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1週間の振り返り(48/52週目)

現実とどう向き合えばよいのか分からない。

振り返り

忘れもしない、水曜日のお昼。自分は練習が終わって会社に向かう電車の中にいた。乗り換えの駅まであと少しというところで家人から電話が入る。電車の中なので自分は電話に出ることができない。あと数分で折り返すから少し待ってとメッセージを投げると、家人から短く簡潔な内容で緊急事態を知らせる返信が来た。

ああ、手のひらの中でこぼれないように大切に大切に包み込んでいた新しいいのちが、指の隙間から流れ出てどこかにいってしまった。どんよりとした重い鉛が腹の中に流れ込む感覚。いやいや、にわかには信じがたい。よくよく話を聞くとまだ確定したことではないらしい。1週間後に再検査をすることになった。この1週間で状態が回復するかもしれない。この日の診察が間違っていただけかもしれない。だけど、冷静になればなるほど、この時間は覚悟を決める猶予期間であるのだと思えてくる。

わずかしかない希望にすがりたい気持ちと、期待すれば傷つくのだから諦めた方がマシだという気持ちの間を行ったり来たりした。自分でこんな状態になったのだから家人のダメージは計り知れない。その日は、乗り換える駅で、会社方面ではなく家方面に向かう電車に乗って帰路についた。

帰りの電車で調べれば調べるほど希望が少ないという事実を突きつけられる。これは覚悟をしなければいけないな、と腹をくくった。もう、何があっても驚かない。心配なのは母体の状態だ。身体はもちろん、精神的なダメージは自分の想像を超えて大きいはずであって、自分にできることは何なのか考えた。考えたが...、自分ができることは悲しいほど少ない。

ああ、あなたはいったい何のために私たちのもとにやってきたの?何を教えるため?お空に帰るにはあまりにも早すぎない??

家に着いたら傷ついたパートナーがいた。自分はそばに居ることしかできない。無力だ。

住んでいる場所とか家の大きさとか財産の量とか、こういった類のものは身体の健康と健全な精神を前にしたら、どうでもよいことなのだなと心底思った。身体が健康で笑いのある生活を送ることが第一であって、物質的な成功は後回しでもよいのでないかな。いや、これは極端すぎるだろう。精神的な理想が先行してしまい現実的な力が足りずに理想と現実のギャップに苦しむのが今までの自分のパターンだったのだから、大切なのは現実的な力を蓄えつつ、精神的な理想を追求することだと思う。このバランス感覚が崩れたら、たぶん理想とする自分にはたどり着けない。

いったいなにを教えるためにやってきたのか?
まだまだ模索中だけど、こんなところだと感じている。
家人を大切にせよ。人生は短く尊い。自分の可能性を信じよ。やれば必ず実現できる。 浮ついたことに気をやってる場合じゃないぞ。

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普段通りに過ごしたほうがよかろうということで、自分は次の日から通常運行に戻った。競技をしている間は、現実的な問題から離れることができる。それにしても、今年はいろいろなことがあったなあ。あと少しで新年度が始まる。

読んだもの・観たもの

特になし。広く手を出しすぎている感じがする。


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