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nismo 40周年の話

 横浜に行く用事があるとついでに日産本社のギャラリーに行くのが私のお決まりなのですが,先週末に行ってみるとnismo創立40周年ということで,記念展示をしていました。大きくレーシングカーとロードカー(いわゆるコンプリートカー)の二つに分かれて展示されていましたが,今回はそのレーシングカー2台をピックアップしてオタク語りしたいと思います。

NISSAN Z nismo GT500

 まずはメインステージにFormula eのマシンと共に展示されていたZ nismo GT500。こちらは今年からベース車両が通常のZからnismo仕様にスイッチされたまさに現役の車両です。カーナンバーはニッサン陣営のエースナンバー23号車。Motul Autech Zです。

シーズン中だがこんなところにいていいのだろうか……。

 ノーズがnismoになってスラント傾向が強くなってよりスムースな形状になっています。まさに目下シーズン中の現役車両ですが,nismoの現在を伝える意味があるのか堂々と展示されていました。フツーにかっこいい。なんだかんだでGT500のZを目にしたのは初めてだったかもしれない。

R91CP

 もう1台は1991年のデイトナ24時間レース優勝車両のR91CP,グループCカーです。当時のコーポレートカラーの赤・白・青のトリコロールに23番のゼッケン。まさに日産のエースカーです。グループCの主要レース,ル・マンの舞台サルトサーキットにはユノディエールという超ロングストレートがあるので,低ドラッグ(空気抵抗)・ハイパワーで最高速を重視したマシンになっています。

左右でミラー形状が違うのがフェチポイント

 グループCのルールは「決勝レース中の使用可能燃料上限量のみ,他は自由。」という思い切ったもの。つまりレース中の燃費が一定以上であればエンジンも自由,車体形状も完全オリジナルでOK。そのため参戦へのハードルが下がり,結果として多くのメーカーがしのぎを削るカテゴリーとなりました。

 そんなグループCですが,予選中には燃料使用量の縛りすらなくなるので,その時に発揮するパワーは1000馬力とも1500馬力とも言われる狂気そのものでした。なにせ計測できる機械がないため,使った燃料から推定するしかないというレベルです。その狂気は「日本一速い男」こと星野一義をしても「日産のCカーが一番怖かった」と言わしめるほどでした(動画参照)。



 こんな狂気の時代のマシンと最新のFormula eやSuperGTのマシンが同じ空間にいるというのは,やはりnismoの長い歴史を物語っているんはないでしょうか。
 次回はロードカー編……の前に,忘れてはいけない青いあのマシンの話をしたいと思います。

 ではまた。

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