインで商品を注文し、実店舗で受け取ることができます。一方、コストコは、大型店舗を展開しており、顧客は店舗に足を運んで商品を購入することが前提となっています。

以上のように、コストコとIKEAには、低価格の理由、日本国内での商流、コールドチェーンシステム、都市型小型店舗という相違点が存在します。それぞれの特徴を生かしつつ、それぞれの業界において成功を収めています。

カルフールはなぜ失敗したのか

2000年、フランス発のスーパーマーケットチェーン、カルフールは日本に進出しましたが、わずか10年で日本から撤退することになりました。その理由について、以下に詳しく説明していきます。

まず、カルフールが失敗した要因として挙げられるのが、ダイエー、イオン、イトーヨーカドーなど、既に強いスーパーマーケットチェーンが存在していたことです。日本は食品スーパーマーケットの競争が激しく、既存のスーパーマーケットが多数存在するため、新規参入が困難でした。中国などで成功しているカルフールと違い、競合他社が多すぎたのです。

また、カルフールは、問屋を通さないビジネスモデルを採用し、商品の調達や物流など、商流の整備が難航したとされています。日本の食品スーパーマーケット業界は、長年の歴史に基づいて問屋や流通業者などがしっかりと組み込まれたビジネスモデルが確立されているため、新しいビジネスモデルを導入することは非常に困難だったと言えます。このことから、原価高につながり、価格競争力に欠けるという課題が生まれました。

さらに、当初のコストコとは逆で、フランス企業らしさが出せなかったとされています(フランスパンとロティサリーチキン、ローラーシューズくらいが特徴でした)。カルフールはフランスのスーパーマーケットチェーンであるため、日本の消費者にはなじみがなく、ブランドイメージを確立することができませんでした。そのため、消費者にカルフールにわざわざ買いに行く理由がなく、商圏が狭かったという問題がありました。

また、カルフールは、広い店舗で高い値段のスーパーというイメージにしかならず、消費者のニーズに応えることができなかったとも言われています。日本の消費者は、品質と価格のバランスを重視するため、高い価格設定であることがマイナス要因となりました。
最後に、日本は、世界最大のスーパーチェーン、ウォルマートですらも撤退する特殊な市場であることも、カルフールの失敗要因の一つと考えられます。日本の消費者の独自性やビジネス環境の違いを理解し、適切な戦略を展開することが非常に難しい市場であると言えます。

以上のように、カルフールが日本で失敗した理由は、既存のスーパーマーケットが多数存在する中、商品価格の高さや問屋を通さないビジネスモデルによる原価高、ブランドイメージの不足などが挙げられます。また、日本市場においては、消費者の独自性やビジネス環境の違いを理解し、適切な戦略を展開することが非常に重要であることが示されました。

コストコは成功するのか

コストコは、日本において非常に人気が高く、多くの消費者から支持されています。しかしながら、競合が激化しているスーパーマーケット市場において、今後も成功し続けることができるのでしょうか。ここでは、コストコが日本で成功し続けるために必要な要因について考察していきたいと思います。

まず、コストコが成功している要因として、低価格戦略を挙げることができます。コストコは、商品を大量に仕入れることによって、原価を下げ、それを価格に反映することで、消費者にとって魅力的な価格を提供することができます。また、自社開発商品によって、コストを削減し、高品質な商品を低価格で提供することができる点も大きな特徴です。

次に、コストコは、郊外立地というビジネスモデルを採用しており、広い店舗面積を確保することができます。これにより、多くの商品を展示し、消費者にとって充実したショッピング体験を提供することができます。また、店内に設置されているフードコートなどの長時間滞在を促す仕組みも、消費者にとって魅力的な要素の一つです。

しかしながら、コストコが今後も成功し続けるためには、さらなる工夫が必要です。まず、競合が激化しているスーパーマーケット市場において、低価格戦略だけでは十分ではありません。消費者が求める品質やサービスにも注力し、高品質な商品や充実したサービスを提供することが求められます。

また、日本市場においては、独自の消費者ニーズが存在しています。コストコがそのニーズに適応し、消費者の生活スタイルに合わせた商品ラインナップを提供することが重要です。たとえば、日本人にとっては、パッケージに日本語表記があることが望ましいといった点も考慮する必要があります。

さらに、コストコは、顧客満足度の高さが特徴です。顧客満足度を高めるためには、スタッフの教育や研修に力んだり、購入した商品の返品や交換に対する柔軟な対応などが必要です。顧客満足度の高さは、リピート率を上げることに繋がります。コストコは、顧客満足度を非常に高く保つことで、リピート率を上げ、顧客基盤を固めることができました。今後も、この点に力を入れることが必要であると考えられます。

また、コストコは、オンラインショップの充実も求められます。コストコは、日本でもオンラインショップを展開していますが、商品ラインナップが限られているため、改善の余地があります。今後は、オンラインショップの商品ラインナップの拡充や、より使いやすいサイトの構築などに注力することで、顧客満足度の向上が期待できます。

さらに、コストコは、フードコートなどの長時間滞在を促す仕組みを活用することで、消費者とのコミュニケーションを図ることができます。消費者がコストコで過ごす時間が長くなることで、商品の認知度やブランドイメージを向上させることができます。今後も、この点に注力することで、消費者とのつながりを深めることができます。

以上のように、コストコが日本で成功し続けるためには、低価格戦略に加え、品質やサービスにも注力し、消費者ニーズに合わせた商品ラインナップを提供することが必要です。また、スタッフの教育や研修、オンラインショップの充実、消費者とのコミュニケーションなど、顧客満足度を高める取り組みが重要であることが示されました。コストコは、これらの要素を踏まえた上で、今後も消費者から支持され続ける企業であり続けることが期待されます。

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