「学習支援者」とはどのような存在か

 こんばんは、MQ代表社員のぴろ@教育大学大学院です。

 「学習支援者」とは何でしょう?私が考える「学習支援者」とは、学習者を理解し、学習者が自ら学ぼうとする姿勢を助け、伴走する存在であると言えるのではないのでは、と考えます。
 明治時代から小学校に導入されたのは、欧米列強に軍事的にも経済的にも負けない近代国家を早期に樹立すべく、国民に等しい初等教育を施す「一斉指導」でありました。
 しかしながら、高度成長時代、学生運動を経て、これまでの一斉指導ではなく、学習者が自らの経験・体験を元に、同じ思想傾向を持った人間が集まり、それぞれがお互いを教え、学び合う「ワークショップ」というスタイルが出来上がってきました。
 また一方で、J・デューイの「日常生活と教育は密接している」という考えが、ワークショップに関する考えに大きな影響を及ぼしていると考えられます。
 日本においても、学校、企業、宗教などのみならず、性別についても自分の「所属」について限定されずとも生きていくことが可能になっている社会へと急激に変化してます。一方で「ワークショップ」という日常生活における思想に基づいた「所属」という考え方も一般的になっているように感じられます。
 今後、より「一斉指導」から「ワークショップ」的な学習方法により変わっていくのであれば、学習に関する上下関係は薄くなり、極端に言えば、「子ども」が「大人」の先生になることもあり得る世界になると考えられます。
 学校教育と日常生活で必要なスキルが乖離していると言われることが多い現在、学習者それぞれ日常生活に紐づけられた個別最適化された「学び」を自ら組み立てていく必要が出てくるであろうし、その手がかりとしての「ワークショップ」的な学び方もより進んでいくのは想像に難くありません。
 その中で学習者にとって必要なのは、学習者に必要な学習内容を「教える」のではなく、「コーディネートする」サポーターであり、それが学習者が自ら学ぼうとする姿勢を助け、伴走する存在であると考えます。

Written by ぴろ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?