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死にたかった私が、ライバーになったワケ

2022年1月8日で私がライバーとして初めて配信をしてから1年が経過します。1年前の私はまさか今もライバーを続けているとは想像もしていませんでした。

折角なので、これからも何か投稿するのか、それともこの1本で終わりになるのかわからないけれど、私がライバーを続けている理由を形に残してみようと思います。

そのためには私の半生を振り返る必要があって、楽しい話にはならないし、長くなるし、書くかどうか迷ったけれど、きっと未来の自分のためにもなると思うから。
そして何より、応援してくれるリスナーの皆様に、この1年の感謝の気持ちを込めて。
……普段のふざけたキャラとのギャップに引かないでね?笑

2021年1月8日


この日はとても寒く、九州にしては珍しく雪が降っていました。

その雪の中、私は待ち合わせしていたライバー事務所の人と契約手続きをして、その場でポコチャのアプリをインストールしました。
ランクやメーターについて簡単な説明を受けたけれど、一度に覚えることは出来ませんでした。

やっていればそのうち慣れるよ、と言われ、帰宅した私は、アイコン用に慣れない自撮りをして、そのまま配信ボタンを押したのでした。

いっちばん最初のアイコン!懐かしくない?😂
たぶん人生で初めてまともにした自撮り。笑

それまで配信なんてしたことも見たことも無く、スマホスタンドすら持っていません。確か本を何冊か重ねて作った即席のスマホスタンドで、2時間ほど配信したと思います。
初配信、赤青ボックス目当てのリスナーが流す大量のキラコメを、キラコメの文化を知らない私は「綺麗だなあ」と眺め「BOX失礼します」というコメントに「BOXて何ですか?」と返す。

こうして私はこの日、右も左も分からないまま、ライバーになりました。


むかーしむかしの話


私は小学校~高校まで、母とその彼氏と同居していました。
母は私が物心ついた頃からメンタルに持病があり、私の記憶の中の母はいつも寝ているかトイレで吐いていて、
母の彼氏は私を頻繁に殴り、蹴り、私の人格を否定しました。
読んだ人が絶対に不快になる内容なのでちょっと詳細は書きませんが、まあ、テレビでありがちな設定だよね笑

そんな家庭で育った私は、実家から逃れるために地元から離れた大学に進学すると、小学生の頃から決めていました。
小学生の頃から何度も、下校中に歩道橋から下を見下ろして飛び降りようと考えたけど、18歳になるまで我慢すれば解放されるんだって自分に言い聞かせて耐えてきました。

大学に進学するため、地元で名前を出せば頭が良いねと言われる程度の高校に入学しました。
私が夜中に勉強していると電気代がもったいないと言われ、部屋の勉強机でスタンドライトの明かりのみで夕飯のコンビニ弁当を食べ、暗がりの中で宿題をする日々。

受験料もまともに出してもらえなかったから、滑り止めの私立大学受験は無し、当然浪人させてもらえる状況でも無いので、絶対に受かるレベルの公立大学を受験しました。

耐えて耐えて、やっと解放された、そう思ったのに。

大学に入学しひとり暮らしを始めた私は、バイトを3つ掛け持ちし、生活費を稼ぎながらバイトの合間に大学に通う生活をしていました。

忙しかったし、電気もガスもスマホ代も払えなくて止まったけれど、自分のお金で生きている。
もう「金を稼いでない養われている立場の人間に意見する権利はない」なんて言われなくていい。
自由なんだ。
そう思っていたのに。

この頃から、実家に居た頃の夢をみるようになりました。
忘れた頃に殴られる夢をみて泣いて起きる。
テレビで虐待のニュースを目にすると動悸がする。
幸せそうな家族がテーマの物語を見るとなんだか口の中が苦くなる。

10年も思い描いてきたはずの生活なのに、やっと自由になれたのに、私はあの頃の記憶にいつまで縛られているんだ。
いつまで悲劇のヒロインでいる気なんだ。
自分が許せなくなって、どんどん自分を嫌いになる。

そして気付きました。

10年間心の支えにしてきたひとり暮らしという夢が叶ってしまって、空っぽなんだなって。
その後の人生のことなんて考えたことがなかった。考える余裕がなかったからです。

あれ、私、これから楽しく人生を過ごせると思っていたのに、この先どうやって生きていけばいいのかな。
なんで生きているんだろう。

自分が生きている理由を考えると、苦しかった日々のことが蘇ってきて、死にたくなりました。

私さえいなければ。
私は邪魔だから。
何のために生きているんだろう。

心の片隅で常にそんなことを考えながら、でも、もしかしたら社会人になれば何か変わるのかもしれない、なんて、未来に縋ってみたりしました。

ここまで読めば分かるでしょうが、私は今まで一度も「大人になって働いている自分」を想像したことがありませんでした。
将来の夢なんて持てなかったからです。
だからなんとなく地元で就活をして、最初に内定をもらった会社に入社しました。


会社員時代の話


大学を卒業した私は、良くいえば歴史のある、悪くいえば古い会社で働いていました。

しかし、最低賃金が東京と比べて200円以上も低い地方都市の大卒総合職、サビ残というやつで基本給だけを貰う日々。手取りの給料は14万弱。
地元で就職したとはいえ、実家に帰ることは出来ないため、ひとり暮らしをするしかありません。

社会人1年目の秋からは奨学金の返済も始まりました。高校、大学と奨学金を利用して進学していた私。その総額、約700万円。月々の返済は約3万円になります。

とてもやって行ける状態では無いので、週に一度スナックでバイトをしていました。(今も続けています)

会社員時代の私、メイクも服もおとなしめでしょ!笑

2020年、社会人3年目の秋、バイト先のスナックのお客様から紹介されたのが、ライバー事務所の方でした。

「個人事業主で色々な事業をやっているが、ライブ配信事業を始めようと思っていて、ライバーを探している」

そう言われても、あーイチナナとか?なんか聞いたことあるなあ。くらいにしか思わなかったし、
私は根暗でインドア派。ネット上で顔を出して不特定多数と喋るなんて有り得ないと思っていました。


「今は会社員だから時間も無いし、会社を辞めたら考えますね」

そう答えたこの時点で、年末に会社を辞めることが決まっていました。
生活が出来ないくらいの給料のために毎日決まった時間に出勤し、古い体質の会社に従うのがしんどくなったからです。
そして何よりも、男性の少し大きな声を聞くだけでフラッシュバックが起きて身体が固まってしまう私にとって、沸点の低い男性上司の下で働き続けることに限界が来ていました。

次の就職先を探す気力はありませんでした。
退職金も無し、奨学金返済をしていたため貯金もありません。
社会人になっても、やっぱり私は未来のことを考えられませんでした。


少し生きることにしたから


今だから言えることですが、私は会社を辞めたら死のうと思っていました

私は大学時代から精神科に通院していて、複雑性PTSDと診断されています。
(眞子さまが診断されたとかで認知度上がりましたよね)

学生時代からフラッシュバックや自己肯定感の低さにずっと悩んでいたけれど、会社員になり男性上司と働いたことなどで悪化していました。

怖くて実家の建物に近付くことが出来ない(回避)、常に神経が張っていて大きな物音に異常に驚く(過覚醒)などの症状も酷くなり、
毎日会社に行って帰るだけで酷く疲れ、休みの日は疲れを取るために泥のように眠るだけ。

もう疲れた。もう私は充分頑張ったでしょ!
少しでも迷惑を掛けないようにと、引き継ぎをしてから退職し、部屋を片付け、それから死のうって、そう思っていました。

でも、ふと考えました。
せめて最後に何か楽しいことがしたい。
本当に全財産が尽きて首が回らなくなったら死のう。それまでニート生活を楽しんでみようかな。

少し小遣い稼ぎでもするか。でも死ぬためにバイトするなんて変だな。
そして思いだしたのが、配信でした。
やってみるか。
画面越しでおじさん達と話すだけで時給出るらしいし。いつでも辞められるし。

こんなお粗末な理由で私はライバーになることを決意したのでした。


初めて出来た目標


順位が付くことで燃える傾向にある負けず嫌いな性格の私は、ポコチャ特有のランクやメーターの制度のおかげでどんどん配信の世界にはまっていきました。

自然と死にたいと思う回数が減り、というか毎日の配信やメーターのことで頭がいっぱいで、死にたいと考える暇が無くなりました。
小遣い稼ぎでも出来ればいいやと思っていたはずなのに、いつの間にか、ランクを上げたいと思う気持ちが出てきていました。

誕生日もリスナーさん達に祝ってもらいました。
私が生まれてきたことを、画面越しでしか話したことのない人達がおめでとうと祝ってくれる。
無課金の人がコツコツとこの日のためにコインを貯めて、1080コインのバースデーアイテムを投げてくれる。

イベントに出たら、仲良くしてくれているライバーさん達が何人も自分のファミリーで私の宣伝をしてくれる。


本当に、今だから言えることだけれど、あのときすぐ死ななくてよかったなって思いました。

だんだん通ってくれるリスナーさんの人数が増え、推しマークを付けてくれるリスナーさんが現れ、ランクが上がるにつれ、一度でいいからS帯に上がってみたいと思いました。

それと同時に悩みました。
私がランクを上げたいと宣言することは、リスナーさんにアイテムを投げろと言うのと同義。
私のような美人でもない一般人が、それだけの価値のある配信を出来ているのか。
リスナーさんに無理をさせて、私なんかにお金を使わせていいのか。
ここでもやはり、自己肯定感の低さと、長年刷り込まれた「お前なんて無価値だ」という言葉が邪魔をしました。

それでも、夢を持てなかった私の、ずっと死にたかった私のようやく出来た目標だったから。
リスナーさん達に「S帯に上がってみたいんだ」と伝えると、沢山応援してもらえて、その日の応援ポイント1位でS帯に上がれました。
2021年9月13日、あの日の私はとても幸せでした。

感情表現下手だけどすごくすごく嬉しかったんだよ


私が今日も配信するのは


もう、それで満足でした。
やり切ったと思いました。

また会社員をしようかとも考えました。
けれども未だに通院している私がどこかの会社で働いても、また同じことを繰り返すのではないかと思うと不安でした。

すごく悩んだけれど、配信を続けることにしました。

私は大袈裟でもなんでもなく、ライブ配信で人生が変わりました。
きっとあの日配信していなければ、今頃私は死んでいたでしょう。
画面越しで私と話してくれるライバーさん達が、私を応援してくれるリスナーさん達が、私を今日まで生かしてくれています。

私はライブ配信というものに出会って人生が変わったけれど、私が誰かの人生を大きく変えたり、救ったり、そんなことが出来るとは思っていません。

ただ、毎日頑張って生きているあなたに、ほんの少しの笑いを、ほんの少しの癒しを、プレゼントできたらいいなと思います。

私のように苦しい人生を送って来た人に寄り添えたらいいなと思います。

今苦しんでいる人に、私のような生き方、働き方もあるって見せられたらと思います。


歌も歌えないし、美人でもない。
アイテムをもらえなきゃ仕事としては成立しないけれど、媚を売るのも可愛くおねだりするのも苦手です。
自分の存在に自信が無いから、他のライバーさんのようにグッズを作ったり自分の写真をプレゼントすることもできません。

それでも、そんな私の配信を楽しい、おもしろいと言ってくれるリスナーさんがいてくれるから。

だから私は、おそらく向いていないけれど、もうしばらく「ライバー」を自称してみようと思います。

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