スガシカオさんがミスチルの楽曲『ファスナー』を語る

2023年、NHK FM「「サウンドクリエイターズ・ファイル」にて、スガシカオさんがMr.Childrenの楽曲『ファスナー』について語りました。
ミスチルの10th アルバム「IT 'S A WONDERFUL WORLD」に収録されている『ファスナー』は桜井さんがスガシカオさんをイメージして作った楽曲ということです。
その縁から、スガさんはミスチルや桜井さんと『ファスナー』のセッションを何度かしています。
音源化している物としては、以下のようなものがありますね。

  • ファスナー 【Mr.Children DVD「Split The Difference」 2010年】



  • ファスナー スガシカオ&桜井和寿 【スガシカオ Album「Sugarless」 2011年】



  • ファスナー 【Bank Band with Great Artists DVD「ap bank fes ’11 Fund for Japan」 2012年】



  • ファスナー(スガフェス! 2017.5.6 SAITAMA) 【Mr.Children Single「himawari」 2017年】

今回のラジオでは、スガシカオさんのアルバム「Sugarless」の『ファスナー』で桜井さんとアコースティックギターセッションした際のレコーディング裏話などについて話していました。


【スガシカオ】
次の曲は、『ファスナー』ですね。
これはMr.Childrenのね、曲ですけれども、すごい好きな曲で、ミスチルの桜井君とはすごく昔から仲が良くて、いろいろ音楽の話とかもするんだけど、桜井君は自分の作曲の一つのモチーフというか、やり方として、すごい“擬態”っていうのをよく言うんですよね。
そういう擬態って何かっていうと、例えば、頭の中の脳がスガシカオだったらこんな風なメロディーを書くんじゃないかだったりとか、こんな風なコード展開をするんじゃないかっていうところに自分を“擬態”させて作曲をする。
でそうすると、自分が絶対使わなかったような手法とか、自分が絶対やらないやれなかった手法とかまで自分の手にすることができるっていうやり方なんだけど。
この『ファスナー』っていう曲はまさに、スガシカオに“擬態”して作った曲なんですね。
だから、俺それ知らないで聞いてたんだけど、コード展開とかもすっごくなんか馴染みが深い感じのよく聞くコード展開だなぁと思っていたので、でもそれは桜井君が、スガシカオだったらこのコードからこう行くだろうっていうのをなんとなく“擬態”しながら作った結果、スガシカオ本人に響いてしまったっていう。

それでそういう経緯もあったので、じゃあちょっと、僕のアルバムの中で桜井君と2人でこの『ファスナー』っていう曲をアコースティックでセッションしようじゃないかっていうことになった訳。
それで2人でスタジオに入って、まずギターから録ってみたいな。
ギターの弾くパートの分けをして、で、こういう風に弾くから、じゃあじゃあ俺こっちこう弾くわみたいにすり合わせをして、ギターアレンジを作って。
で、2人だけのギターで保たなかったら後からちょっとなんか入れようかなと思ったんだけど、桜井君ってギターめちゃくちゃ上手いんだよね。
すげー練習してるのよ、いっつも。
だから、
アコースティックギター一本でもね全然形になるぐらいうまいわけ。
で、それに俺がもう一本ギターを足して、2人でギターを弾きながらやってる風な感じのトラックをまず作って。
そこにその場で桜井君が最初に歌って、で、その次に俺が歌ってっていうふうな感じで。
で、お互いのやつにコーラスを入れるという順番で作ったんですよね。
で、そのこの後もですね。
いろいろ事あるごとに、この『ファスナー』という曲をMr.Childrenの皆さんと一緒に歌わせていただいたりとか、ap bankで歌わせていただいたりとか、やってますけれどもね。
難しい曲です。非常に難しい曲ですけども、でも、スガシカオっぽくあるコード展開ではあるけど、全然スガシカオではない。
曲の展開の仕方さすがでございますね。

ファスナー(“ス”にアクセント)がついていて♪って歌うんだよね、桜井君ってね。
で、俺はなんかね、ファスナー(“ファ”にアクセント)が付いていて♪どうしても歌っちゃうんだよねえ。
「それさあフ“ァ”スナーなの?」って言ったら、「ファ“ス”ナーだよ」言い争いになるみたいなね。
そんなこともありましたけど。

どっちか覚えてないけど、確か右側から聞こえてる低い方の高いギターの方が桜井君で、左側のキンキンしてる安いギターの音が、多分俺のギターだと思うんだよね。
確かそうだったと思うんだけど、俺の持ってるギターはあんな低い鳴りはしないので、桜井君のビッグボディの低い方を弾いて、で、俺の持ってるギターで高い方を。
確かそういう弾き分けをしたんじゃないんかなって今思い出しましたけどね。

コーラスが難しいんですよ。
特にねアコースティックの時とかまだそうでもないんですけど、バンドの中でね、このコーラスのハモリをやるのがね。
すごい難しいんでね、なかなかね、最後の方の音が取りづらいんですよね。


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