相続と相続税

読まなくてもいい導入

 生物は死に向かって進んでいる。形あるものはいつか崩れる、諸行無常。
 今回は前文に関連して、相続と相続税についてまとめる。家族や親族で亡くなった方がいれば今回のテーマに詳しいのだろうが、私の周りで亡くなったのは遠い親戚や家族が飼っていたペットなどで「人の死」に関係する法律にはかかわることがなかった。
 祖父母は元気で歩き回っているがもう90歳を過ぎ、いつ床にせるかわからない。必ず来るであろう未来に備えて知識を蓄えておきたいと思う。

相続

 相続とは民法第5編に規定のある死亡した親族などの権利や財産を継承することである。民法の相続には10章、そし160を超える条文がある。今回は相続の相続できる人、できない人や相続放棄、相続財産について書く。

相続のできる人、できない人
 相続のできる人、つまり法定相続人になることができるのは、配偶者と血族のみとなっている。配偶者は必ず相続人になり、血族は優先順位の高い人が相続人になる。優先順位は以下のようになっている。

三井住友銀行HPより引用

 反対に相続のできない人は、民法第八百九十一条に規定されており、

①故意に相続人または自分より優先順位の高い人、もしくは同じ順位の人を殺害、殺害しようとして刑に処された人
②被相続人が殺されたことを知って告発、告訴しなかった人。ただし、その人が是非の分別がない(子供や精神疾患者など?)場合や殺害者が自分の配偶者や直系血族に当たる場合は除外される。
③詐欺または強迫(※脅迫ではない)によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた
④詐欺または強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた
⑤相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した人

の5つのパターンに分類される。基本的に相続を悪質な方法で邪魔した人は相続人になれないと考えればいいだろう。


相続放棄
 相続放棄とは読んで字のごとく相続を放棄することである。被相続人が多額の借金を残していた場合などに使われる手段だ。そもそも相続は財産がタダで手に入る認識をしている人が多いのではないかと思う。いざ相続するときに、借金も相続するなんて聞いてない!と言う人は必ずいるだろう。そう、遺産は遺産なので相続は借金などの負の遺産も継承するのだ。
 そこで正の遺産より負の遺産が上回る場合や親族の相続争いに巻き込まれたくない場合は「相続放棄」という手段が取れる。相続も相続放棄も法律の手続きなので細かい期限や注意点がある。
 相続放棄の期限は相続の開始から3か月以内で、この期間内に手続きを終えないと借金も相続することになる。また、相続放棄に必要な書類は多く、家庭裁判所に提出しなければならない。さらに、その書類は相続放棄する人の立場によって変わるのでとてもややこしい。これらの内容を詳しく知りたい方は下のページに飛んでほしい。


相続財産
 財産の相続は遺言が優先になるので、遺言がなかった場合はどのように分配されるのか説明する。(ここでは簡単に現物分割のみの説明とする。現物分割とは、相続財産を現物のまま分割する方法である。)相続できる財産の割合は民法第九百条に記されている。

①子供と配偶者が相続人の時、それぞれの相続分は半分ずつになる。(子供が2人の時は、配偶者:子1:子2=2:1:1の割合になる)
②配偶者と直系尊属が相続人の時、配偶者の相続分は3分の2で直系尊属の相続分は3分の1になる。
③配偶者と兄弟姉妹けいていしまいが相続人の時、配偶者の相続分は4分の3で兄弟姉妹けいていしまいの相続分は4分の1になる。
④子供、直系尊属または兄弟姉妹けいていしまいが複数人の場合は各自の相続分は、相等しいものとする。(例外あり)

 わかりやすくサザエさん一家で、波平が死亡した場合を考える。
 このとき波平の遺産が3000万円あったとする。波平の配偶者のフネは1500万円、子供のサザエ、カツオ、ワカメはそれぞれ500万円相続することができる。ただしマスオは波平の血族でないため相続できない。


相続税

 相続税とは死亡した親族などの遺産(財産)を継承する際に課せられる税金のことである。相続税が課せられる理由として、相続税に関してわかりやすく解説しているので引用する。

●死亡した人が生前に得た収入や財産については、一部所得税がかけられていなかったり、免除されていたものがあり、所得税を補完する役割として相続税がかかる。
●親の財産という偶然得た富に税金をかけることで、相続した人としなかった人の財産の均衡を図り、富の過度の集中を抑える役割として相続税がかかる。

相続税とはどんな税金?計算方法は?税理士が簡単にわかりやすく解説!

 また、財務省の相続税の改正に関する資料によると令和4年の相続税の税収は約2兆6000億円となっている。

 相続税は一定額以上の相続財産がある場合にのみ課税されるので、相続税は課税される場合と課税されない場合がある。これを調べるには初めに「正味の相続財産の計算」「相続税の基礎控除額の計算」をしなければならない。が、面倒な計算をちまちまするよりも専用の計算サイトで計算するほうが早いので是非こちらを活用してほしい。

 さらに相続税の申告手続き・納税の期限は、故人が亡くなった翌日から10ヶ月とされていて、期限をすると延滞税がかかる恐れがあるので早めに手続きを済ませるようにしよう。
 とりあえず計算がべらぼうにめんどくさく複雑なので、困ったら税理士に相談するのがいい。

 簡単にまとめようと思ったが、よくわからなかったので今後も少しづつ勉強しようと思う。以下に相続に関連する記事を紹介しているので興味があれば見てほしい。

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