で、換金はしてたの?

 これは一年生の2学期の話だ。不換紙幣になり下がったシャー芯紙幣も約13~15万本分流通していた。しかし実際に存在していた芯は1万本ほどだろう。


 つまり私は12~14万本分ほどの紙幣を私利私欲のために発行し散財していたことになる。シャー芯は一本あたり1.66円~5円ほどでなので、日本円にして20万円~70万円もの大金を自らのシステムで作り出したということになる。


 だが、肝心の私の手持ちは現物シャー芯で3500本ほど、紙幣で4万本超ほどしかなかった。日本銀行である私は全ての富の20~35%ほどを安定して保有していたのだが、問題の不換紙幣は全体の90%以上にも上る。


 自分以外の保有する10万本弱の紙幣に関しては逆立ちしても芯に交換することはできない状況になっていた。 


 この問題(自業自得だが)を解決すべく私は、芯の換金作業に着手することになる。(いつか書くかもしれないが、実際に現金のみでの賭博になったのは2年生から)


 だが換金といっても所詮はシャー芯だ。シャー芯はシャー芯以上の価値はない。しかし、これが紙幣になるとゲームソフトと交換できたりするのだから、もはや意味が分からない。


 ゲームソフトに形を換えてから中古ショップに売りに行くのも換金率が悪いし、知り合いに売るのも限度がある。それにそもそも、ここに保有している大量の芯を捌き切るという目的を果たしていない。


 そこで私は、シャー芯はシャーペンの中に入れて使うものだということにヒントを得た。(?)

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