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『旅の種"根"火』

私たちは生活の中で数々の写真を目にする。

写真を見る行為は、その像を記憶へ投射する過程で、自分の感性も刺激する。

すぐに忘却してしまうものもあれば、見た瞬間に小さな火種を生み、それが年月を経過しても消えずに燻っていたり、あることをきっかけに再燃し、気づけばどんどん大きくなっていたりする。

そして、ある点まで到達すると、パンッと弾けて、気がついたら旅に出ている、なんてことがある。

こうして訪れた場所は自分の心に根をおろし、思い出の木々として心景の一部になり、旅から日常に戻っても、いつもその土地には、その土地の人々、動物、自然が生きていることに想いを馳せることができる。

こうして自分の風景を、想像力を広げていくことが人生を豊かにしていく。

だから私は今日も"種"を蒔く。

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