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<イベント報告>2024夏休みイベントを開催しました!

8月10日(土)、佐竹敦子監督の来日に合わせて、藤沢市のエコストア・パパラギで「マイクロプラスチック・ストーリー アンバサダーズ」の夏休みイベントが行われました。スペシャルゲストは、プロのダイバーで環境活動家の武本匡弘(まさひろ)さん。テーマは「海から見た地球」、つまり海にたまるプラスチックごみのことです。映画とプラスチックの問題に関心のある7名のメンバーが参加してくれました。
今回は、イベントの様子をダイジェストでレポートします。

会場のエコストア パパラギさん
イベントは、2階のコミュニティスペースで開催しました。

佐竹監督のお話し

まずは、佐竹監督のお話しからスタート!

佐竹監督は、ニューヨークの学校を訪れて環境教育を行っています。

子供たちの視点
ニューヨークの子供たちは、「海の動物たちが、人間が捨てるプラスチックで苦しんでいることは、不公平だ!」という視点で環境問題を考えています。この考え方は、海の動物にも家族がいて、動物たちも人間と同じように大切な存在だという意識からきています。

プラスチックゼロ昼食の日
映画で紹介された「プラスチックゼロ昼食の日」は、ニューヨーク市全体に広がり、今ではアメリカの多くの学校で実施されています。これは子どもたちが給食管理部の人々に働きかけた結果です。

映画の影響
佐竹監督の映画は、多くの人に環境問題を理解してもらうために制作されました。特に日本語吹き替え版が作られたことで、以前にも増して、日本でも多くの人に見てもらえるようになりました。

権利の視点と未来への希望
佐竹監督は、子どもたちの「不公平」という考え方や「権利」に対する視点、声を上げることの意味、社会の仕組みを変えることの意義を映画を通じて考えてもらうことが、プラスチック問題だけでなく、社会全体に大きな影響を与えると確信しています。ニューヨークの子どもたちの姿を通じて、より多くの人々に環境問題への関心を持ってもらいたいと考えています。

武本さんからのコメント
ぼくは、映画「マイクロプラスチック・ストーリー」を観て、大変な感銘を受けました。映画の中のキャラクターも魅力的で、特にチェルシー先生や給食のおばちゃんが生き生きとしていると感じました。この映画は、半永久的に長く愛される映画になると思うし、多くの人に観られ、感動を与えることを願っています。

武本さんのお話し
「海から見た地球」プラスチックスープの海

続いて、武本さんからたくさんの映像を使って、気候危機やプラスチック汚染の問題について分かりやすくお話しいただきました。

サンゴの危機
約20年前からサンゴが真っ白になり、死んでいく現象が見られるようになりました。特に沖縄のサンゴは壊滅的で、石垣島周辺ではほぼ全滅しています。なんと、国連では7年ほど前に予測値を出していて、日本周辺海域では、2024年つまり今年にはサンゴがなくなってしまうだろうという予測を出していたんですが、それが現実となってしまいました。これは地球温暖化と気候変動の影響です。

12年前の江の島の海は、こんぶや海藻の森でした。
おととしの同じ場所の様子です。
地球温暖化で海水が高くなって海藻が育たないんです。
このままだと、生物の棲めない「海の砂漠化」が進んでしまいます。

環境危機と生物への影響
気候変動がシロクマやコアラ、ゾウなど多くの生物に影響を与えています。また、亀の卵が温度によってオスかメスか決まるため、温暖化でメスばかりが生まれる異常事態も報告されています。オーストラリアの世界最大のカメの産卵地での調査では、ある年のデータがメスが116匹に対してオスが1匹だったそうです。

カメは、産卵場所の砂の温度で性別が決まります。
温度が高いとメスが、低いとオスが多く生まれます。

海洋プラスチック問題
太平洋を航海する中で、毎日、ペットボトルを目にします。海水を調べると、どこに行ってもマイクロプラスチックが入ってきます。つまり地球の海はプラスチックスープの海になってます。実は海洋プラスチックの中でも化繊が一番多いっていうこともわかってきました。これらのプラスチックは海洋生態系に深刻な影響を及ぼしています。

プラスチックは有害
プラスチックには体に良くない化学物質が含まれており、日本ではその種類が約2万種もあります。そのうちの3割弱が環境ホルモンで、特に有害です。ヨーロッパではこれらの物質の使用が禁止されていますが、日本ではまだ禁止されていません。

声を上げることで変化が起きる
普通に買い物をするとプラスチックも買ってしまいます。それを解決しようと、2年前、小学1年生がスーパーに「プラスチックを使わないで」とアンケートを送りました。今では裸売りコーナーも増えています。声を上げることで変化が起きるんです。アンケートに住所を書くと必ず返事が来ます。このようなアクションを起こす環境活動家をたくさん育てたいと思っています。

知る事は希望!
武本さんは、「知る事は希望!」というメッセージを強く訴えています。いろいろ映画を見たり本を読んだり、環境の現状や変化について正確に知識を持つことが、問題解決への第一歩であり、それが希望を生むと考えています。

ところどころにジョークを交えて、おもしろおかしくお話しいただきました。

気候変動かるたで遊びました!

国際環境NGO FoE Japan監修の気候変動かるた(合同出版株式会社)
小学生と中学生のチームに分かれてかるた大会で遊びました。
1枚1枚のかるたの内容について、武本さんと佐竹監督が解説してくれました。
最後に、自分が取ったかるたの中から、気になった1枚とその理由を発表しました。

座談会 

今、感じていることや、これからやりたいことについて話しました。

メンバーのコメント

武本さんの話を聞いて感じたことは?

「実際にやることが大事だなと思った」
「行動をして一歩を踏み出すことが大切」と、
行動を起こすことの重要性を再認識できました。
「奄美に行ったことがあるけど、今のサンゴの状態が深刻なことになっていることを知って驚いた。怖くなった。」というコメントもありました。

これからやりたいことは?

「映画の上映会を開けたらいい」という多くの意見がありましたが、
「提案しても学校側の理由で実現できない」
「学校で話しても分かってもらえない」
「学校でも関心の無い人が多い」
という現状もあります。
「友だちに話すことで、それが広がれば、良くなるかなって思う」
前向きな姿勢も見られました。
「まずは、学校内に発信できればと思っている」と、
自分の学校での活動を目指すコメントもありました。

ふたりからのメッセージ

武本さんから
「昔と比べてって言っても、若い人は昔を知らないので、理解するのはなかなか難しいよね。僕は写真を撮ってきたんで、ずっと写真で記録をしていて、それを保管しておいて良かったなって、今、思ってるんです。
でも、みんながそういうツールを持っているわけではありません。だから、「数字」でもっと理解することが必要だと思っています。例えば、山火事になる原因について話すとき、コアラが食べるユーカリがガスを出すから火事になるという話があります。熱帯地域には、微量のガスを出す植物が結構あり、沖縄にもそのような植物が何種類もあります。
そのガスが42度で引火するんです。42度でぱっと火がついて、それで火事になり、コアラもたくさん死んでしまいます。この42という数字は非常に具体的で、理解しやすいです。他にも、どのくらいの都市が海に沈んでしまうか?という話があります。このまま地球温暖化が進むと、多分60数%の都市が海に沈んでしまうと言われています。
数字で覚えることが大切です。以前、国連の環境担当官と一緒に船に乗ったときに、彼女は『日本は環境教育を道徳的に教えようとしているんでしょ』と言われました。世界的にそれはあまりないことです。道徳は大事ですが、環境問題はやっぱり数字で覚えることが重要です。」

佐竹監督から
仲間を増やすことの大切さについて。
「いつも『Power of Two』という言葉を使います。1人から2人になった瞬間に、そのパワーは倍増します。だから、ぜひ仲間を見つけてください。
もちろん、皆さんそれぞれに事情があって、なかなか一緒に続けられないときもあるでしょう。それでも、その子が言い続けてくれるだけでなく、その後には新たな仲間が加わることもあります。一度増えた仲間がまた次の仲間を呼び、それが連鎖していくのです。
仲間が増えることで、活動はさらに力強くなり、広がりを見せます。1人で始めたことが、2人、3人、そしてもっと多くの仲間と一緒に進んでいくことで、大きな変化を生むことができるのです。
だから、めげずに仲間を増やしていってください。皆さんの努力が、環境保護や社会問題に対する意識を高め、多くの人々に影響を与えることを信じています。応援しています!」

まとめ

今回のイベントでは、科学で証明された「数字」とともに、環境の変化を正しく知ることがとても大事であること。そして仲間をつくって、声を上げることで、社会に影響を与えることができることを学ぶことができました。
アンバサダーズのコミュニティには、同じ考えを持った仲間がたくさんいます。これからも、メンバーで交流しながら、佐竹監督とともにプレスチック汚染問題に取り組んでいきましょう!

参加していただき、ありがとうございました!
https://mps-aj.jp/

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