『タッチ』の続編を見たらドロドロしたトレンディドラマだった

どうもMr_noiseです。今回は『タッチ Miss Lonely Yesterday あれから君は…』の感想を22年ぶりに見ることにした経緯を含め、書いていこうと思います。

『タッチ』といえば、あだち充先生が1980年代にサンデーで連載されていた漫画。双子の兄弟、達也と和也とその幼馴染の南の恋と野球と青春とを描いた大名作です。僕も小学生の折に夢中になって読んだ覚えがあります。

 先日、netflixでアニメ映画のまとめを見ていると『タッチ』の劇場版3作を見つけました。渋いチョイスだなと思いながら眺めていると、ふと小学生くらいのころに金曜ロードショーか何かで『タッチ』のアニメを見たことを思い出しました。たしか達也が大学に進学していて、同じ大学の女の子と出会って、その女の子が〇〇〇〇だったのがわかるというストーリーだったような。見た後で悲しい気持ちになってへこんだような気がする。

 そして僕が思い出したストーリーはどうも『タッチ』らしい要素が薄いことに気づきました。まずそのアニメの中で達也が野球をしていた記憶がない。タッチが野球漫画なのか野球要素のある恋愛漫画なのかは人によって判断が分かれるところだとは思いますが、タッチにとって野球が不可欠な要素であることは誰しもが認めるところだと思います。

 和也の代わりとして、南との約束として、野球をしていたはずの達也の部屋に■■■■が飾られているという最終回はずっと心に残っています。そうか、たっちゃんは野球を好きになったのかもな、きっと漫画が終わってもたっちゃんは野球をなんだかんだ続けるんだろうなとみんな思ったはずです。しかし、達也は大学で野球をやっていなかった記憶がある。

 次に女の子が〇〇〇〇だったことを含め、どうも暗めのはなしだった気がする。タッチはたしかに悲劇的な話ではありますが、それを感じさせないくらいカラッとした読み味のある不思議な漫画だと思います。自分たちの悩みを深くは語らない登場人物たちや、ギャグやおとぼけじみた行動やセリフ、ただただ天気の良い風景だけのコマの多様のせいか、読んでいて暗い気持ちになることはありませんでした。僕の記憶の中のアニメはなんかおかしいなとここまで考えて思い出し始めました。そして何より南ちゃんがどんな大学生になっていたかの記憶が僕の中にありません。なんでだろう。

 よくよく調べると僕が見たアニメは『タッチ』の劇場版ではなく、1998年に金曜ロードショーで放送された原作にないオリジナルの続編たる『タッチ Miss Lonely Yesterday あれから君は…』であることがわかりました。ネットフリックスにはなかったので、TSUTAYAで借りて、先週末に見てみました。

 結果、記憶通りでした。達也の大学の同級生の女の子はやっぱり〇〇〇〇だったし、達也は野球をやっていません。恋愛要素が強く、達也が同級生の女の子と南との間で揺れる話みたいな感じでした。そして鑑賞する僕の心も大分揺れました。

 ブレーキ音と「交通事故だってよ」という男のセリフからアニメが始まるスピード感だったり

 開始5分で最終回に達也が南に川辺で告白するシーンが入るスピード感だったり

 『タッチ』に触れてない人はポカーンな展開だし、『タッチ』好きな人は端折りすぎじゃないかと思う始まり。時間短いのはわかるけどもっと丁寧な方が好みでした。

 その割に南が「あれから3年か何か(二人の間で)動いたのかな?」と言って、お前3年前の告白聞いてたか?と思う鈍感系主人公も真っ青な奥手清純女子っぷりを発揮したり

 達也が野球やらないの?と聞かれ、「和也の代わりに南を甲子園に連れていくためにやっていただけだったから」と言ったり

 全体的に僕の知ってるたっちゃんと南じゃない!と厄介オタクみたいなことを言いたくなるキャラ描写。解釈違いがすごいよ!僕の知ってるたっちゃんは恋愛映画を見て「それ面白そうだな」とか言わない気がするよ!あと西村君の幼馴染の子の扱いも献身的だけどストーカーじみた子みたいな感じでちょっと嫌だったよ。

 ただ楽しめなかったわけではないので、面白かった点を紹介すると

 西村くんがめちゃくちゃ野球してます。達也の代わりにピッチャー押して大活躍します。幼馴染の子との関係性にも焦点が当たるし、西村くん関係のエピソードはかなり好きでした。

 達也はめちゃくちゃ走ります。相手と口論になって追いかけたり、気まずくなって逃げた相手を追いかけたり、気持ちを伝えるためにひたすら走ったりと日本のドラマの主人公っぽい感情昂ったら走るマンとして活躍します。途中から達也がこの後すぐに走るかどうか予想しながら見ていたらわりと楽しめました。「ここは走らないんかい!」ってなりました。というか言いました。

 全体的にはトレンディドラマみたいな筋書きだなと思いました。渋谷スクランブル交差点で二組のカップルが向こうから歩いてくるのにきづきながらすれ違うし。ただ本当に文句を言いたくなるほど、揺さぶられたのも事実で最後にどうしても言いたい。

南ちゃん、それは言っちゃダメだよ!


 とあるシーンで南ちゃんがぼそっと言うセリフが的確に相手にダメージを与えていて怖かったです。無垢なヒロイン感を守りながら相手の心にナイフをぶっさす感じが衝撃的でした。

 ネタバレして語るのもなと思い、大分内容を伏せたせいで見ていないと意味が分からない文になっちまった感がありますが、書きたいことは書けたので満足しました。

 正当な続編の『MIX』とこの続編の続編には触れず雑に終わり。

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