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あなたの一言が誰かの人生を変える


正直、今回は書くかどうかすごく迷いました。
なぜなら私がいちばん触れられたくない、人生最大のコンプレックスについての話だからです。
それでもこうして公開するのは、ライブ配信を視聴するリスナーさん含め、誰かしら他人と関わり、発言する全ての人々に自覚してほしいからです。
あなたの一言が、誰かの人生を変えるかもしれないのだと。

私のコンプレックス

突然ですが、皆さんにはコンプレックスはありますか?

顔や身体のパーツ、学歴、仕事、性格、家族など、コンプレックスがひとつも無い人はあまり居ないのではないでしょうか。
斯く言う私は、コンプレックスまみれの、自分の全てが嫌いで他人の全てを羨ましく感じる、妬み嫉みを煮詰めたコンプレックス妖怪です。

私がどのくらいコンプレックス妖怪かと言うと、仲良しのライバーさんが「リスナーさんを四字熟語で表現する」という企画をしたときに「自己否定」という四字熟語を付けられたくらいです・・・。
そんな私がよりにもよってライバーという、自分と向き合わなければならないお仕事を続ける理由については、以前書いたこちらのnoteを読んでみてください。

誰でもおそらくひとつくらいは自分の嫌いなところがあると思いますが、私には嫌いなところが数えきれないほどたくさんあります。
丸顔なところが嫌い。二重まぶたになりたかった。
身長もあと10センチ高くなりたかったし、もっと太りにくい体質が良かった。
会社員を続けられなかったくらい心が弱い。
あまり親に大切にされなかったから、家族仲のいい人を見ると強烈な劣等感に襲われる。

もっと人に素直に甘えられる可愛げのある性格になりたかったし、なによりも、自分のことを好きでいられる自己肯定感が欲しかった。

まだまだ自分の嫌いなところを列挙しようとすると際限がありません。

しかし、今挙げたコンプレックスなんてどうでも良く感じるほど強烈な、嫌で嫌でしょうがないコンプレックスがひとつありました。

ホクロです。
私の鼻の下にはホクロがありました。
乳児の頃には既にあったようで、幼少期の写真には既にホクロが写っています。

子供の頃の私は、自分の顔が美しいとか美しくないとか、気にしたことがありませんでした。
もちろん、鏡を見て、自分の鼻の下にホクロがあることは認識していましたが、特に何とも思っていませんでした。

そんな私が自分のホクロを嫌いになったのは、小学1年生の頃です。

以前のnoteに書いた通り、当時の私は、母親とその恋人と3人暮らしで、その母親の恋人から暴力や暴言を受ける日々を過ごしていました。
そして、この男性は私の外見に関してもよくからかっていました。
ブス、デブなどといったありきたりな悪口はよくありました。そんな中で言われたもののひとつが、ホクロについて。
鼻の下という位置から、鼻くそ付いてるぞ、なんて言われてバカにされていました。

子供だった私は、毎日のように浴びせられる暴言に洗脳されたのだと思います。
未だに自分の外見には全く自信がありません。
今こうして書いていても、ホクロの話をするのは裸を見られるより恥ずかしいような気持ちです。

それほどの強烈なコンプレックスが顔という誰からも見られる場所に存在している気持ち、想像してみてください。
鏡を見るのも嫌になりませんか?
それでも私は、自分で選んだライバーという仕事で、毎日自分の顔と何時間も向き合い(配信中は画面に自分の顔が映っている)、不特定多数に顔を晒してきました。

勝手に批評される、私の外見

配信していると、毎日沢山の「頼んでもないのに私の外見を勝手に批評してくる人」と出会います。

可愛いですね、綺麗だねと言われることもあれば、いわゆるアンチコメントをされることもあります。

ブスとかデブとか言われたこともありますし、その顔で生きてて恥ずかしくないんですか?なんて言葉を浴びせられたこともあります。
しかし、一番傷付くアンチコメントは、やっぱりホクロについてです。
なんか付いてますよ、とか、人前に出るなら鼻くそは取ってからにしましょうね、なんて言われたこともあります。

そのホクロ可愛いですね、と言われることもあるのですが、元々コンプレックスだったホクロは、配信を始めてからこのようなアンチコメントによって更に強いコンプレックスとなっていて、褒められることにすら嫌悪感がありました。
ホクロについての話題に触れられることすら不快で不快で仕方ない。

そして、配信していてこういった「頼んでもないのに勝手に人の外見を批評する人」に出会う度、疑問に思うことがありました。
この人たちは、匿名だからこういうコメントをするのだろうか、ということです。
なぜなら、今まで私が生きてきて、母親の恋人のような特殊な例を除いて、面と向かって私の外見に関して勝手な批評をしてくる人には極々少数しか出会ったことが無いからです。
それが何故か、配信していると明らかに現実世界より高確率で「勝手に人の外見評論家」に出会うのです。

人はスマートフォンを介すと、画面の向こうに居るのが心をもった生身の人間であると忘れてしまうのでしょうか。
匿名であることで気が大きくなるのでしょうか。

あなたの一言が誰かの人生を変える

さて、ここまで読んでくださった方はおそらく「そんなに嫌なら取ればいいじゃん」と思うでしょう。

そうです。私はホクロを取ることにしました。
アンチがいじりやすいような特徴をわざわざ顔に付けてなくていいや、ストレッサーは少ない方が精神衛生上いいな、と思ったからです。

芸能人やYouTuber達の間では「アンチコメントはスルー」が鉄則です。
気にしないが一番。相手にしないのが一番。

私も心の中にひろゆきを飼っていて、ブスと言われようが可愛いと言われようが「それってあなたの感想ですよね?」と受け流せればよかったのかもしれません。
でも残念ながら私の心の中にひろゆきは住んでくれないし、元々コンプレックスだったものを誰かも分からない人から馬鹿にされるのは耐えられなかったです。

でも、どうして不快なことを言われた側がじっと黙って我慢しなければならないのですか?
どうして頼んでもないのにすれ違いざまに批評された側が変わらなきゃならないのですか?
スルーしたってそのコメントは目に入っています。
反応しなくたって投げかけられたその言葉はずっと覚えていて心の中で呪いになっています。

私がこのホクロを嫌いになった理由は、他人から馬鹿にされたからです。
私がこのホクロを取ろうと思った理由は、他人から馬鹿にされたからです。

きっと私は、子どもだったあの日、馬鹿にされていなかったら、自分のホクロをここまで気にしていなかった。
きっと私は、配信中にアンチから馬鹿にされなければ、このホクロを取る決断をしなかった。

あなたたちの軽く放った一言が、私の人生を変えたんですよ。

これを読んでくださっている方にお願いです。
他人の外見や、学歴や、仕事等々、その人のアイデンティティを軽々しく勝手に批評しないでください。
ネット上なら何を言ってもいいと思わないでください。
親しい関係なら何を言っても許されると思わないでください。

悪気は無くともライバーさんに、友人に、同僚に、親や子に「最近太った?」なんて聞いた事がある人も多いのではないでしょうか。

その一言が、誰かを傷付けるかもしれない。
その一言が、誰かのコンプレックスを生み出すかもしれない。
その一言が、誰かに呪いを掛けてしまうかもしれないのです。

どこの誰かも知らない人からのアンチコメントにより、しなくてもよかったはずの決断をすることになった私のこの言葉が、どこの誰かも知らないあなたの心に届きますように。

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