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特別支援教育におけるNew Normalを考える

目次

「New Normal」とは

 「New Normal」とは、直訳するとどういう意味になるのかは定かではないのですが、「新しい生活」「新しい社会」「新しい日常」「新しい常識」といったところでしょうか。

 新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐため、様々な場面において「New Normal」を実践することが期待されています。身近な所で言うと、感染防止のためのマスク着用、手指の洗浄といった衛生意識の向上、自宅からオンラインで仕事を行うといった働き方の変化などでしょうか。接触を少なくするため、クレジットカードを自分で抜き差しして決済を行うことも増えました。また、コンビニやスーパー等でスマホを使って電子決済する方も増えたのではないでしょうか。他にも飲食店で食事をするシーンが減り、代わりに飲食店で購入してテイクアウトをする機会が増えました。このように「New Normal」は日常の至るところで見かけるようになってきたのです。

 でも、よく考えてください。マスクや手洗いなどは以前からあった日常生活動作なので、そんなに抵抗がなかったかと思います。しかし、「zoom」といったオンラインweb会議アプリを初めて使ったときはどうでしたか。使い方自体は簡単なのですぐに使える人もいたと思いますが、「使い方が分からない」「なんか危なそう」などと使うことに抵抗があった方もいるのではないでしょうか。電子決済に関しても同じです。「使い方が分からない」「電子決済ってなんか怖そう」などといった理由で敬遠している方をよく見かけます。それは各個人の考え方なので、僕がどうこう言うことではないです。ただ、「なんか危なそう」という個人の考えで、子どもたちにオンラインシステムや電子決済の「使い方」や「便利さ」、反対にその「危険性」などを伝えないのは問題です。

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特別支援教育における「New Normal」

 知的障害のある子どもは、日常生活の中で経験したり、見たり聞いたりして獲得していく適応行動を生活の中ですぐに獲得し使用するのは容易なことではありません。そこには、絶対的な経験数が少ない、そもそもその活動の意味の理解が不十分など,障害特性に起因する様々な要因が考えられます。
そのため、日常生活と併せて子どもたちが獲得できるよう学習する場面を設けていく必要があるのです。そこに今回のコロナ禍がやってきました。私達は、子どもたちが「New Normal」に上手く適応できるように支援していく必要があるのです。そこには個人の「なんか危なそう」「分からない」の居場所はありません。
 特に現在は、子どもたちを誰一人取り残すことなく学びを保障していくことが重要となっています。こういった観点から、遠隔授業やクラウドを活用した授業で学びを保証する必要があります。新たに学習指導要領に示されたプログラミング的思考を含む情報活用能力の育成を図ることで新しい時代と社会に適応し、自らの人生を拓いていけるように支援していくことも大切でしょう。

40年ギャップ説

 Michael Barber氏が唱えている「40年ギャップ説」は、ICT教育について勉強している方はどなたも聞いたことがあるでしょう。初めての方もいるかもしれないので簡単に説明すると

①教育は、子どもたちが社会の中心となって活躍する20年後を見据えて行うべきである。

②しかし、保護者や教員は自分たちが子どもの頃に受けた20年前の教育をベースにした教育を行う。

③結果、そこには40年のギャップが生まれる。

初めて「40年ギャップ説」を聞いたときにはあまり実感が湧かなかったのですが、ポスト・コロナにおいてこのギャプは特に感じるようになりました。20年後の社会を見据えて教育を行うのは難しいかもしれませんが、せめて目の前にある「new normal」と向き合い、子どもたちにとって「standard」になるように支援していくことが求められています。

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