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【またねの日まで水やりをしよう】について

ごあいさつ

2023年1月16日。アイドルマスターシャイニーカラーズより三峰結華さん、お誕生日おめでとうございます。今年もTwitterを見れば、日付が変わると同時にイラストや文章、お祝いの言葉など、たくさんの祝福が降り注いでいる瞬間に出会えて僕まで嬉しくなりました。

そんなお祝いの雨の一雫になれば幸いだなと思い、諸星も三峰結華さんへのお誕生日プレゼントにお祝いの絵を描きました。【またねの日まで水やりをしよう】というタイトルです。

絵が描きあがって作品のタイトルを考えるときにあれこれ眺める中で、去年のお誕生日に寄せた作品についての記録を読み返す機会があったのですが、何だか過去の自分からバトンを受け取ったみたいで不思議な気持ちになったので、今年もこの作品が生まれるまでに考えていたことをメモしたいと思って筆を執っています。非常に個人的な文章ではあるのですが、お時間が許せばお付き合いいただけると嬉しいです。

ご興味のある方がおられるかはわかりませんが、去年のお誕生日イラストに関する備忘録をこちらに置いておきます。

まずは安堵の気持ちから

実は年末年始はとっても大変で、あまり絵を描けませんでした。高熱を出したり、今度は看病したり、お仕事が忙しかったりとてんやわんやで、今描いている最中のものもなかなか進まずと歯がゆい思いをしていました。

ここ最近は一枚の絵を仕上げるのに一ヶ月くらいかかってしまう都合、まだアイデアも見えきっていないのにお誕生日に間に合うのかなという不安が十一月末くらいからずーっと頭の一部屋を占領してしまっていて、正直に白状すると、今描いているものになんとかお誕生日とのつながりを見出して寄せるか……?って弱気になった瞬間もあって、年始に作業しようと思っていた時間がまるまる諸事情で潰れたときには本当にそっちに舵を切る寸前まで追い込まれました。

今回は幸運にも「あっ、どうしようもなくこれが描きたい」っていう気持ちが急に降りてきて、今描いている絵を一時中断してエネルギーの迸るままに手をつけ始めたのが1/9(月)のできごと。ちょうど1週間前でした。ここ最近のペースの四倍のスピードで描き上がり、無事にお誕生日を迎えることができたのでまずはホッとしています。

こんな感じなので、今回の絵は描いたというよりも、描かせてもらった、突き動かされた、みたいな感覚の方が大きいのもあって、何を考えて何を込めようとしたのかを振り返っておきたいなーというのも、この備忘録を書いているひとつの理由だったりします。

いい作物はいい土から:アイデアの種が生まれる前の話

多分十二月くらいだと思うんですが、一番最初に頭にあったのは、ここ数年の自分の誕生日に対する感覚に照らした個人的な意見なのですが「誕生日っていつも通りに前に一歩を踏み出す一日の延長線上でしかないんじゃないか」でした。

現在の僕個人にとっては自分のお誕生日って、数を重ねたり、人付き合いの頻度だったりいろんな理由があるんだとは思うんですが、特別な感じがあまりしなくっていて、むしろお祝いをしたいという気持ちがある分誰か別の人のお誕生日の方が特別な感じがするなーという感覚なのです。

それをそのまま三峰結華さんに託すのは何だかお祝いがしたいというよりも自分の言いたいことを言いたいが先に出ちゃってるような気がしてとってもグロテスクだなーと思ったので、もう少し考えを深める必要があるなと寝かせること数日。

お誕生日って自分にとっては特別じゃないのかもしれないけど、祝ってくれる人たちは特別な気持ちを込めて自分と関わってくれるから、「自分にとっての当たり前を周囲の人が特別にしてくれる」体験なんじゃないかなーっていう考えに辿り着きました。この見解は三峰結華さんとの間にのりしろがあるんじゃないかなって感じたので、この先に進むための中間セーブポイントが決まりました。

種を蒔こう、無事育つよう祈りを込めて:ひらめきの話

コンパスを手に入れて進むべき道が見えたので、次は具体的に何を描いていくかを考えよう、となったままお正月に突入したような気がします。この頃には、先に述べた「自分にとっての当たり前を周囲の人が特別にしてくれる」が拡張されて「当たり前が知らないうちに特別になる瞬間って色々あるよね」ってなってました。

そんな中で根っこというか柱というかに使いたいなって思ったのが、最近のスマホでしばしば目にする、写真を勝手にいい感じにアルバム化してしれっと見せてくれる「一年前のできごと」機能(名前あるのかな?)でした。

三峰結華さんの絵を描く中でここ何枚かずっと描いてきたつもりの過去と今と未来の関係性という文脈の中でも、一年前の自分がした行動が今日のこの日を特別にしてくれる、というのが嬉しいなと思ったので、スマホの一年前のできごと機能を軸に画面構成してみよう、というところに辿り着きました。

おめでとうの日まで水やりをしよう:作画作業中の話

そしてついに1/9(月)からiPadに向かい合うことができたのでガーっと奮闘した結果無事今日を迎えられたわけですが、ここからは絵を描いている最中に考えていたトピックをいくつかピックアップしながら好きなように文章を書いてみたいと思います。

いふくの話

僕の中で衣服の選定は最重要項目のひとつです。シャニマスの衣装を着せるのか好きな洋服を着せるのか。シャニマスの衣装を着せるのであればなぜその衣装を選んだのか。洋服選びは絵のテーマにも密接に絡んでくるだけではなく、今回はお誕生日なのでリアルタイムな彼女たちの時間を描こうとすると冬の服である必要性があるなーとか、いろんな制約がありました。

今回は彼女のオフな時間にオンの時間を一緒に過ごす大事な人たちが存在している、しかもオフの姿で、みたいなごちゃごちゃした重ね合わせがなんだか素敵だなと思ったので、プライベートドレスダウンを選ぶことにしました。

プライベートドレスダウンを選ぶにあたって、自分なりの腹落ち感が欲しかったのもあって追加でリサーチをしていた中で初めて知ったんですが、ベッドという単語には地学分野では地層や海底、苗床という意味があるそうですね。積み重ねてきた時間、湖の底、未来に咲く花のための土壌、そんな連想ゲームからも、”ベッドを泳ぐIKA”な衣装しかないと感じたので今回の衣装が決まったかたちです。

どうがの話

過去2年は動画形式のプレゼントを贈っていたので、実は今年も動画を期待されている部分が少しくらいはあるんじゃないか?って察している自分は正直いました。そして、それを(無意識に)汲もうとして動画で伝える形式を考え始めている自分もいました。

ですが、そもそも論過去のお誕生日で動画を選んだのはそのとき伝えたかったことがそのときの自分では一枚絵で表現しきれなかったからより適切な手段を選ぶ、が理由だったので、今回も初心に立ち返って伝えたいことが一番過不足なく伝わるかたちを選ぼうということで今回は2枚のイラストになりました。

がめんの話

スマホが題材で、「N年前の今日のできごと」が表現形になることが決まった時点で過去にプレゼントしたお誕生日イラストが画面に配置されることが自動的に決まったんですが、できるだけ画面の中に入り込んでいるモノに(そのモノの背丈を超えない範囲で)個人的なものでもいいので意図を持たせたいなと思って普段絵作りをしていまして、電池表示やアンテナ、待ち受けや他のアプリなどN年前のできごと以外の画面の要素についてもちゃんとしたいなって思いました。

そんな中で足した大事な要素のひとつがツイスタからの通知でした。アンティーカの五人で完結した空間もとても素敵だとは思うのですが、オンとオフの重ね合わせがテーマのひとつになっている作品なのにそこの境界線をくっきり引くの嫌だなぁと思ったのと、きっと三峰結華さんのお誕生日をお祝いしたい人はこの世界にも向こうの世界にもたくさんいるんだろうなって思ったので、小さな通知欄ですが世界とつながるおまじないとして、ツイスタの通知欄を入れました。

つくえの話

過去の自分が描いたお誕生日イラストが登場するなら、そこにあったものが今この瞬間の三峰結華さんのお部屋にあってくれたら嬉しいな、と思って机の上のものを描きました。言葉にしちゃうとどこかで聞いたようなワードになってしまうのですが、変わっていくけれど変わらないもの、変わらないんだけど変わったもの、みたいな感じです。

去年のイラストでは紙袋だけですがフルーツタルトが常連なので、フルーツタルトはどうしても描きたいなと思っていたモチーフのひとつでした。定番の、お決まりの、毎年恒例の、ってアイテムは言葉の響きだけで眺めると飽きそうな感じもありますが、ひとつのイベントが毎年恒例になって、そこに登場するものが特別な日以外にも特別な意味をもつことってとっても素敵だなって思います。そして、三峰結華さんはそういう特別を大事にしてくれる方なんじゃないかなって思いました。

そして実は、タイムラプスを見ていただければ机の上の全容が見えるようになっています。ちょこちょこ描いたものはスマホで大部分が隠れてしまって全く見えていないものもあるのでそこまでしないでもいいんじゃ……?というお声もあるかもしれませんが、絵を描くこと自体がお誕生日のお祝いの手紙を書いているようなものなので楽しく描きました。小耳に挟んだ話では細々描いたものをドーンと潰してしまう瞬間に快感を覚えるとか覚えないとか、そんな風の噂もあります。

じかんの話

既に述べたように、スマホ画面に載せる情報にもなるべくなら個人的な理由を持たせたいというこだわり?制約?で、スマホに表示させる時間についてはちゃんと決めたいと思っていました。

家で部屋着でお泊まりパーティで、だと夜だよな、いつの夜だろう、この時間だったとしてなぜアンティーカのみんなはそんな時間にこんなことをしているんだろう、というのを考えた結果、時計が指す時刻は01:16に決まりました。

誕生日の前日、アンティーカ全員でのお仕事の日。明日はみんなオフ。三峰以外は全員お気に入りの部屋着持参で行われた計画的パジャマバースデーパーティ。仕事終わりで時間はとても遅いけれど、愛すべき私たちの時間を盛り上げるために、さあナイト・オフ。みんなが自分の部屋にいて自分のためにお祝いの準備をしてくれている姿が愛おしてく写真を撮ろうとしたら、気づけば日付はとっくに変わって01:16に。日付が変わる特別な瞬間をてんやわんやの騒がしさで盛大に逃したことすらも愛おしく特別に思える日。みたいな時間を捕まえられたらなって思ってがんばりました。

そんな体験のお裾分けがしたかったので、今年は日付が変わる瞬間はぐっと我慢して、作中と時間を合わせた01:16に投稿してみました。普段は早寝なのでこの時間まで起きているのが制作期間に発生した諸作業の中で一番辛かったという説もあるみたいです……。

なまえの話

絵の方はわりと突き動かされるように迷わずぐいぐい描けたような感覚があるんですが、一方でタイトルは難産でした。ここまでを読んでいただけた方はもしかしたら薄々勘付かれているかもしれませんが、お誕生日ということもあっていろんな気持ちや祈りや願いを一枚の絵に込めたいぞーって大変欲張りな姿で突進してきてしまっています。

とはいえタイトルとして許される範囲の程々の文字数というか、口にしたときの語感というかはあるので、断腸の思いで取捨選択をしないといけません。そういえば去年の自分もタイトルをつけるときに同じような悩みを抱えていたな、っておかしくなりましたが、そのときは自分のエゴと作品が伝わるべき姿とを切り分けて作品としての姿を優先しないとダメだ!って結論になったと記憶しているので、今回も同じスタイルで戦っていきます。

そんなこんなでいくつもタイトルの材料になりそうなものやタイトル案が浮かんでは消え、最終選考に残ったのは【ロウソクよりもたくさんのバトン】と【またねの日まで水やりをしよう】のふたつでした。

どちらも自分の中では甲乙付け難かったのですが、【ロウソクよりもたくさんのバトン】の方がお蔵入りすることになりました。こちらのタイトルはお誕生日であること、誕生日を特別にしてくれる仲間、ファン、家族など大事な人たちからのバトン、過去の自分からのバトン、いろんなバトンを受け取って未来の自分へと続いていく、という意味が込められているのですが、リレーみたいなイメージになってしまうと彼女が一人で懸命に走っていく姿が浮かんできてしまって、三峰結華さんの背中にたくさんのものを託す、というと聞こえはいいのですが重荷を無責任に押し付けてはいないか、というのが気になってしまったので、なんだかこれも言いたいことが前に出過ぎて気持ち悪いなーということでお蔵入りが決まった次第でした。

そうして決まった【またねの日まで水やりをしよう】というタイトル、自分では気に入っているのですが、絵を見てくださったみなさまにも気に入っていただけたらいいなぁ。

ひみつの話

どこかで書いているようにモチーフひとつひとつになるべく(私信みたいなものも含む)何がしかの意図があるように書いているので全部拾うとキリがないのでこれくらいにしますが、ここに書いてない秘密もまだいくつかあったりします。

ギリギリ、気づきそうな人がもしかしたら一人くらいはいるかもなーみたいなちょっとくだらないやつがあって、「これもしかして!」の連絡が届くのを気長に待っている今日この頃。ミッケみたいな気分で楽しんでいただけたら幸いです、気になる方や気づかれた方は気軽にお声かけください。

巡る時間に水やりをしよう:終わりに

今回のお誕生日に三峰結華さんが過ごした時間が、また種を落とし次に出会う日に花をつけるまで、彼女はきっと毎日を大事に水やりをするんだろうなって思います。これまでの積み重ねが花開いてお誕生日というイベントは1年後に「やがて訪れるまたね」として信じられる、という素敵な花を咲かせたけれど、この当たり前に来る特別を当たり前に来る特別として受け止めるために、毎日必死でがんばろう、大事に水をやろう。それはそれとして、今日はいっぱい楽しもう。みたいな感じです。

そんな彼女に祈りを、願いを託してしまったのだから、他力本願でただ託すだけの人生を送らないように自分にも楔を打って、今日からの一日を大事にできるようになりたいなって思います。その日の花を摘め、です。この備忘録の文脈に則れば、いつかの日の花を摘むためにその日の水やりを大事にしよう、みたいな感じなのかもしれないです。

改めて、”三峰結華さんお誕生日おめでとうございます!これからもずっと応援しています!”、ということで、諸星は水やりに戻ります。

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