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【コラム】孤独と自立の違いについて

孤独と自立と聞いてどんなイメージを持ちますでしょうか。
多くの人は孤独といえばネガティブなイメージがあり、自立と聞けば何となくポジティブなイメージだと思います。ほぼ正解だと思いますし、そこが整理出来たらもう読まなくていいやという方はこの先読み進める必要はないです。

多分この記事を読んだ後にあなたは「孤独のグルメってもはや自立のグルメじゃない?」と思うと思います。

孤独とは、「寂しい」という気持ちを表します。助けを求められない、信頼できないという心も孤独といえるでしょう。
そのため、たとえば大学でたくさんのサークルに入り、さらに仲間の輪を広げたいと思ってインカレサークルまで手を出してしまって周りにたくさんの人がいても、孤独な人って孤独なんだと思います。
結局、孤独を感じるか感じないかって本人の心持ちなんだろうなと思います。

自立とは、赤ちゃんのときに親の手助けがなければ何もできない状態からの脱却をするということです。一言でいえば自己中心的な生き方からの脱却です。残念ながら、私も人のことを言えませんが、まだ自立を目指している人間の一人です。
「こんなかわいそうな私を構ってほしい」「自分の都合を何としても通したい」「他人を信用することができない」こういう考えを持っていると自立できないどころか、どんどんと自己憐憫の深みへとハマってしまい、依存薬物に頼ることになります。

どうすればいいのでしょうか。
それは、自分の価値は自分で決めるということだと思っています。私は「自己満足の人生」と言い換えてもいいのではないかなと思っています。
アルコール依存症界隈でも「己は己、人は人」という言葉がありますが、他人の期待や価値観に合わせて生きているうちは自立ができないということです。

「地元の期待に応えるために甲子園で一勝してきます!」
「東大に合格して親に恩返しするんです」
「絶対に社費留学の選考に残るためにこの案件決まるんだ」
「人に迷惑をかけないように生きないといけない」
「絶対あいつだけは許せない、絶対いつか復讐してやる」

まあよく聞くようなフレーズですよね。これらは全部自分の人生を歩いていないもんだと思います。たとえ甲子園に行ったり、東大に合格できたり、社費で海外留学に行けるような実績を出したとしてもそれは祝福されることではあれど、それと人の価値というものはそもそも切り離して考えないといけないものだと思います。

分かりやすく2つ例を挙げて大学受験の話をしますが・・・。
①A君とB君がいて定期テストではA君が全然いつも勝っていたけど、最終的に希望の大学にはB君が合格して、A君はB君より偏差値が低い大学に行くことになりました。
②C君は小中高大一貫校の小学から入学して劣等生でしたが、でもなんとかエスカレーターで大学にあがりました。それに対してD君は元々公立高校出身でしたが村の神童と呼ばれて学費免除でC君と同じ大学に合格しました。
さて、A君とB君またはC君とD君どちらが優秀でしょうか?という話になります。
結論は、「第三者が判断できる話じゃないし、そもそも比較するもんじゃない」ということになります。
自立というのは結局主観的なものです。「俺はこれが分ってこれが分らない」というそれがすべてなのです。

受験というシステムのために学生には受験ゲームで順位をつけていますが、そもそもすべてのことにおいて、自分の価値は自分で決め、自分の価値は自分で意味づけしていくしかないのです。

それなのに人は何かにすがって依存したがります。自立を拒んで孤独へと歩みを深めていきます。
なぜ孤独を感じてしまうのかというと、集団の中では周りから浮いている人だと思われたくないからだとか、仲良くなろうと話しかけに行って突っぱねられたらどうしようとかいろいろ考えることはあるのでしょう。
でも、集団から浮いていると判断する人もいれば、落ち着いている人だと判断する人もいます。話しかけた人全員があなたを受け入れてくれるわけではないし、悩んでその結果が変わるわけでもありません。

順位の話に戻すと、その順位付けしてくれるレースから降りたときその人は孤独感を感じます。その共同体に依存をしていたからです。実績は十分だったかもしれませんが、人間的には何歳になっても赤ちゃんと同じ自立できない孤独な人ということになります。

これまでの考え方生き方を変えるのは大変なことですが、自分の行動の意味価値、自分の存在意義価値は自分で決めましょう。突き詰めて目の前のことに集中していればそんなことを考える余裕もなく人生は充実してくると思います。

孤独のグルメの主人公である井之頭五郎さんは下戸で酒も飲めず、一人で輸入商を商っていますが、全然孤独感を感じませんよね。
一見さんなのにもかかわらず、常連のお客さん、店主、料理とつながりを感じることで、彼は全く寂しさを感じていません。むしろ、その一人の身軽さを楽しんでいるようです。

あんな生き方をしてみたいですね。
もともと吉田類の酒場放浪記が好きでしたが、アル中になったことをきっかけに孤独のグルメにハマり始めました。

ご相談ご質問はななにいにtwitterまでお願いします。


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