見出し画像

視認特性からみる教材のこと

 こんにちは。もずです。

 皆さんは、いつもならばスラスラと解けるはずの問題が、別の書体(字体・文字間・大きさ等)になった途端、解けなくなることはありませんか?
 別の言い方をするならば、全く同じ問題であっても、慣れ親しんだ問題集では解けるのに、見慣れない問題集だと、解けなくなってしまうということはありませか?
 これは、個々に備わる視認特性による可読性、判読性が関わっています。

視認特性・・・(文章を見た際の)理解のしやすさ

 皆さんは、一番最初に勉強を始める際、まずは様々な教科書や参考書を選び始めます。その際、最も好印象に感じた教材を選ばれると思います。これが、個々に備わる視認特性となります。第一印象のイメージです。

可読性・・・(文章を読んだ際の)読みやすさ

 文章を読んだ際における「読みやすさ」になります。これは字体や文字の大きさ、文章の構成などが関わります。

判読性・・・(文章を読んだ際の)理解のしやすさ

 文章を読んだ際における「理解のしさすさ」になります。これは、文章の意図が正しく伝わっているかということです。いかに誤読を防げるかという点を重視します。

 教材を作る現場においては、幅広い受験生に理解を深めてもらえるようなデザインとするため、この3つの点において、特に意識し構成されているものが多いです。(著者と受験生との戦いでもあります。)

 今回の本題である「書かれている問題が、同じ問題であっても、文章の書体や大きさ、文字間隔により、解けなくなってしまう」ということも、これら視認特性にかかる性質を理解していれば、納得できるかと思います。
 自分の好きな構成や書体ではない形で出題されたときに、一次的に混乱してしまう一因であるといえます。

視認特性を活用した勉強法

 では、このような状況で混乱してしまった際に、どのように克服すればいいのか。逆に視認特性を活用して理解を深める方法はあるのか、という点について、記します。

①視認特性を理解しておく。(意識の問題)

 一番簡単なことは、意識の問題として考えることです。視認特性は、パッと問題を見た際にうける第一印象になります。これまでの書体や文字の大きさと少し違っていて、読みにくいかもしれないと感じた際に、そっと目を閉じて「あー、これが視認特性か」と理解し、心を落ち着かせることは、とても有効です。

②視認特性を逆手にとり、理解を深める。(理解の問題)

 国家試験の勉強では、教材の他に、様々な関連法規や所管省庁における関連文章を読んだりするケースが多くなります。それら文章は、決して読みやすいと感じるものばかりではありません。特に公官庁においては、省庁毎に文章作成ルールが存在し、統一的な形式になっていない場合があり、読み難いものも多いです。

 そこで、勉強法においては、読み難い書体を、自分の好きな書体に変更することで理解を深めたり、逆に読み難い書体を、理解するためにマーキングをするなど、あらゆる手段を駆使して勉強していく方法もあります。
 人間の脳は、これらの目から入る様々な刺激を受けることで、より理解が促進されるとも言われています。

③様々な書体で問題に触れる

 勉強法においては、昔から「浮気せず、1つの教材を徹底的にやり込むほうが理解が深まる」という話があります。私自身も考え方は理解できますが、これは主にインプットでの場合に有効な手段であると考えます。
 アウトプットにおいては、様々な媒体、書体、あるいは状況において勉強するほうが、より理解が深まると感じます。
 一例をあげると、本試験を想定した模擬試験やWEB問題等が有効です。慣れ親しんだ問題集のデザインとは、全く異なったデザインや構成の問題を解くことで、刺激を受け理解が深まります。

④文章からキーワードを選択する。

 文章を読んだ際に、答えを導くためのキーワードを選択していくことも有効です。書体が変わったとしても、問われている本質は不変です。そのため、選択したキーワードにおける周辺知識を頭の中で関連づけて、覚えることにより、どのような問題にも対処できるようにします。答えを覚えるのではなく、理解をすることが大事です。

総括

 勉強方法は、人によって様々なやり方があります。自身の特性を理解し、それを活用できる勉強法を導き出せれば、勉強効率は上がるかもしれません。

 この記事が、皆さんの勉強の一助になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?