一人から始めた自治体改革~犬山市が生成AI試験導入を発表するまで
皆様、こんにちは!田中悠介と申します。
ご存知の方はいらっしゃると思いますが、一部の人には噂になっている犬山市という自治体に生成系AIのBingが試験的ですが、6月1日に試行運用されました。
そこには私自身が、犬山市長や市役所及び各議員の方々へ説明を行って1ヶ月後に導入されたという背景がありました。
犬山市の取り組みの皆さんは既に活動をしていたという背景があった中、紹介が重なったという経緯があります。
そして、どのように犬山市へ紹介して進んだのか知りたいという方も多かった為、今回noteの記事としてご紹介できたら幸いです。
導入された内容の紹介は下記をご参照ください。
【注意事項】
このnoteの記事を最大の功労者である犬山市のみなさまに捧げます。
皆さんにご理解いただきたいのは、導入には犬山市長を初めとした市役所の方々の並々ならぬご尽力があったからこそ導入になりました。
私が全て行ったわけではないこと、そして私、田中自身が動いた内容のみしか書けません。その為、私個人の功績ではないことをご理解してからお読みください。一部思い出しながら書くので正確性は欠けます。少しフィクションも入っていると思ってください。
同じことをしたからと言って必ず再現するとは限りません。
今回、お話しするのはどのように説明したのかと、行動のみです。スキルやテクニックの紹介にはなっていません。その為、相手次第では同じようなことができるかどうかの再現性は保証できないことをご理解ください。
今回は、私の時系列の語りによる超大作になります。
今回は、私がChatGPTを知ったところから入ります。その為、各目次も作成しますが欲しい情報がすぐに入らないことだけご理解ください。
長い間、お読みくださりありがとうございます!それでは始めますね。
【自己紹介】
改めて、皆様こんにちは。田中悠介です。私は現在、Givin' Backという組織開発や人材開発の研修サービスを提供する会社のバックオフィスメンバーとして2022年12月から活動しています。
この会社ですが、起業家である木下直美さんと一緒に立ち上げから伴奏させていただき、前に所属していた会社との両立が難しくなった為、前職を退職して参加することになりました。
行っている業務は企画から、資料作成などの営業以外の部分をメインに行っています。
軽い経歴
私は、愛知県の犬山市出身で名城大学という日本の大学から、清華大学に留学し医療機器メーカーの営業から新規事業の中国マーケティングを担当。その後に地元のトヨタ系の会社で新規事業の営業企画や営業戦略などを行った後に今の会社に参加しています。
ここでの私の立場は今は正式に参加しているのではなく、ボランティアに近い形で参加している状況です。
その為、自治体にはそれまでに一切関わっていない状況でした。
それが私は以下の行動をしました。
田中が行ったスケジュール
これを見てわかるようにほとんど、動いていました。初めはちょっとした活動が広がっていくのを感じました。
ということで私がどうやって動いたのか、どうしてこうなったのか説明をさせていただきます。
⒈【ChatGPTを知ってから動くまでのお話】
ここでは、ChatGPTを知ってから犬山市長にお会いするまでのお話をします。まずは、ChatGPTを知って可能性に気づくまでのお話です。
【3月27日(月)】TANRENの佐藤さんの紹介でChatGPTを知ることになった
「では、ここで佐藤さんによるChatGPTの可能性について語ってもらいます。」
それは、前田鎌利さんのプレゼンスクールでの状況でした。
私は、自分のスライドのデザインやプレゼンの能力を鍛えた方が良いということを考え、孫正義さんのプレゼンテーションを作成していた前田鎌利さんの研修を受けていました。
このプレゼンの内容も近々、NewsPicksで動画化される予定です。
そして、3月27日(火)のオンラインの当初になかったスケジュールとして講師の中の1名である佐藤さんが、ChatGPTの話がしたいということで急遽組み込まれた内容でした。
佐藤さんの情報は下記です。
佐藤さん:「ChatGPTはやばいですよ。これで簡単にプレゼンのアウトラインが瞬時に起こせて、Canvaにコピペすれば、資料もサクッと出来てしまう。
とにかく、悩んだらChatGPTに聞いてください。全て解決するんですよ。」
とにかく、佐藤さんが楽しそうに話されるので、ほとんど全員が引き込まれた(プレゼンの講師なので、やはり上手)
そして、最後に佐藤さんから「絶対にやるならGPT-4にしたほうが良い」という言葉を話されて、僕はChatGPTに興味を持った。
そして、佐藤さんの話に乗ってみようと思い、ChatGPTをすぐに課金してV4.0にした。
【4月12日(水)】ChatGPTに追加学習をさせて、初めて可能性を学ぶ
とにかく、佐藤さんと同じレベルになろうとして、ChatGPTのことを色々調べたが、全くわからない。
本当に検索以外にどうやって使ったらいいかわからなかった。
約1週間後に、佐藤さんがfacebookで知識をインプットして、営業の壁打ちを行っている事例の写真を公開していた。
佐藤さん:「⚫︎⚫︎さんの理論をChatGPTにインプットして、評価させたら1on1の評価できるようになりました!」
これを見て、私は入力したプロンプトを一から全て同じように打ってみた。
GPT:「あなたの点数は8点でXXを改善した方が良いです。」
私は、少しの道筋に可能性を持って、これが応用でできないかと思った。
そして、キャッチコピーを学習してちゃんとコピーライトができるかどうか試してみた。うまく進んだ。
「なるほど、追加学習することが一番大事なんだ」
私はその内容を全部スクリーンショットしてnoteの記事に書いた。
それが以下だ。
※今でもこの内容は事例の紹介として毎日誰かに見られています。
やっと、少し使いこなせるようになったと思えた。
【4月16日(日)】ゴールシークプロンプトを理解して、無限の可能性を学ぶ
この次に、他人に説明できるようになりたいと思った。
その時にまた、佐藤さんからシュンスケさんの紹介のYoutubeの動画のシェアが今度はfacebookで上がった。
「#ゴールシークプロンプト がやばい!?」
「本当に理解するためには、このゴールシークプロンプトを学べば完璧!」
それで、紹介されたのがゴールシークプロンプトだった。
なんだこれは!そこで紹介されたのは、シュンスケさんのゴールシークプロンプトだったのだ。
私はこのChatGPTの可能性を感じたのだった。
「これって、本家のシュンスケさんの言葉のゴールシークプロンプトを理解できたら、もっとすごいことになるかも」
そこで、私はゴールシークプロンプトと打って、理論を探した。
シュンスケさんの動画に行き着いた。
シュンスケさんの下記の動画、動画時間は1時間で、背筋が凍った。
「でも、これを理解できるようになれば時代には追いつけるよね。」
私は、シュンスケさんのゴールシークプロンプトを理解したいと思った。
まず、コメント欄を見る。
「4〜5回見たら少しわかるようになりました!」
「曖昧なゴールから正しいゴールに導いてもらうということですね!」
頭がクラクラした。4〜5時間見ないと理解できないのか?と思った。しかし、これを見ないと前に進まないと思った。これが運命の出会いだった。
シュンスケさんの言葉を、自分の言葉で考えたら以下だった。
「AIは色んな情報を持っているので、色々な確率で出してくるから、期待されたものが出ない。だから言葉で誘導するのが良い。」
「人間は曖昧な言葉しか出せないから、AIにどういった情報があればゴールに持っていけるのか。そして、アウトプットを出せるのか聞けばいい。」
「ChatGPTは表にも出せるから、表で出してもらうとわかりやすい。」
そして、下記の言葉で締められる。
「上司と部下のコミュニケーションだから、人間との会話と同じと思えば良い」
これを聞いて、ChatGPTの原理がわかった気がした。そして、周囲への伝え方もわかった。
「よし、これで誰とでも話せるぞ!」
私は、可能性を無限に感じた。そして、鎌利さんのプレゼンの宿題を直前にやった為、クラスで最下位の点数になってしまった。
【4月18日(火)】スイーツガーデンの竣工式で犬山市長と初めて会い、絶望した
地元の犬山市は観光都市であり、色々楽しめるスポットがある。
その中でスイーツガーデンという施設が4月18日に正式にオープンして、私が参加することになった。
そこには、名古屋市の河村市長、一宮市の福井副市長に加えて、犬山市の原市長も中心とした周囲での名士達が勢揃いしたイベントだった。
母から「あなたの能力を周囲に知らせる為に、顔を売りなさい。facebookで私と市長は繋がっているから、とにかく顔を覚えてもらいなさい。」
ということで、外で一人で出待ちに近い状況で待機していた。
実は母と原市長は高校の先輩と後輩の関係だった。
母:「犬の散歩ですれ違ったときに、あなたのことだけ伝えておいた。清華大学出身であるということを伝えた」
それをウリに接点を持てということだった。とにかく市長が空いているタイミングを狙う。一瞬で名刺交換を狙うしかなかった。
イベントが終わった。一斉に同じような目的の人たちが市長に名刺交換を行う。
「出遅れた!」と思った僕は逆に最後の列に並んだ。
印象に残るには最初か最後に並ぶしかないと思った。そして、最後に市長と名刺交換を行う。
私:「母がお世話になっております。中国の大学を出た田中です。名刺だけ交換させてください。」
原さん:「あー、話だけは聞いてます。優秀なんだってすごいね。」
原さんは言葉を選びながら、顔を覗き込んで話していた。
私:「ありがとうございます。少しでも犬山に貢献できたらと思ってます。また、お話させてください。」
原さん:「わかりました。よろしくお願いします。」
市長と名刺交換を終えた私はガッツポーズを心の中でした。
「これでいつでも連絡できるぞ」
しかし、名刺を見て驚愕した。
実は市長などの首長達の名刺には個別のメールアドレスや電話番号が書いてないのだ。
僕は、可能性がなくなったことにショックを受けたのだった。
2.【市長とコンタクトを取ってみんなに伝えるまでのお話】
【4月18日(火)】Facebookのメッセンジャーを使って市長へコンタクトをとりに行った
母へ名刺交換ができたことの報告と名刺を見せた。
私:「名刺交換したんだけどさ。名前だけだよ。連絡取りたくても取れないよ」
母:「何言ってるの?つなげただけありがたいと思いなさい。ここから繋げていくのがあなたの役目でしょ。」
そんな無茶なことを言わないで、と思った私はどうやったら連絡が取れるかどうかを考えた。
実は、facebookで母と、原市長が繋がっていることを聞いていたので、もしかしたらメッセンジャーで連絡が取れるのではないか?と思った。
「そうだ。一旦、メッセンジャーで友達申請をして連絡を取ってみよう」
そう思った私は、当日中に原市長に友達申請をして、ご連絡した。
私:「どうしよう!送っちゃったよ。」
母:「送ったら、もう後は待つしかないでしょ。」
送った時間は当日の20:00ごろ
心臓バクバクの状態で中々寝付けなかった。
【4月19日(水)】市長から連絡が来た!でも結局市役所へ連絡が必要に
次の日の朝、送ったことを既に忘れていた頃の自分のメッセンジャーにある通知が来た。
送り主は原市長からだった。驚いた私は、通知の内容をみた。
私:「市長からメッセージがきたよ!」
母:「よかったじゃない。内容がどういった内容なの?」
私は来た返信を緊張しながら、開いた。内容は以下であった。
私は、膝から崩れ落ちそうになった。
ほっとして嬉しかった気持ちと同時に結局やることは市役所へ連絡することだと知ったからだ。
私:「なんだ。やっぱり市役所に連絡必要じゃん」
母:「でも、よかったじゃん。なんとか前に進めたね。」
少しずつだが、前が見えてきた1日だった。そこから私は頭を切り替えた。
【4月21日(金)】市役所に電話して市長に出会う日決定。凱旋気分になる
連絡が来てから2日後に、私は犬山市役所に電話した。めちゃくちゃ緊張した。なぜなら、ただの一市民が市長に市役所で出会うなんて、普通じゃない。しかも、それが本当にできるのか不安だった。
だから、連絡が来てから2日も経ってしまった。その間に東京に出張が入りそこでの活動を言い訳にしていた。名古屋駅についてから電話を行う。
数コールした後に秘書担当に繋がる
秘書の人:「はい。犬山市役所秘書担当です。」
この普通の淡々とした声に普通に余計緊張した。変な人だと思われないようにしないといけないと思った。
田中:「も、も、もしもし。初めまして。私、原市長の高校の先輩である●●(母の名前)の息子である田中悠介です。」
やばい。こんなに噛むなんてあり得ない。
自分のこのたどたどしさは本当に不審者だと思われているんじゃないかと思った。
秘書の人:「市長から聞いております。朝早くで申し訳ないのですが、28日の朝8:45~のご都合はいかがでしょうか?」
市長から聞いております。と聞いた瞬間に緊張が解けたが、朝8:45~って早すぎないか?と頭が混乱していたが、ここで戸惑ってはいけないと思い、即答を行なった。
私:「はい!大丈夫です。その時間に伺います。よろしくお願いします。」
電話が、終わった瞬間に私は一つの関門が終わったことに安堵した。
とにかくここまでできたことを周囲に伝えたかった。
「原市長と面談することになりました。4/28(金)8:45~9:45一発勝負です。」
この内容を大学時代の同級生、母、木下さんに伝えた。
その時の気分は、初めて積み木でお城を作った子供のようなはしゃぎ具合だったと思う。
「すごいじゃん」という反応に自慢したい気持ちを持ちながら、名古屋から犬山への電車に凱旋した気持ちで帰って行った。
【4月22日(土)】プレゼンで上手に伝えるために必要な法則は誰に何を伝えることかわかった。
市長との面談が決まった私に、もう一つの試練があった。
それは、前田鎌利さんのプレゼン講座の最終日が4月24日あるということだった。
ここでは、全員が発表を行う。発表テーマは以下の3つだった
前回の点数が最下位だった私は、なんとか最後は優勝したいという気持ちだった。この内容はNewsPicksで放送される可能性もある。
その為、鎌利さんに過去に共有してもらった資料は動画や、全て目を通した。
その中の一部を紹介する。プレゼンの参考動画であり、確かにとても参考になる。
何がなんでも、逆転したいと思った私は、紹介された動画は全て見た。
そして、仲間でもあり、ライバルであるメンバーのプレゼン動画も全て2回、3回見た。
見た時間は全て等倍速で、時間は20時間を超えていた。
その中で、自分が出たわかりやすくて、引き込まれたプレゼンとは何か?
出て気付いた言葉は以下であった。
そして、発表当日に向けて資料の作成を始めていく。相談先はChatGPTだ。
【4月24日(月)】ChatGPTにプレゼン内容を相談して、市長と会うこと発表することに決める。そして成功する。
自分らしく生きるということを知った私は、感動させるプレゼンにするにはどうしたら良いかChatGPTに問い合わせた。
私:「わかりました。教えてくれた内容を元に私は色々な人と通して、自分らしく生きることが大事だということを知ったという内容にしたいです。その内容でセリフの台本を考えてください。」
私:「なんか感動しないんだよな。わかった。台本で未来の私と話してそれで問いかけてもらって、そのことに気づくという劇にしたい。それで台本を作ってください。」
セリフが出てきた。長いから割愛する。まだ感動できない。おかしい。ここでも、自分で気付いた。そもそも自分らしくが何か決まっていないということだ。
そして、AIには感動は作れないと思った。その部分がむしろ伝えることだと思った。
この成功体験を胸に、市長へ話すためのプレゼンを考えることに決めた。
3.【市長への発表資料を作ることから市長に発表するまでのお話】
【4月26日(水)】市長へ話すことはその時に始めてChatGPTに決める。キャッチフレーズは「日本で上位0.3%のGPT使い」
自分の中でプレゼンが成功した自信を胸に、今度は市長へのプレゼンを行う内容を決めなければいけない。
そのためには必要なことは、「何を伝えるか」だ。
絶対に、今の段階では話が終わった後にうやむやで終わる。
自分は、犬山市や市長にとって有用な人物にならなければならない。
自分の特徴を自問自答した。
「えーっと、新規事業のマーケティングでしょ。キャリア支援や金券ショップの役員とかあるけど、どれも刺さらないだろうな。」
やはり、ここの中で時流としてあるのはChatGPTだ。
どういったものか、触ったことがある人は複数いるだろうがまだ、未知なものであろう。ここの中でどういったものかわかるようにしなければならない。
どうしたらChatGPTの説明ですごいと思えるのか、考えた。
そこで思いついたのが、彼らが調べごとをしている流れから、更に深掘りができて、答えまで出せるようにすることだ。
ここまでの流れを見せると彼らからは、一気に新しいゾーンまで開けると思った。これができるとみんなが入れたいという希望を持てるだろうと思った。
更に自分に集中して質問が来るようにしたい。その時に考える。
ChatGPTのニュースを調べる。サムアルトマンが来日した記事を見た。日本では100万人の人が使っていることの発表だった。
「これって日本の人口で1%じゃん。今後増えるかもしれないけど、これ使えそうだ。」
更に有料版を使っている人の割合をみた。3割ぐらいだ。
「なら1%の3割って0.3%じゃん。これって上位0.3%って名乗ってもいいんじゃない?」
おそらく、これはスピード勝負だ。この肩書きも少ししか使えない。でも、かなり響くし、説得性も希少性も高い。
そして、2日前に他の内容で自分のことを更に能力の高い人物であることを伝えたいと思い、NewsPicksの人材開発における記事を書いた。
これも偶然、自分の中ではバズった。多くのビジネス記者達からいいねが集まった。
私は、もうこの路線で行くことを決めた。そしてこの流れで市長に説明に行くことを決めた。
【4月28日(金)】いよいよ市長との面談。市長の登場方法で初めに面食らう
ついに4月28日の早朝、市長とお会いする当日の朝6時、いつもより早く起きた。
明らかに緊張と高揚はしていた。緊張した私は予定の10分前に到着しようと思い、早めに出る予定だったが、準備がギリギリで手間取った。
本当は歩きながら、話す内容を練り直す予定だったが、自転車で行くことになる。予定は失敗している。
自分の話す構成は以下だ。
時間は10分前に到着、現地での準備もうまくできず、ワタワタした。
私:「すみません。市長と8:45〜から面談の田中です。」
市:「お話は聞いております。案内しますね。」
案内されたのは市長室の横の場所の応接室10名以上は座ることができる。
かなり大きな部屋で、歴代の市長の写真があった。
窓はとても広く、日光を大きく取り入れることができる。勝手に偉くなった気分だ。ここで、市長と話すのか。と思うと気が引き締まった。
PCを置き、準備をした時に驚きの事実が発覚する。なんとモニターがないのだ。
「え?どうしよう。こうなったら広い会議室でPCを見せながらやるということをしないといけないのか。」
勝手にアウェーの雰囲気を感じている。私はここでビビりながら、だけどバレないように話をした。
私:「すみません。モニターがあると嬉しいので、ここでお願いできますか?」
市:「わかりました。用意しますね。HDMIケーブルで良いでしょうか。」
私:「はい!お願いします。」
この回答を受けた時に少しずつ、ハードルを超えているのがわかる。
なんとか、準備を整えた。
「よし。頭の中で整えることができた。市長と話す準備はできたぞ。いつでも来てください。」
そう思った時に市長が入ってきた。
それは、応接室正面の入り口ではなくて、横の扉からだった。
かなりの唐突さに驚いた。私はパニックになる。
原さん:「朝早くからごめんね。今日はありがとう」
私:「いえいえ。こちらこそありがとうございます。」
原さん:「わざわざモニターを用意してくれたんだね。ありがとう。」
私:「この方が説明しやすいと思いまして、本日はよろしくお願いします。」
パニックのため、おそらくこのような話だったと思う。記憶で書いている。
ドラクエの「身構えるより早く襲いかかってきた」という言葉が出てきたレベルだった。
私は冷静さを取り戻す必要があった。だって、市長という首長がまさかこんなにフットワーク入ってくると思わなかったのだから
【4月28日(金)】市長への自己紹介とChatGPTの画面を見せる。何かが始まる予感を思わせ、1名は席を立ち始めた。
パニックになっている自分は、冷静になろうとした。
「自分は準備は十分できているはずだ。何度も頭で反復しただろう。」
頭で、言い聞かせて落ち着いて前を見た。
「よし。始めよう。もう大丈夫だ。」
私は、冷静になり、少し緊張を持って始めることができた。
原さんの顔を見る。原さんは様子を見ながら、言葉を選んでいるように思えた。
私:「ありがとうございます。今日はお忙しい中ありがとうございます。また、お時間くださり嬉しいです!」
原さん:「こちらこそ、ありがとう。」
私:「今回、アジェンダと資料を用意しました。」
原さん:「そうなんだね。」
アジェンダの資料を見せる。詳細は伝えられないが概ねは以下の内容だ。
私:「この流れで行きたいです。私を知ってから何ができるかの話をしたいと思います。」
原さん:「はい。よろしくお願いします。」
私:「まずは、原さんに自己紹介をさせていただきます。ちなみにChatGPTのことはご存知ですか?」
原さん:「名前だけは知っているけど、あまり詳しくわからないよ。その時には担当者呼ぶね。」
私:「わかりました。その部分についてもお話しできたらと思います。」
私は自己紹介を行う。
私:「犬山市出身で名城大学から清華大学を出ました。」
原さん:「おお、すごいね。」
私:「ありがとうございます!」
このペースでお話を進めていく。概要は以下である。
ここの自己紹介が終わった後に、原さんに質問する。
私:「ここで、気になった話や興味あるところはありますか?」
原さん:「いや、特にはないかな。」
そりゃそうだよな。と私は思った。この時に時計を見る。10分経過していた。この話を10分も聞いてくれたのかと思うと、頭が下がる気持ちだ。
この段階で、8個のテーマの内3つが終わっている。ここでAIの話に一切興味を持たれなかったら、30分で終わってしまう。
ここで、私は自分の中で少し賭けに出た。ここで例のキャッチコピーを使うことにした。
私:「ありがとうございます。ここからAIの話をしますね。ちなみに原さんはChatGPTについてどこまでご存知ですか?」
原さん:「いやー、話だけは聞いているけど何かすごいというレベルであまり知らないんだ。」
私:「そうですよね。実は私、ChaTGPTの可能性についてとても感じており、日本で上位0.3%ぐらいのChatGPTを扱える人間なんです。ここでその可能性を一度市長に見てもらいたいのでお願いできますか。」
原さん:「そうなんだ。でも私はコンピュータに疎いところがあるから、少し詳しい人間を呼んでくるね。」
原さんは職員の方を2名呼ばれていた。原さんの経歴はご存知の方もいるかもしれないが、下記にWikipediaも掲載していく。
市長は、日本体育大学でどちらかというと体育会系だ。私はその正反対の路線で行こうということもあって、異質に感じたのかもしれない。
職員の方が2名いらっしゃった。名刺交換を行った後にお二人に説明した。
※二人の話を一人分に統合して説明します。
私:「私はChatGPTを使いこなせる方でして、この可能性を原さんにアピールしにきました。お二方はChatGPTは使われますか?」
市:「いえ。携帯で触る程度になっています。なんとなく、まとめたものが出てくるというのはニュースでは、見ています。それくらいの知識です。」
私:「わかりました。少し可能性を見てもらえたらと思います。」
私はそういって、ChatGPTの画面を開いた。
原さんと職員の方2名は何かが起きるだろうという予感は感じていたのだろう。画面に注目していた。
私は、この言葉から始める。
私:「これがChatGPTの画面で、今回は一番最新版のV4.0を使います。ここにまず、ChatGPTへ問いかけます。ChatGPTに何ができますか?これに反応をみましょう。」
そこで見せた画面に、職員の1名が立ち上がった。そして、市長は携帯を取り出した。
この流れを見た瞬間に私は今回のお話はうまくいったということを確信した。
【4月28日(金)】ChatGPTが出す魔法のような姿に。市役所は多くの可能性を感じていた。
私は、ChatGPTに入力を行った。
「chatGPTは市の政策にどのように役に立つの?」
ChatGPTは10秒ほど待機した後に下記に回答した。
実際に下記が見せた画面だ。
1名の奥に座っていた職員の方が前に向かって立ち出す。
「これだけで驚いてもらっては困る」
私は心の中でそう思いながら話す。
市:「え?これってすごくない。」
原さん:「・・・・」
私:「これが一回目のChatGPTの回答です。」
市:「でも、これって一般的な回答ですね。」
私:「そうですよね。ここからが、私のすごいところとChatGPTのすごいとこをお見せします。」
ここで私は音声入力に切り替える。
私:「ありがとうございます。この中のデータ入力というところを詳しく教えてください。あと一つ条件を加えます。名古屋市の人口7万人のベッドタウンの場合はどういったデータ分析が有効ですか?」
ChatGPTは回答する
「おお!」
原市長や職員の方から驚きの声が出る。
私:「どうですか。このようにして深掘りができるんですよ。」
原さん:「いや、それよりも今の音声入力やばいよ。」
私:「え?そうなんですか?」
市:「これは市会中継の映像への字幕表示が課題になっていました。これで、かなり解決できそうですが、」
私:「あー、確かに・・・。これの内容を要約してくれってGPTに伝えたらやってくれますよ。」
原市長が携帯を取り出す。
私:「資料はお渡しします。この画面もスクリーンショットにしてお渡ししますよ。役立ててください。」
原さん:「いや、次の予定も考えないといけないけど、これは本当にすごいよ。ここから次の予定がある時に見返したいと思った。」
おそらく、本当に目の前に魔法が広がったのだろうと感じたのだろうと思った。まるで、初めて海外旅行のフラダンスを見た人のような光景だった。
そして、インターネットが始まった時の話を思い出し、imodeができたときも同じような流れがあったんだろうなと思った。
ここで、ようやく市長から笑顔が出る。
原さん:「この人はすごいよ。清華大学を出て、更にこんなことができる人物を生かさない手はは無いよ。」
私:「ありがとうございます。実は、私最近孫正義さんの資料を作っている前田鎌利さんのプレゼン大会に出てかなりの高評価をもらったんです。」
職員の方々は目を丸くする。ここで1名の方がお話した。
市:「でも、ChatGPTのデータというのはどこから参照しているんですか?それがわからないと市としては使いづらいです。」
私:「クラウドで集めていると思います。一旦、ChatGPTに聞いてみましょうか。」
市:「そうか。確かに本人に聞けばいいんだ。」
私:「これが回答です。」
市:「これすごいですね。」
私:「最後に犬山市が若者の街にするにはどうしたら良いか聞きましょうか。」
そこの内容は割愛するが、そこで出た内容にも衝撃を受けていた。
市長がまた、写真を撮っており、夢中になっている姿が嬉しかった。
私は最後に加える。
ここの言葉の余韻に自分は浸っていた。よくここまでうまくスラスラ言えたなと思った。この言葉が犬山市の導入の後押しにつながったと思った。
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