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さよポニの話「ベストアルバム『ROM』Disc1」

 最近クルマの話ばっかりだったのでそろそろさよポニの10周年について書こうと思います。先日11月13日にさよポニの「ベ」ことベストアルバム「ROM」がリリースされました。ベスト盤であることと同時に結成10周年を記念するという意味もあり,3枚組各12曲,計36曲という超豪華なラインナップとなっております。Disc1はふっくん作曲の曲,Disc2は324P作曲の曲,Disc3はマウマウ曲5曲・メグ曲5曲・クロネコ曲2曲で構成され,およそ150曲という曲の中から選りすぐりの曲たちが収録されています。そしてそれぞれのDiscに各1曲の新曲,または初音源化となる曲まで収録されています。ベストアルバムにもこういうことを仕込んでくるのがなんともさよポニらしいと思います。

 さよポニの曲について色々書きたいと思っていたのでこれを機会にアルバム軸で各曲について思うことを書いていこうと思います。今までのペースだとかなり長い期間書くことになりそうですが…。ガンバリマス。今回はベストアルバム「ROM」のDisc1の各曲レビューっぽい何か,始まります。ここから先はかなり私の独断と偏見が入っているで悪しからず。

さよポニのエースの10年間

 このアルバム(の一部)を一言で表現するのであれば「さよポニのエースの10年間」といった感じでしょうか。ふっくんはさよポニ最初の曲から現在に至るまでコンスタントに名曲を送り出している紛れもないエースです。ふっくんの曲の特徴は,アコースティック・フォーキーなメロディーとセピア色とも言えるどこか懐かしくて切ない歌詞でしょうか。また,全体的にサビまでが短く,歌詞も最低限のワードで多くの情景が浮かぶような言葉選びをしている傾向があり,ミニマルな印象を受けます。そんなさよポニのエースの12曲を語りたいと思います。

M1 新世界交響曲

 ベストアルバムの1曲目は「新世界交響曲」です。これまではシングルのみに収録されていました。アニメ「キルラキル」の2クール目のエンディングにも使用されておりさよポニの中では知名度は高い(はずな)曲です。これはMVも公開されているのでこちらをどうぞ。

 以前投稿した第2シーズンを象徴するキュートでポップなアップチューンです。5人のコーラスワークが耳に心地よく,歌詞も自分の欠点を認めながらも強い自分を願う前向きなアイドル的な曲となっています。曲の構成もラストの大サビの後にさらに別のメロディーのサビがくるというミニマルな構成を特徴とするふっくん曲としては珍しいものとなっています。テーマ的にはベタとも言えるかもしれませんが曲自体は構成と言葉選びでさよポニらしさを表現している曲だなと思います。

M2 ナタリー

 2曲目は1stアルバム「魔法のメロディ」(「モミュの木の向こう側」はメジャーデビュー前なので「魔法のメロディ」を1stとします。)収録の初期のさよポニの代表曲です。ポプテピピックで話題になったAC部のMVも公開されています。

 サビで始まり,短いAメロとBメロを挟んですぐサビに行くというふっくん曲でよくみられる構成をしています。全体的にフラットなトーンで流れる曲です。私がたまに読むブログの作者も記事にしているのですが1番のAメロの

光散らばった街で
未来はまだ遠い気がして
僕らは今日を大袈裟に
生きることに夢中だったよ

という歌詞のセンスがすごくて,この少ない文字数で郷愁をこれでもかと掘り起こされるという体験はそうそうできないんじゃないかと思います。この曲はさよポニを代表する名曲といっても差し支えないんじゃないでしょうか。

M3 光る街へ

 3rdアルバム「円盤ゆーとぴあ」収録の曲です。円盤ゆーとぴあは3枚組アルバムでこの曲は1枚目のラストの曲です。2枚目は季節曲の総集編,3枚目はオールふっくん曲のボーナストラック的な扱いなのでこの曲が第2シーズンの最後の曲ともいえるかもしれません。こちらもMVあります。

 ボーカルのコーラスワーク,新しい環境に対する前向きな歌詞,懐かしさを含ませたアレンジとさよポニの特徴がバランスよく配合された一曲となってます。こういったミドルテンポの曲はさよポニのらしさが特にでます。よく晴れた朝に聴きたくなる1曲。

M4 遠い日の花火

 初出は最初期の限定シングルで5thアルバム「君は僕の宇宙」にも収録されています。最初にさよポニを紹介した時にも触れましたが初期の名曲です。MVはないですが324Pのリミックス版が公開されています。こちらもいい味。

 とにかくこの曲は歌詞がすごいと思います。ふっくんの懐かしく切ない歌詞のセンスがこれでもかというほど炸裂していて全編クライマックスとなっています。出だしの

境内の提灯 宵闇に浮かび
風に揺られ

で夏祭りの神社の情景を引っ張て来て

祭り囃子の中 人混みに
はぐれぬように
息を止め 手をつないだ
あの夏の日

と昔一緒に行った夏祭りの思い出に一気にズームアップします。このシーンの変化をほんの数行で表現してしまうのです。続く歌詞も同じクオリティなので曲全体が密度の濃いものとなっています。個人的には名曲過ぎておいそれと気軽に聞けなくなっている曲です。心を整えていないと郷愁でMPが0になります。

M5 あの頃

 1stアルバム「魔法のメロディ」の最初の曲。これも初期を代表する曲です。私はこの曲の魅力は

きみが願うことのすべてを叶えてあげたいんだ
その笑顔がぼくの光だから

というさよポニ史上屈指の名フレーズだと思っています。さよポニのイラスト集「ひみつの時間」にはさよポニ用語集があるのですが(実は用語集片手に投稿しています),その中でこのフレーズはさよポニのメインテーマでもあると触れられており,さよポニのキーとなる1曲です。

M6 ハミングの色

 ここまでは比較的初期の曲が多かったですがここから新しめの曲が続きます。この曲は今年シングルで発売された曲です。なぜか7インチレコードという形で。視聴用はこちら。

 グッズとしての側面もあったので購入はしたのですがレコードを再生する設備を持っていないため全編通して聴くのは今回が初めてです。

真っ白な街中が塗り絵みたいに
ハミングの色できれいに染まる

というサビのコーラスが耳に心地いい一曲。ハミングの「色」みたいな聴覚を視覚で表現するというような共感覚的な表現がとても好きです。

M7 神さまのイタズラ

 こちらも今年発売のシングルです。こちらはCDで発売されましたがなぜかフリスビー付きでした。この曲はサビの

明日出会うきみよ 待ってて
青空渡って行くよ

というフレーズがちょっと意味深で「出会う」という言葉は通常初めてその人と会うときに使うのが普通ですが,この曲の語り手は「きみ」を知っているように感じるといううっすらとした矛盾を感じます。これは語り手がループしているのかな?なんて思ってしまうのは「ありふれた奇跡」の印象があるからでしょうか。

M8 僕らの季節

 2ndアルバム「青春ファンタジア」の1曲目。新世界交響曲と同じ傾向の前向きなアップテンポの曲です。サビで始まり短いAメロ,Bメロですぐサビに入るというふっくん定番の構成となってます。

 この曲と「新世界交響曲」この後に収録されている「秘密の時間」の3曲はさよポニの学生時代の懐かしさと切なさを表現している青春群像劇的な楽曲たちの前向きな面を象徴する曲です。清涼感あるメロディーと前向きながらも少し切なさの残る歌詞がマッチした曲です。

M9 ゆめなんです。

 Disc1の初音源化枠です。これまでは初代あゆみん卒業曲ということでYouTubeに公開されているのみで,今回晴れていつでも聴けるようになりました。スローテンポで推しであるあゆみんがソロボーカルな私のお気に入りの曲です。収録曲が発表された時にもファンの間でもこの曲が話題になるくらいには人気曲です。

 現在はいい相手と結ばれて幸せな生活をしているけれどもふと海を見ていると昔乗り越えた恋と失恋を思い出してしまう,そんな曲です。

こちらはこちらで幸せです
すてきな人も出来ました

というフレーズがこれまた大好きです。いつかこんなこと言えるようになりたい。言う相手はいないけど。そして最後に

やっぱりあれは夢なんです

と現在に納得してを選ぶのも幸せなさよならの形を感じます。

M10 ふたりぼっち

 「円盤ゆーとぴあ」収録曲。ボーカルに岸田メルを迎えたさよポニでは珍しい男女のデュエット曲です。9月のカレンダー曲ということでお彼岸がテーマとなっており,残された側の心情が秋の夕暮れの情景とともに描かれています。

M11 秘密の時間

 こちらは「ほぼ」初音源化曲。限定シングルにしか収録されていないため古参のファンでも音源を持っていない人が多い曲ですが,この度晴れてベスト盤に収録されました。

 個人的には出だしの

忘れないように約束をしよう「また明日」って笑って
夢中になって輝いた私たちはここに置いていこう

というフレーズが大好きです。輝いていた,充実していた日々を懐かしみながらも,次のステージに進むためにそれに別れを告げる心情を描いた名フレーズだと思います。イントロなしでこのフレーズを入れられてこのまま一気にこの曲の世界に連れていかれる感じがたまりません。

M12 思い出がカナしくなる前に

 自主製作アルバム「モミュの木の向こう側」の1曲目。さよポニのすべてが始まったこの曲をDisc1のラストに持ってくるあたりさよぽにらしいな,と思います。

 この曲は残された側の前に進もうとするもどうしても一緒に過ごした幸せな日々が忘れられなくて葛藤する切実な心情が描かれています。歌詞も全編クライマックスでこの曲も心を整えないで聴くとMP0になります。

まだまだあるぞふっくん曲

 アルバム紹介というよりもふっくんについて語る回になってしましましたが…。アルバムの構成上致し方ないか。「ROM」収録曲以外にも「星屑とコスモス」,「それを愛と…」といった名曲たちをふっくんは送り出しています。その曲についてはいつになるかわかりませんがそのアルバムについて書くときに一緒に書こうかと思います。とりあえず「星屑とコスモス」はさよポニの「目が明く藍色」もしくは「ボヘミアン・ラプソディ」と自分の中で呼んでいるくらいの大作なのでぜひ聞いてほしいです。
 以上,お納めください。


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