SHARPのコンポと音楽遍歴

 誕生日にテンションが上がらなくなってきたのはいつからだろうか。先日二十何度目かの誕生日を迎えたのだけど一人暮らしの平日となれば特にいつもとは何ら変わりのない日である。そんなことを思いながらいつものように音楽を聴いていた。

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 ふと思えばこの音楽を流しているこのコンポも確か誕生日プレゼントではなかっただろうか。例年はミニカーをねだっていたのだが,小5か6の年に初めてミニカー以外のものをねだってきたと母親が感慨深そうにつぶやいていたのをおぼろげに覚えている。それから今までこのSHARPのダークブラウンのコンポで音楽を聴いているのだから人生の半分以上を共にしていることになる。

 確か決め手はメインユニットのトグルスイッチだった。あとはMDとCDとおまけにカセットが聴ければいいと思っていた。余談だがiPodが普及してiPodから直接スピーカーに流せるコンポが出てくるのはもう少し後だった。

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 それからというもの家にあるCDを聴きまくっていた。手始めに家の車で流れていたTHE BOOMやムーンライダーズ,ユニコーンあたりから。それからポルノグラフティとミスチルも。中学に上がってからは英語の授業が始まるってことで洋楽にも手を出し始めた。そこで80'sにどはまりしてコンピアルバムをさらに濃縮してベストMDを作るなんてこともしていた。そしてそのMDを友達と貸し借りしたり彼の家にいって聴いたりしたこともあった。その時の彼のコンポが自分のよりも新しくてきれいだったのを見てちょっと羨ましくなったのは内緒である。

 そういえばMDを貸した彼とは今年の初めにあった同窓会でものすごく久しぶりに会った。私と同じく今はドライブが趣味で自分とは比べ物にならないくらいの距離を愛車のプログレで駆け回っているようだった。三次会が終わった後彼にその自慢のプログレで送ってもらった。ずっとウーロン茶を注文していたのはどうやら車で来ていたのとそもそもお酒が苦手だったようだ。その車内で「これ貸してくれたMDに入ってたでしょ」といってAhaの”Take on me”を流してくれて,そんな昔のことを覚えてくれたいた嬉しさとか,あの時もっと話していれば今はもう少しいろんなことを一緒にできていたんじゃないかというほんの少しの後悔がないまぜになって押し寄せてきた。この感情を的確に表現できる感性と語彙力を私は持ち合わせていない。

 ちょっと脱線した。そこから高校に上がるとLOVE PSYCHEDELICOとかU2,東京スカパラダイスオーケストラ,QUEENあたりにも手を出し始めていた。あとは家にないサザンのアルバムを聴くようになった。共通の音楽の接点がその辺にしかなかったのもあって,結構高校では「サザンが好き」で通っていた気がする。ラジオを聴いていた時期もあった。「School of Lock!]とか。

 そうして私の音楽の趣向の基礎のようなものができたわけだ。ぶっちゃけカオス極まりないと思う。それぞれのアーティストについては後々書く機会があればいいが,かいつまんでみても,THE BOOMやユニコーンはそれ単体で多彩な音楽性を持っているし,そこに洋楽の要素をもったムーンライダーズやLOVE PSYCHEDELICOまで結構幅広く聴いていたなと自分でも思う。YMOとかヒーリング系のコンピとかも聴いていたし。

 そして大学に進んで一人暮らしが始まるわけだがそこにもごく当たり前のようにこのコンポを持って行った。家にある大量のCDは持っていくわけにはいかなかったのでPCやiPodからAUX出力で聴くのが主になっていた。友人にの家で教えてもらったフジファブリックとかボカロを流したり,自分で探しあてたサカナクションやさよならポニーテールを流したりしていた。このころからアニメやゲームもPCで楽しむようになったのでその辺も流していたかな。戦車ゲームをコンポにつないでやると砲撃音に迫力が出て面白かった。

 社会人になってからもコンポの使い方自体はそんなに変わっていないかな。専らPCからの音声出力専門になったので音楽,アニメ,映画を流す日々。特に音楽はほぼ毎日流すようになっていて使用頻度は過去最大な気がしている。アーティスト軸でいうとSuchmos,D.A.N.,ずとまよ。あたりを聴くようになったかな。

 振り返ってみるといろんな音を長いこと流していたな,としみじみ感じるところ。それでいて我が家のぶっちぎり最古参家電にも関わらず壊れる気配が全くないのもすごいなと。この調子でもうしばらくは私の耳にいろんな音を届けてくれるでしょう。

 ということで誕生日をきっかけにふと我が家の最古参家電と音楽遍歴に思いを馳せた回でした。
 以上,お納めください。

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